2007年5月16日水曜日


日帰りでロンドンから楽しめる観光地のひとつにバースがあります。
普通のツアーならあの「ストーン・ヘンジ」と組合せになっていることが多いんだけど
そこを出てからバースに向かう途中にたくさんの豚さんを見ることがあります。
そんなところを通りながら私はいつもバースのイントロを始めます。
バースは温泉で有名な街なんだけどこの温泉を発見したのが何と豚さんなんです。
昔々、まだイギリスがもっともっと森が多かった頃 一番飼いやすかったのが豚さんなんです。
だって何でも食べちゃうでしょ?
特にどんぐりが大好物の豚さんたちは森にずんずん入って丸々と太ってくれます。

重い皮膚病にかかったために宮廷を追い出されてしまった王子、
ブラダッドは仕方なく豚を飼って森の中で人目を避けて生活します。
そしてある日皮膚病に罹っていた豚がいつの間にかきれいになっていることに気付いて
豚の後を追ってみると生暖かい泥沼で豚たちがたわむれています。
同じようにブラダッドも泥に身を浸すと何と皮膚病はすっかり治ってしまいました。
めでたく彼は宮廷に返り咲き、後にシェークスピアでおなじみのリア王のパパになります。


今では豚さんはいつの季節でも手に入るけど中世の時代までは
豚といえば冬の初めに絞めちゃうと決まっていたものです。
だって森の中で落ちてる木の実をたくさん食べて一番味のいいときだから!
絞めて、吊るして、さばいた豚さんは塩漬けにしたり、暖炉の脇に下げて燻製にしたり、余り物は腸詰にしたり、部分によって保存の仕方が変わります。
この豚さんたちが春になるまで農家の人たちのタンパク源になったんです。

豚肉だったら日本にもあるんだけど、
私がティムちゃんと結婚して作ってもらったお料理で
へえーってびっくりしたのがロースト・ポーク。
皮のところがカリカリになっててクラックリングっていうの。
すっごくおいしー。
イギリスの人たち見直しちゃいました。
後はベーコンやソーセージのおいしいこと!
家では豚肉の加工品はチャールズ皇太子のブランドを使っています。
(そのうちこのコラムで紹介します。)
ベーコンとソーセージは安物はだめ。
どうせたいした金額じゃあないんだから最高級品を買いましょう。

ガイドブックを読んでてびっくりするのが
「イギリスのソーセージにはお肉が入ってない」とか
「塩辛いだけのベーコン」とか言う記述。
それは書いた人が予算がなかっただけの話でイギリスのソーセージやベーコンがかわいそう!
チェーンのホテルやB&Bの朝ごはんを食べたぐらいでホントの味は語れません。
ぜひホントのソーセージを食べてみてください。
「バンガー&マッシュ」というのはソーセージとマッシュポテト。
オニオングレイヴィーをたっぷりかけて召し上がれ!
田舎のパブのお昼ご飯にお勧めです。

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