2012年6月30日土曜日

ビッグベンの名前

私の職業は観光ガイドですが、だからといってロンドンやイギリスのことを何でも知っているかというと、もちろんそんなことはありません。

今日も、何となくお気に入りのサイトをチェックしていて、びっくりしました。
お気に入りブログ、ロンドン日々のあぶく。の新記事のタイトルが
「国会議事堂の名称変更」

ちょっとサーチしてみると、いろいろ記事が出てきました。
デイリーメールの記事(リンクします)を読むと、国会議事堂の有名な時計塔の名前が、ダイアモンドジュビリーの記念でエリザベスタワーに改名されるようです。
本当は、この塔は「時計塔」なんですけど、みんなビッグベンだと思い込んでいます。

ロンドンの観光の行程に「Houses Of Parliament(国会議事堂)」が入っていると、「ビッグベンには行かないの?」なんてよく聞かれます。
実は、有名な「ビッグベン」は、国会議事堂の時計塔の中に収められているベルの名前です。

最近傾いてきているとか、いろんなニュースにでてきます。
でも、イギリスの「顔」のひとつ。
名前を変えても、きっと「ビッグベン」としか覚えてもらえないだろうに。

2012年6月29日金曜日

ベッカム抜きのチームGB

昨日、オリンピックのフットボール・チームGBに、デイビッド・ベッカムが選ばれなかったことが、とっても大きく報じられていました。
とりあえず英語だけど、デイリーメールの記事をリンクしておきます。

誰もが予想しなかった結果です。
彼は東ロンドンの出身でもあるし、オリンピックの会場から遠くないところに、フットボールの養成学校を作ったこともあって、今回のオリンピックのテーマである、レガシー(次の世代のための遺産)にもぴったりのイメージがあります。
ギリシアまで聖火をとりに行ったり、オリンピックの公の場でも活躍していました。

このニュースは、監督を務めるスチュワート・ピアースから、直接電話でベッカムに伝えられたそうです。
話を聞いていなかった英国オリンピック委員会や、LOCOG(オリンピック・パラリンピック・ロンドン組織委員会)の人たちもびっくり。
ピアース監督が言うには、「守りに力を入れたかったから」

このニュースをどう受け止めるかは、本当に人それぞれ。

LOCOGのトップを務めるコー卿は、自分の役職をベッカムに譲る話までした、とのウワサまででています。
ニュースに対するコメントの欄を見ても、ベッカム出過ぎだからちょうどいいんじゃない、という意見もあれば、勝つだけがフットボールの目的じゃない、なんていう意見も。

実は、またこの間、例のラジオ番組(リンクします)に出る機会があって、私も「ベッカムが選ばれるかも」
なんて、話していたんですよね。
お聞きになりたい方は、ウェブラジオ(リンクします)でどうぞ。
でもこれで、またフットボールのチケットの売れ行きに影響が出そう(笑)
イギリスのオリンピック公式サイトでは、問題なくフットボールのチケットが手に入ります。
(この記事をアップした時点)
ベッカムが出るから売れるってわけじゃないだろうけど、彼の功績は、メンバーに入れるっていうことで讃えてもいいと思うけどなぁ。
彼のスポンサーの企業も、みんながっかりらしい。

しかし、スチュワート・ピアースはこの一件でかなり敵を作ったと思う。

オイスターカード

じゃーん。
新しい、オイスターカードです!


今年はダイアモンドジュビリーの特別仕様のものが発売されると聞いていたのですが、
ホリデーのためにすっかり忘れていました。

オリンピック用のものも出るっていう発表もありました。

そこで、この間からいろんな駅で聞いてみているのですが、
「うちの駅では売っていない」という返事ばかり。
ダイアモンドジュビリーのお祭りが終わった後だから、売り切れたかもしれないけれど、
オリンピックのは、6月(日にちはなし)から売り出すってウェブに出てるし・・・。

リッチモンドの駅では「ジュビリーのものは、ここでは売られなかった」という情報も。
で、昨日、ウォータールーの駅で、やっと両方買うことができました。
使うつもりはないのですが、数枚ずつ購入。

駅で(つまり正規の方法で)購入すると、1枚5ポンド。
ちょっと、オークションサイトを覗いてみたら、いろんなお値段で売られているようです。



ダイアモンドジュビリーのものは、
女王様のお写真と併せて、
ちゃんとカードに「ダイアモンドジュビリー」と書いてあります。
でもオリンピックのものはかわいい図柄に「2012年夏の特別仕様」としか書いてありません。


みんな気軽にオリンピックという言葉を使いますが、実はオリンピックという言葉が使えるのは、正式なスポンサーだけなんですよねー。
もちろん使い方によるので、会話などは問題ないです。
でもウェブサイトに載せたり、カードに記載するのにはいろんな規制があります。
だから、きっとこのカードには「オリンピック」と書いたり、
5輪のロゴを入れたり出来なかったんでしょうね。

私もオリンピックの開催に合わせて、特別な追加認定ライセンスのための講習を受けて、
無事に試験にも受かりりました。
でもだからといって、お仕事のサイトにオリンピック公認ガイドとは書けません。
控えめに、ロンドン2012オフィシャルガイドって書いてあります(笑)
何のことか分かりにくいですけど、しかたないんです。
それはオリンピックという言葉にも、また、5輪のロゴにも規制があるから。
スポンサー以外の事業のサイトに、5輪のロゴを見かけたら、それはルール違反。
ウェブでは結構見かけます。

いつだったか、テレビで、レイトン(オリンピック会場近くの下町)のカフェが
「Olympic Cafe」の看板を出していたところ、注意を勧告されて
「O」を取り外して「lympic Cafe」の名前で営業を続けた、と話題になりました。
すぐ後に、そこを通りかかった時にはちゃんと「O」が戻っていたので笑っちゃいました。
取り外し自由になっているのかもね。


2012年6月27日水曜日

Hill Close Gardens


私のお客様の大部分は、初めてお会いして、きっともうお会いすることのない人たちです。
でも中には、毎年お越しになる方や、不定期ですが、何度も渡英される方もいらっしゃいます。
そんなお客様に、何人か、英語の先生がいます。
ある先生は、毎年6月のいい季節に、サマースクールに生徒さんたちと参加されます。
私はもう何年もその先生のために「コッツウォルズの日帰り旅行」をアレンジしています。
コッツウォルズの村のいくつかに、1箇所だけお庭の訪問を入れるといった風です。
先生は毎年お越しですが、生徒さんたちは毎回違うので、同じコースを組めば良さそうなものですが、それも芸がないので、いつも新しいお庭を組み込んでいます。


今日は、先日その先生と訪れた、イギリスの素敵なお庭を紹介します。
Hill Close Gardens」という名前で、多分、あまり日本の人には知られていないと思います。

イギリス人は、日本人と同じように、お庭が大好きです。
ヴィクトリア時代(150年ほど前)のことですが、街中に住んでいるために、お庭をもてない人たちのために、町外れに「貸し庭」の制度が出来ました。
貧しい労働者のため、というよりは、ある程度収入があるロウワーミドルクラスが対象でした。
庭は区画(プロット)に分けられて、プロットごとに貸し出されました。

ヒルクローズガーデンは、ウォリックの町外れにあります。
はじめは貸すだけだった庭は、そのうち売りにも出されるようになります。
20年ほど前には、ヒルクローズのもとの貸し庭は、16プロットを残してデベロッパーに売却され、その16プロットも荒れ放題となっていました。
そしてとうとう1993年に、ウォリックの地方自治体がその16プロットの所有者になって、30軒の家を建てる申請が出されたのです。

ヒルクローズが盛況だった時代には、人々はお庭を自分の好みに造って、自宅では求められないくつろぎや、子供たちの遊び場、市場では手に入らない珍しい野菜や果物のための菜園などに利用しました。

雨の日にもお庭を楽しんだり、用具入れのために、各プロットにはサマーハウスが建てられました。
サマーハウスは4畳半くらいの小さなおうちです。
材料は木だったり、レンガだったり、持ち主の好みで建てられました。
16プロットの中でも、荒れ方が一番ひどかった庭にも、サマーハウスが建てられていました。
レンガ製だったので、ちゃんと残っていたこの建物は、建築許可申請(プランニング・パーミッション)の時の調査で、当時考えられていたよりも古いことが分かりました。
さらに調べてみると、ヴィクトリア時代には国内に何百と存在していたヒルクローズのような「貸し庭」が、現在では4例しか残っていないことが分かり、1994年にグレード2の保存指定を受けたのです。

そして2000年にはヒルクローズ保存のためのトラストが設置され、2005年からお庭の修復が始まりました。
現在では1人のプロ(有給)の庭師頭を筆頭に、ボランティアの庭師たちがお庭の手入れを担当しています。
プロットごとにいろんな雰囲気が楽しめるのは、イギリスで人気のヒドコートのような「Rooms」風です。
でも、もっともっと、親しみの持てる庭。
予約すると、ボランティアの人が、1時間弱でゆっくりと案内してくれます。

私のグループは、クリスという名前のおじいさんが案内してくれました。
「どこから来たんだ?」と聞くので、ロンドンから、と答えたら、ロンドンからのグループは初めてだって言われました。
やっぱりまだまだ知られていないんだ。

ツアーが終わってから、クリスさんに「どの季節が本当のお勧め?」って聞いてみました。
「Ah、That is very good question (うーん難しいね)」
と前置きして、
「春には果物の木が、それは綺麗な花をつけるんですよ。日本でもサクラが有名でしょう?」
サクラは日本では花ですが、イギリス人にかかっちゃうと果物の木なんですね(笑)
「そして夏には、ご覧のように、お花が見事です。」
「秋には果樹園が実って、梨やりんごの味比べをしたり、やっぱり難しい質問ですねぇ」

ウォリックを訪れるなら、是非足を伸ばしてみてください。
ウォリックの競馬場のお向かいです。

お庭を楽しむのにも、ソーシャルヒストリーの勉強にも、いろいろ役立つと思います。

2012年6月22日金曜日

Spark



今日は英語のお勉強です。

さて、イギリスで「スパーク(SPARK)」と言えば、いったい何でしょう?

辞書にでているかな?




イギリスの俗語では、電気技師のこと。

例えば冷蔵庫とか、電気オーブンを買ったりした時に、配線してくれる人。

「ねぇ、誰かいいスパーク知らない?」みたいな使い方をします。




イギリスでは、各家庭へのエネルギー供給会社(電気やガスなど)が自由化されています。

そこで、自分で好きな供給会社を選ぶことが出来ます。

もちろん、供給会社を変える度に、配線や配管を替える必要はありません。

ただ、請求書を送ってくる会社が変わるだけです。




我が家は1930年代のフラットで、全体で25軒入居しています。

各フラットでガスや電気の供給会社は違います。

2ヶ月ほど前、我が家の電気供給会社から「メーターを替えるので、都合のいい日にちを教えてくれ」と手紙が届きました。




アポイントメントに来たスパークは、メーターの入っている扉を開けるなり「こりゃぁダメだ、今日は替えられないよ」と言い残して立ち去りました。

どうやら、フラット内の配線が古いので、現在の規格に合っていないために、作業に支障があるようです。

イギリスには古い物件が多いので、こういった話はよくあります。

我が家はまだ建って100年未満なので、どちらかといえば新しい方(笑)

建てられてから、150年とか200年、300年くらい経っているなんていうのは、特に珍しくはありません。




このスパークによると、どうやら、フラット内の配線を全て新しいものに取り替える必要があるそうです。

このフラットに電気の配線が引かれた時には、ケーブルはゴムで保護されていました。

ところがゴムというのは時間と共に劣化します。

現在ではケーブルのコーティングはプラスティックが利用されます。

そこで、ゴムのケーブルを全てプラスティックのものに取り替えて、それ以外にも、プラグなどで問題のある箇所をチェック、さらに各部屋のブレーカーの納まっている、メインのスイッチボードを取り替えるという仕事量。




ついこの間、フラットのペンキを塗り替えたばかりだけど、この工事の後は、また新しくやり直さないといけないようです。




工事の期間はもちろん電気は使えないので、私たちがシチリアに行っている間にやってもらいました。




見積もりをお願いした段階で、床や壁に溝を掘って、ケーブルを埋め込む方法と、床や天井にケーブルを這わせる方法とで、お値段や工事の期間が倍以上違ってくることは知っていました。

もう既にインターネットのケーブルとか電話線なんかもあるので、そういった在来の線に沿うように「なるべく目立たない」努力をしてもらうことで、埋め込み作業はなし、に決定しました。

こういった電気関係の配線のやり直しのことは、英語で「re-wiring」といいます。



2012年6月15日金曜日

シチリアのお土産

あんまりお土産を買わない私たちですが、例外がお友達のHさん。
彼も、私たちに、旅行先からいろんなものを買ってきてくれます。
大概はその地方の食べ物。
私たちは食べ物も買いますが、Hさんは帽子が好きな人なので、以前サンセバスチャンでベレーを買って帰ったことがあります。
今回はマフィア映画に出てくる、オリジナルのシチリア帽を買いました。
以前もMサイズで問題なかったので、今回もMでいいだろうと思ったら、もっと細かいサイズ分けになっていました。
と言うか、これ、お店で最後のひとつだったんです。
お店の人いわく、「これはMサイズ」
ちょっと小さいんじゃないかなぁと思ったら、案の定小さかったみたい。
さっき、「折角もらって被らなかったら申し訳ないから・・・」と、戻ってきました。

実は、自分用にも買おうかどうしようか考えていたので(でもこれが最後のひとつだったので)ちょうどよかった(笑)

やっぱりお土産を買うときには、自分が好きなものを買うべきだと実感しました。
ガイドの仕事をしていると、
「義理であげるから、何でもいいの」みたいな人をたまに見かけます。
「だったらあげなきゃいいのに」と私は思うのですが、日本ではそうもいかないようです。


2012年6月9日土曜日

Cefalu チェファルー

 先週の金曜日から、シチリアのリゾート、チェファルーにきています。
これは、ホテルのお部屋から見える景色。
大きな岩山は、ラ・ロッカ(英語版の地図では、The Rock)と呼ばれています。
その左手に、2本の塔がある建物がありますよね。
大聖堂です。
もう1週間ここにいますが、まだ、中を見に行っていません。
お昼と夕方に、ステキなカリヨンが聞こえてくるのですが、多分大聖堂からかな?
いつも、録音しようって、鐘が鳴りはじめてから、思い出します(笑)

そういえば、パレルモでも観光はしなかった。
ホテルから多分300m以上は離れなかったんじゃないかな?

チェファルーでは、プールのあるホテルがよかったので、旧市街地から少し高台に上がったところのホテルを選びました。
だから、レストランに行く時には20分ほど歩くか、タクシーを使う必要があります。

ホテルのレストランは何回か食べたけど、いまいち。
それでもラクなので、つい、行ってしまいます。

トリップアドバイザーに拠れば、チェファルーのレストランの数は39。
町にはこんなカンジの小さな通りが並んでいます。
そして、あちこちにレストランやおみやげもの屋さん。
 パレルモと違って、雰囲気も明るいし、ビーチにもたくさんの人。
 カプリでも思ったけど、6月にこんなに人がいるんだから、7,8月は耐えられないくらいたくさんの観光客でごった返すんだろうなぁ。

2012年6月6日水曜日

Ristorante Santandrea

パレルモのレストラン Ristorante Santandrea
を紹介します。

ここは、パレルモのマーケットの奥にあって、偶然見つけたレストラン。
アイスクリームを売っているカフェの角を曲がった奥に明かりが見えたので、何かと思って歩いていきました。
近づいても入り口が分からず、中で食事をしている人たちがいるので、レストランらしいと分かったしだい。

普通は入り口にメニューが出されていたり、看板が出ていたりしますが、ここは何もなし。
ドアに呼び鈴があったので押してみました。
ちょうど、2人掛けの席が空いたところだったので、ラッキー。
予約していったわけではありません。
客層は良さそう。
接客もよかった。

ざっとメニューに目を通すと、少しモダンなシチリア料理。
それでも、奇を衒ったようではありません。

とりあえずワインを頼んで、ゆっくりメニューを決めることに。
これは前菜。
地中海の生のお魚。
ようはお刺身の盛り合わせ。
塩が少し強めだったので、レモンをもらって絞りました。
 マグロ、甘エビ、イカ。
真ん中の、イチゴのソースがアクセントになっていました。
9時半ごろだったので、既にいくつかのメニューは売り切れ。


これはティムちゃんが注文したパスタ料理、パパデッリ
ソースはあっさりだけど、コクがあって、なかなか。

「本日のお魚料理」は、ツナだったんだけど、私は火を通したツナはあまり好きじゃないので、スズキを焼いてもらいました。
 ティムちゃんは、フルーツの盛り合わせをデザートに。
 私はみかんのゼリーを頼んだんだけど、売り切れ。
代わりに小イチゴのゼリーを持ってきてくれました。
ゼリーというよりはピューレってカンジ。
ビスケットがいっぱいついてきました。
イギリスだったら、これにクロテッドクリームもついてるだろうなー。
イチゴと食べたら美味しいだろうに。
でもなくても満足だったけど。
 翌日、場所を確認に行ってびっくり。
これがレストランのドア。
ランチタイムはやっていないようでした。
やっぱり何の看板も出ていません。
 それよりもこの建物。
上はボロボロ。工事中?
こんなレストランを見たのは初めて。
よく営業しているなぁって感心しました。

2012年6月4日月曜日

Trarroria La Cambusa

今日はTrarroria La Cambusa というレストランを紹介します。
小さな広場に面して建っているレストラン。

簡単にランチしたかったので、グリル料理を注文しました。
これは今日のお魚のグリル
スズキだと思う。
しっとり美味しく焼き上がっていました。
これは私のミックスグリル。
えび、いか、メカジキ。
パレルモのレストランには絶対といっていいほどメカジキがメニューに載っています。
季節なのか、場所なのかは知りませんが、市場でも目立つので、名物なのかな?
英語ではSWORDFISHといいます。
名前の通り、頭に剣がくっついているみたいなおさかな。
季節のフルーツは、さくらんぼとびわ。
お勘定書きも、こんなかわいいお皿に乗ってきました。
レストランの名前が入っています。
お値段もリーズナブルだし、サービスもよかった。
お隣のテーブルの人が食べていた、前菜の海鮮サラダがおいしそうだった。

2012年6月2日土曜日

Il Maestro del Brodo



今日紹介するのは、また、パレルモに行くなら、絶対に再訪予定のレストランです(笑)
入り口は何てことないでしょう?
市場の傍にあって、ディナーの時間には閉まっていました。
どうやら、ランチのみの営業のようです。

何となく、良さそうだなーと思って入りました。
入ってすぐのところには、新鮮そうなお魚のディスプレイ。
その奥には、イタリアのレストランによくある、前菜がずらっと並べられていました。
自分で好きなものをおさらに選んで、いくらでも食べられるようなカンジでした。

基本、私たちはブッフェスタイルがあまり好きではないので、前菜は注文しませんでしたが、
チョコチョコいろんなものを食べたいなら、いいんじゃないかな?

とりあえず、ティムちゃんがお水とワインを注文しました。
カラフェに入ってきたので、「何これ?」てきいたら、ローカルだって。
「だってこれしかメニューに書いてないもん」
確かに、ローカルワイン白か赤、グラス、2分の1リットル、1リットルの選択しかありません。
一口飲んでみたけど、とても飲めない。
工業用のの酸みたい(飲んだことないけど)

絶対に他にワインリストがあるはずだからと思って聞いてみたら確かにありました。
ただ、そこからワインを選んだら、「あ、それはありません。それもありません」てカンジ。
で、冷蔵庫を見せてくれて、そこから選びました(笑)
ティムちゃんが選んだのはこれ。安くて美味しかった。
で、これはティムちゃんの選んだお料理。
牛肉とジャガイモの煮物。
肉じゃがのイタリア版?
2日ほどジャガイモを食べていなかったので、どうしてもじゃがいもが食べたかったらしい。
さすがイギリス人。
日本人が外国に行って、ごはんが食べたいっていうのと同じかも。

これは、私が注文した、シチリア名物いわしのパスタ。
去年カプリ島で食べた、小いわしとオリープのパスタみたいなのかと思って注文しました。
大ハズレ。
上にかかっている、「とのこ」みたいなものはツナの粉末。
シチリア出身の人が、ロンドンでこれを探すのに苦労する話を聞いたことがある。

私の好みではないだけなので、好きな人には好きな味だと思います。
さっぱりとしたものが食べたい時には、全然ダメ。
こんなに残しちゃった。
太いパスタっていうのも好みじゃないし。

で、お魚のディスプレイのところに行って、何を食べようか物色。
海老をシンプルに焼いてもらうことにしました。
これはすごく美味しかった。
ちゃんと全部食べました。
食後にコーヒーを頼んだら、こんなプラスティックに入ってきました。
で、この食事をしたときに、イタリア人の常連ぽいグループが、おいしそうなパスタを食べていたので、ウエイトレスに何なのか聞いてみました。
ウニのスパゲッティーですって。


数日おいて、パレルモの最後のお昼ごはん。

この後はリゾート地に行く予定なので、あんまりご飯がおいしくないかもしれない。
そこで、パレルモにいるうちに、ウニスパゲッティーも食べておくことにしました。
メニューに「スパゲッティーと」と書いてあって、「海老、あさり、ウニ」と書いてあったから、てっきりその中から選ぶのかと思って、「ウニ」といったら、全部ミックスされたものを勧められました。

で、出てきたのがこれ。
最高においしかった。
パスタの茹で具合が、とかっていうレベルの話ではなく、全てが最高。
アサリのひとつひとつがプリッと仕上がってるし、ソースはコクがあって、それなのにさっぱり。
パスタとの絡み具合だってすばらしいし、パスタの太さも完璧に私の好み。

でもウニがいっぱい入っているだけの、普通のパスタが食べたい人にはちょっとがっかりかな?
ウニはほんのちょっとしか入ってないから。
ティムちゃんのパスタはまあまあ程度。
改めて、どのお店に行くかではなくって、何を選ぶかだと実感しました。

Il Maestro del Brodo
Via Ponnieri

2012年6月1日金曜日

パレルモの食堂

 シチリアといって思い浮かべるものは、人それぞれです。
でも圧倒的に多くの人が「マフィア」とか、「ゴッドファーザー」を思い出すようです。

今日紹介するのは、そんなマフィアに立ち向かった食堂の存在です。
パレルモの旧市街地にある、食堂。
名前はアンティーカ・フォーカッセリア・サン・フランチェスコ(Antica Focacceria San Francesco)
中はセルフサービススタイルで、お盆にいろいろお料理を乗せてもらって、レジでお会計。
お店の中にも外にもテーブルがあります。
ここの名物が、子牛肉の脾臓を煮たもの。
パンにはさんで食べるようです。

ティムちゃんがテレビで見て、是非行ってみたいというので、探してみたら、ホテルから2分程度のところにありました。
入り口はこんな感じです。
中に入ってもみましたが、プラスティックのお皿とかでお食事をする気になれなかったので、見るだけに終わりました。
でもたくさんの人で、人気のお店のようです。
脾臓の煮物なんて、ちょっと味は想像できないけど、少し、内臓っぽいにおいがお店で感じられました。
そういったものがお好きな人にはいいんじゃないかな?
私もティムちゃんも、臓物系はダメです。
スコットランドのハギスとか、シャンパーニュのオンデュエットなんかも、キモチ悪いです。

このお店のオーナーが、マフィアに払う「保護税」みたいなものを拒否したそうです。
ガイドブックには、このお店の保護のためにパトカーが停まっていると書いてありましたが、私たちが見たときにはいませんでした。