2026年1月17日土曜日

西洋のドラゴンと東洋のドラゴンって違うの?

以前、バッキンガム宮殿の東翼を紹介した時(リンクします)に、シノワーズリーについて少しだけ触れました。

シノワーズリー(Chinoiserie)というのは、イギリスを含め西洋文化での中国趣味のことです。
イギリスでは18世紀の半ば過ぎから人気が高まりました。
特にプリンスリージェント(のちのジョージ4世の皇太子時代)が集めたコレクションがよく知られています。
それまで人気だったロココ調に融合してユニークな文化が広まりました。

貴族たちのお茶の文化にもその影響があって、イギリスの陶器ブランドの発展にもつながっています。
初めの頃は中国から輸入されたものの図柄をまねたものも多いです。


さて、中国風の柄で人気なものといえば、ドラゴンもそのひとつ。
漢字で書くと「竜」ですね。

もちろん西洋にも「竜」というコンセプトはあります。
セントジョージがドラゴンを倒すといったおはなしにも登場します。

そうです。
西洋のドラゴンは悪者なんです。

対して日本を含め東洋のドラゴンは神獣。
だから倒す対象ではありません。
他にも西洋のドラゴンと東洋のドラゴンにはたくさんの違いがあります。

このお皿を見てください。
これ、両方ロイヤルウースターというブランドのものなんですが、どちらがシノワーズリー時代のものかわかりますか?




西洋のドラゴンは深い森の奥や洞窟に住んでいる(つまり生活基盤は地面)
なので飛ぶためには翼が必要です。
対して東洋のドラゴンは空で生活しています。
飛ぶための翼は必要ありません。
お魚が水の中を泳ぐように空を泳いでいるのです。
見た目も西洋のドラゴンが翼をもった爬虫類の形をしているのに対して東洋のドラゴンはそのパーツによっていろんな動物のモチーフが混じっています。
例えば身体は蛇、頭は大きくて目も大きくラクダのようです。
そして角はシカのようで、お魚のような鱗を持っています。

ということで、Aのお皿は西洋ドラゴン、Bのお皿は東洋ドラゴン。
東洋のイメージに忠実なシノワーズリー時代のものはBということです。
ちなみにAのお皿は1970年代のもの。


日本では龍神ということで恵みの雨を降らせたり、信仰の対象にもなっています。
干支の中にも出てくるので生活にもかかわりが深いです。

干支といえば、今年は丙午ですね。
丙というのは、むかし中国で10日ごとをまとめた時に使っていた十干のひとつ。
日本では「甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)」の10種類。
中国の陰陽の考えが基になっていて「え」で終わるものは陽、「と」で終わるものは陰なんです。
そして十二支(じゅうにし)は12年で一周する木星の位置を示すための考えで「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類があります。
これに十干にを組み合わせた年の数え方は60通りあります。

60歳のお誕生日を「還暦を迎える」という言い方があるのは暦が60種ひと巡りして還ってきたという意味です。

十二支(じゅうにし)は全て動物の名前ですが、辰だけが実在する動物ではありません。
辰とは龍のことです。
そしてこれらは時刻を表すためにも利用されていました。
草木も眠る丑三つ時なんて、怖いお話の冒頭に出てきますよね。
これはひとつの十二支が2時間を表していた時代に、その2時間を30分ごとに区切っていた時の数え方。
丑の刻は午前1時から3時までなので、丑三つ時というのは2時から2時半ということです。
午の刻は11時から1時。
なので12時のことを正午というのは午の刻の真ん中ということになるので、その前を午前、その後を午後というわけです。


最近では龍神様を本気で信仰する人は少ないかもしれません。
イギリスでもドラゴンは物語の中に出てくる生き物と考えられています。
怖いというイメージがあるドラゴンですが、この国ではウェールズの国旗にも出てくる親しみがある獣。

そしてイギリスには生徒たちのことをドラゴンとよぶ学校もあるんです。

それではそんな学校のおはなしはぜひ次回!







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