2023年12月19日火曜日

大英博物館の図書閲覧室に行ってきた!

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すごく久しぶりに大英博物館の図書閲覧室に入りました。



1857年に完成したこの図書閲覧室は、当時の大英博物館の中庭の部分に建てられました。
それまでは大英博物館の中、現在エンライトメントギャラリーとして知られている部分が大英図書館の閲覧室でした。
これがそんな時代のイラスト。
南正面の入り口から入ると、中央のグレートコートに面した右手の棟です。
今はこんな感じ。

カール・マルクスがロンドンで貧困生活を送っていた時に、毎日のように通っていた大英図書館というのはこの古い部分。

彼がソーホーの貧民街で暮らした1850年から1856年というのは、まだ丸い図書閲覧室ができる前です。
ソーホーの彼の家から大英博物館までは徒歩で約10分。
子供のお葬式の費用すら借金しないといけなかった彼が、二間しかない借家に住んで、ろうそく代にも事欠き、研究のために毎日のように通った時代。
大英博物館内の大英図書館は今とは違って有閑階級の人たちが集まるクラブのようだったそうです。
大英図書館の利用は無料ですが、利用チケットが必要でした。
マルクスが利用できたのは、当時の係員アントニー・パニッツィーが彼に同情したからだといわれています。
このパニッツィーがもっと広い閲覧室が必要だと言い出して、中庭の丸い図書閲覧室が考案され、工事は1854年に始まりました。

完成は1857年。
足元にお湯のパイプが通されて暖かい中でゆっくり研究ができる素晴らしい設備です。

この閲覧室が出来上がったときのマルクスは、親戚の遺産を受け取って郊外に引っ越していますが、8部屋もある立派な住宅を借りて、もちろん書斎もありました。
ソーホー時代のように毎日通うことはなかったかもしれません。
が、もちろんここへも足を運んだようです。

図書閲覧室は2000年にグレートコートが開館した際に一般公開されていましたが、2007年から2013年まで特別展示会場として使われていた際に閉めてしまいました。

数年前に建て増しされた北館に特別展示会場が移転した際、博物館のアーカイブ部門として機能するようになりました。

この中には現在毎週火曜日に開催されるツアーで入場することができます。
以前は不定期の開催でチケットを取ることは容易ではなかったのですが、今はそれほど難しくはないようです。


ツアーは写真禁止なので、今回利用の写真は全て大英博物館所蔵のものを転載しました。



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