2009年5月30日土曜日

新しい包丁

先日2日に亘るお仕事でドーバーにお泊りする機会がありました。
この写真はお泊りのホテルのお部屋から。
海の見えるお部屋でした。日本からのクルーズ船のお仕事で、たくさんのガイドが同じようにドーバー泊でした。
知り合いのガイドとお夕食を食べていると、ティムちゃんからお電話。
「みきちゃん、怒らないで聞いてね。みきちゃんの大切なもの、壊しちゃった」
一体何のことかと思ったら、セラミック包丁を落として割ったということらしいです。

実はもうすでにひびが入っていたんだけど、きっとそこが割れちゃったみたい。
でも折角電話までかけて知らせてくれたんだから、
「アラ、そう」じゃ申し訳ないので、
「えーっ、信じられなーい!!すごく大切に使ってたのに、どうしよう!!!」
と大げさに悲しむフリをしておきました。
「新しいのをちゃんと買ってあげるから、怒らないでね」
ということで、今日、一緒にお買い物に行ってきました。
このセラミック包丁は日本から取り寄せたもので、セラミック包丁は日本にしかないと思っていたのですが、昨日、なんと近所のキッチン用品屋さんで発見。
早速今日のお買い上げとなりました。

セラミック包丁は京セラだけだと思っていたのですが、ここにはフランス製の「セバティエ(Sabatier)」というブランドのも置いてありました。
初めて知ったブランドだけど、ティムちゃんがいうには
「とっても有名で、いいブランド」
らしいので、こっちもいいかもね。

気になるお値段ですが、京セラのものが89.95ポンド、セバティエは55.90ポンドでした。
でもパッケージはセバティエの方が高級感があると思います。
貰ったらうれしいのはこっちかな?

悩んだ挙句、両方買ってもらう事にしました。
だって、全然形が違うんだもん。
割れているのがティムちゃんの落とした包丁。

ところでドーバーに行くときに先輩のガイド、Mさんが手作りのマフィンをたくさん持ってきてくれて、道中いただいたのですが、とーっても美味しかった。
ふわっとして、しっとりして、甘くなくって、上品なお味。
早速レシピを聞いて、昨日作ってみましたが、見た目も味も全然だめ。
Mさんのはブルーベリーがたくさん入っていて、ラップをあけるとすごくいい匂いがしたんだけれど、私のはベチャッとしていて、ブルーベリーの匂いもありません。
おまけになぜか「ヨモギパン」みたいな緑色・・・。
冷凍のブルーベリーを使ったのがまずかったのかな?
とりあえず写真だけ載せておきます。
気が向いたら、今度は別のブルーベリーで再挑戦してみます。

2009年5月29日金曜日

ウォーキングツアー

昨日は6月7日にに予定している、ウォーキングツアーの下見のためにロンドンまでお出掛けしてきました。

テーマが決まっているウォーキングツアーは地図の上でピンポイントを確認したら、「それをどうつなげるか」というだけなので、比較的簡単にアレンジすることができます。
ピックアップされるものは決まっているので、必要かどうか、そしてインパクトの度合いなどでウォークを決めます。
例えばシャーロックホームズのツアーとか、ビートルズのツアー、切り裂きジャックなどがいい例です。

テーマを自分で決めるものは、白紙の状態からはじまるので、普通は少なくとも数回はそのエリアを歩いて、アイディアを集めて、それぞれのリサーチ、その上で地図とにらめっこしながらルートのアイディアをつめて、実際にそのルートで歩いた時間などを計ってファイナルにします。
ピックアップするモノ探しからファイナルまで、私は普通一月くらいかけます。

私が自分でテーマを決めるツアーというのは、それほど機会があるわけではありません。
「完全にお任せ」といったお客様の時とか、国際ガイドデーなどのイベント時くらいです。
今回のストーリー オブ ロンドンのウォーキングツアーは、所属している協会を通して打診があったもので、私が自由にプランを組んで、ツアーの提供ができるという面白さがあります。
集合場所とエリアは決めておかなくてはいけなかったので、ウエストミンスター近辺にしました。
というのも、このエリアはウエストミンスター寺院と国会議事堂があって、観光の方も住んでいる人も、まず足を運ぶところだからです。
そのエリアで、自分で見ただけや、バスツアーなどでは見逃してしまっているたくさんの「興味深いもの」を再発見してもらおうというのが私の狙いです。

今回は1時間30分程度のウォーキング、ということなので、自分でスタスタ歩いて35-40分程度の距離が目標です。
ところどころで案内を入れると、1時間30分程度になるはず。

6月6日、7日の2日間で、合計120のウォーキングツアーが予定されています。
日本語でのオフィシャル・ウォーキングツアーは私のものだけです。
私のツアーは6月7日、朝9:15と11:30の2回です。
料金はロンドン市長サイドで決められるものを私たちが徴収する仕組みで、ひとり7ポンド50ペンスです。
もしよかったらお越しください。

今回のウォークのテーマは
「ウエストミンスター、富と貧困とチャリティー」
地下鉄ウエストミンスター駅の改札でお待ちしています。

2009年5月27日水曜日

ブルーバッジガイド

私の職業は観光ガイドです。
イギリスでは観光のガイドには資格があって、ブルーバッジガイドというのが私の資格の名前です。

昨日、私のお仕事用のメールアドレスにに、日本の大学生から問い合わせが入っていました。
大学でブルーバッジガイドについてプレゼンを考えているので、話を聞かせて欲しいという旨です。
これまでにも、海外で働く女性という立場から、何か書いてくださいとか、イギリスのガイドから見た、ロンドンの近況についてとか、そんな質問はよく頂くのですが、ブルーバッジガイド自体についての質問はちょっと珍しいかも。

以前、日本の某県の観光局の方が、ロンドンのブルーバッジ制度について視察に来られましたが、それくらいかな?
観光の時に、私のつけているバッジに目を留められた方から質問されることはよくありますが、わざわざその為に来られる、というのはその一回限りです。

このメールでは、ブルーバッジガイドの成り立ちや、資格試験のことなど質問がいくつか書かれていました。
私のブログから、メールアドレスに辿り着いたそうなので、じゃあネタのひとつに使わせてもらおう、と今回の記事になりました(笑)


世界中に観光地があって、それぞれの国や地方に観光ガイドが存在するわけですが、資格や制度、また習慣などは、かなりの違いがあるようです。
現在では WFTGA (THE WORLD FEDERATION OF TOURIST GUIDE ASSOCIATIONS)が設けられていて、世界中の公認ガイド協会とそのメンバーが一目で分かるようになっています。
パッケージの旅行では、通常現地オペレーターがガイドの予約などを行いますから、お客様が旅行の前に直接ガイドとコンタクトを取ることは非常に稀なケースです。
でも、手配旅行や個人旅行などでは、少しずつですが、お客様がガイドの下調べをしたり、また事前にコンタクトを取って、綿密な打ち合わせを希望されるお客様も増えてきました。

最近では飛行機とホテルだけは旅行会社のパッケージを利用して、中身だけをアレンジして欲しいといった、個人のお客様も増えてきました。

ロンドンのブルーバッジガイドは、その殆どがオペレーターから仕事を請け負っています。
大手の旅行会社の「専属」ということで、他社からの仕事を取らない代わりにある程度の仕事の保障を受けているガイドや、フリーランスとして、請われればどのオペレーターからでも仕事を請けるガイドもいます。
いずれにしても、その一つ一つの仕事に対して請求書を書いて、その支払いを受ける、といった個人営業のカタチになります。

私はオペレーターからの仕事は全体の10%以下で、殆どのお仕事はお客様から直接請けています。
間に誰も入らないので、お客様の意向が直接伝わるのがこの方法の魅力です。
コミュニケーションはインターネットのおかげで随分スムーズに、そしてコストも低くなりました。
電話やファックスの代わりに、メールやウェブでいろんな情報を流すことができるようになりました。


ブルーバッジガイドは第2次世界大戦の後、ロンドンで始まりました。
街の中で爆撃を受けた場所などを案内したのが始まりだそうです。
ですからブルーバッジガイドのギルドの前衛に当たる、「ガイドレクチャー・ギルド」は瓦礫の後にたくましく咲いている雑草の花がロゴに使われました。

1951年、終戦後の国民の士気を高めるために「フェスティバル・オブ・ブリテン」というお祭がロンドンで開催されたのですが、国内からたくさんの人々がロンドンに集まったそうです。
その案内役にもガイドは活躍したそうです。

現在ではブルーバッジの資格はインスティチュートによって管理されていて、過去の試験問題や資料などもそこで手に入ります。
ブルーバッジのコースは18ヶ月で、受講するためには英国の基礎知識テストに合格する必要があります。
レベル2やレベル3のコースを終了後、このテストを受けるのが普通ですが、自信のある人は直接チャレンジすることもできます。
私が受けたときは100の設問(xxxは何ですか?、xxxはどこでみられますか?、xxxは何年ですか?、xxxは誰が設立しましたか?みたいな質問)と、エッセイ(何字だったかは忘れました。ノルマンの征服についてだったような気が・・・)で成り立っていたのですが、今はどうなっているか知りません。
問題を見た時に、
「この答え、全部知っていたら、コースなんて受ける必要あるの???」
と思ったことは、はっきり記憶に残っています。

テストに合格したら、今度は面接です。
事前に課題を与えられて、それに関する5分ほどのプレゼンテーションを行います。
私の課題は大英博物館だったのですが、何を喋ったのかはすっかり忘れてしまいました。
その時に私の書いたエッセイに関して、幾つか質問を受けたことを覚えています。

数週間してから、手元に受講許可のお手紙が届きました。

それでは続きはまた今度。

2009年5月19日火曜日

イギリスでの経費

イギリスではここ10日前後、毎日のように国会議員の経費の詳細について議論が交わされています。
そもそもはデイリーテレグラフ(The Daily Telegraph)という新聞が、これまで公表されたことのなかった議員の経費の内訳をスクープしたからです。

ただでさえイギリスでは、景気の落ち込みや職を失って家計が苦しい人たちが増えているのに、国会議員たちの経費の内容はまるで全くその影響の外にあるようです。

国会ができた初めの頃、イギリスでは国会議員は無償でした。
そのために裕福な人しか国会議員になれなかったという歴史があります。
国会議員にお給料や経費を出すことによって、裕福でない人も議員として国会に意見が出せるようになりました。
イギリスの国会議員の経費についてのルールは「グリーンブック」という名前の小冊子で見ることができます。

国会議員は自分が代表する地域に住む必要があります。
そして議会の開かれるウエストミンスター(ロンドンの西)にも住居が必要になります。
その為にこのセカンドハウスやオフィスが経費の対象になるわけです。
賃貸の場合は家賃、購入の場合は住宅ローンを経費で支払います。
それ以外に内装や家具、その他いろいろ住居に付随する細かなものが加わっていくと、そのリストは膨大なものになるわけ。

今回の暴露によって、例えばペットのえさとか、プールの清掃費用とか、全く国会議員としての仕事に関係のないものがどんどんリストアップされ始めました。

何人かの議員は適当ではないと思われるような経費に関して返却をはじめました。
これがまた庶民の神経を逆なでしています。
というのも、もし普通の市民が税務署などに対して虚偽の申告をしたり、不正な行為のあった時は「返したから」といって済まされないからです。
とうとう昨日からは諸悪の根源は議長にあり、ということで衆議院の議長、Michael Martin 不信任の動きが始まりました。
ちょっとスケープゴートっぽいと私は思いますが、どうなるかとても興味があります。
すぐに総選挙みたいなことにはならないはずですが、今選挙があったらどうなるかな?
多分3大政党から選出される議員は激減して、小さなグループや無所属の議員たちが大半を占めるかもしれません。
英語ですが、テレグラフの国会議員の経費に関するリンクを張っておきますので読みたい人はどうぞ。

2009年5月12日火曜日

豚インフルエンザの影響

この間お伝えしたように、桃太郎君の学校はインフルエンザの疑いのある生徒が出たために閉鎖中です。
そして今日の学校のウェブサイトの更新に、この生徒が豚インフルエンザであることが確認されたことが載っていました。

豚インフルエンザに罹った生徒は1年生(11歳)なので、同じ学年の子供たち(120人程度)と直接彼のクラスを担当した先生たち、そして彼の利用しているスクールバスに乗っているほかの生徒たち(他の学年と、隣の女子校の生徒たち)に抗生物質のタミフルーが投与されているそうです。
現在のところ、敷地が別の小学部もお隣の女子校も閉鎖ではないのですが、この1件で終わることを願います。
イギリスの子供たちは、この時期学年末試験の準備で大変です。
学校のウェブサイトにも、試験の準備のための課題や、先生たちのメールアドレスが載せられていました。
桃太郎君は、ウェブサイトのリストに自分のとっている科目の課題が殆どないので大喜びですが、試験を受けるのは自分だという自覚は(ちょっとだけ)あるようで、4時間くらい自分で何かとお勉強をしているようです。
今日は学校の先輩のお誕生日だということで、今しがた、待ち合わせをしているキングストンに遊びに出かけました。
お玄関の前の桃太郎君。
久々にブログ登場です。

桃太郎君のお友達の中には、公共の乗り物禁止という子もいて、どこへ行くにも親が送り迎えしているそうです。
ティムちゃんも地下鉄やバスは乗りたくない、ということでタクシーでお出掛けしました。
ランチにワインを飲むから自分の車だとまずいんですって。

でもイギリスで報告されている豚インフルエンザは、症状はとても軽いものばかりだそうです。
毎日のように日本領事館から、イギリスで何人発病しているかのメールが入ります。
昨日、ナショナルギャラリーでは、マスクをしていた観光客(多分日本人?)が3人目撃されています。
そして、私も6月に予定していたお仕事が、今日ひとつキャンセルになりました。

2009年5月11日月曜日

タワーブリッジの事故


今日の午後、ロンドンの観光地のひとつ、タワーブリッジで事故がありました。
エレベーターが3メートルほど上がったところで、急に落下したそうです。
スペインからの観光客が数人、骨折などの怪我を負いました。

タワーブリッジはヴィクトリア時代に作られた橋で、もう100年以上ここに架けられています。
その当時のロンドンの、実質、港であったロンドン橋の東側を遮ることのないように跳ね橋になっています。
なおかつ徒歩で渡る人たちに便利なように、エレベーターで上部にあがって橋の上下にかかわらず、テムズ川をわたれる様に工夫されています。
現在は端の内部は博物館になっていて、橋の仕組みやビクトリア時代の建築に関していろいろ学べるようになっています。上階に上がるとこんな感じ。ロンドンが見渡せます。
この写真は今年の3月に撮りました。
私は1年に4-5回訪れます。

北側のエレベーター(今回の事故のあった所)からこの上階に上がって、眺めを楽しんで、南側は階段で降りていきます。
そして少し離れたところにあるエンジンルームを観て、お土産物屋さんでツアーは終わり。

頻繁ではないけれど、たまに行くところなので、ちょっとびっくりしました。
それにしても3メートル程度のエレベーターの落下で骨折することもあるんですね。
もし上階近くまで上がっていたら、と思うと結果にぞっとします。
安全管理の調査が入るそうですが、大事になる前でよかったと思います。

2009年5月10日日曜日

学校の閉鎖

桃太郎君の学校が今日から1週間閉鎖になりました。
豚インフルエンザの影響だそうです。
豚インフルエンザの子供が出たわけではなくって、「疑い」だそうですから、疑惑がはれ次第解除だそうですけれど。
桃太郎君は4年生。
今回の処置は1年生の子供に症状が見られる、とのことで、特にメキシコに行ったとか、その界隈に行った家族がいるとかの情報はナシです。
インフルエンザというよりも、風邪に症状が似ているだけで、大事をとる感じのようです。
知り合いののガイドからは、日本で2週間分の食料や家庭需要品の備蓄についての案内があったなどの情報が入っています。
何となく、メディアの煽動という気がしないでもないですが。
桃太郎君がこの情報を持ってきた時は、冗談かと思ったのですが、ちゃんと学校のウェブサイトに出ていました。

2009年5月8日金曜日

ウエストミンスター寺院

昨日APTGギルドからウエストミンスター寺院の入場料の変更についてメールがありました。
とても美しい教会で、私は日本からのお客様には必ずお勧めする場所のひとつです。
以前少し記事にしました。
私のブログ記事はこちら。
ウエストミンスター寺院のホームページはこちら。
観光という視点から、ここを観るのもいいと思いますが、もし時間が合えば、是非参拝にお越しください。
その場合は入場料は必要ありません。
西側の教会本来の入り口から堂々と入ってください。
正面入り口はこちら側です。赤いケープをまとった係員がいますから、
「I'm here for the service」
といえば中に入れてくれます。
礼拝のことは英語でサービスといいます。
どれくらい既に参拝のひとがいるのかで、充てられる席は様々。
すいている時や早めに行くと、聖歌隊の横に通されます。
式次第は中で受け取ります。
賛美歌の歌詞や、誰がどんなお説教をするかまで書かれています。
式次第にはそれ以外にも、起立、着席など、指示がいろいろ出てきます。
周りの人たちと同じようにやっていれば大丈夫。
最後にもう一度賛美歌があって、大概その間にコレクションが行われます。
コレクションというのはお金を集める行為のこと。
通常は半分はウエストミンスター寺院の運営に、もう半分はその日の特別な慈善(式次第に書いてあります)に充てられます。
かごが廻ってきたら、金額は決まっていないので、好きな金額を入れて隣の人に回します。
こういった教会の運営には莫大な費用がかかるので、自分が楽しんだ分はちゃんと入れてあげてください。

とりあえず、新しい料金を紹介しておきます。
事前予約が必要なグループ以外は、5月11日からの値上げだそうです。

現在の料金/新料金
一般  
Adult £12 / £15
Student / Pensioner £9 / £12
Child (11 – 17 years) £9 / £6
Child under 11 Free /Free

家族割引
2 adults, 1 child £28 / £30
2 adults, 2 children £28 / £36
2 adults, 3 children N/A / £42

ブルーバッジ同伴
Adult £9 / £12
Student / Pensioner £6 / £9
Child (over 6) £6 / £6

学校(要予約)
University £5 / £9
Secondary school £3 / £6
Primary school £2 / £2

The changes will come into effect on the following dates :
1.North Door and family : May 11th 2009
2.Groups (Walk-up) : May 11th 2009
3.Groups (Agencies prepaid) : September 1st 2009
4.Schools : September 7th 2009

一般の観光の人たちは、北側の入り口(North Door)から入ります。
2本の塔のある正面入り口からは、ぐるっと左側に廻ったところ。

2009年5月7日木曜日

手術

少し前に書いた、嚢胞除去の手術を受けてきました。
イギリスのお医者様はひとつの病院に所属している人もいますが、掛け持ちで幾つかの病院で働いている人もいます。
私が前回診てもらった、南アフリカ人のお医者様は、南西ロンドンとサリー県の合計4つの病院でコンサルタントをしています。
彼自身の予定は、それぞれの病院でも把握できますが、彼のプライベートの秘書が調整しているようです。

今回の手術は、彼がコンサルタントを勤める、パークサイド病院で行われました。
朝の7時半に来てください、とのことだったので、おうちを7時に出たら余裕で到着しました。
駐車場で車を降りたら、あちこちのサインに「NIPPON CLUB」と出ています。
在英邦人ための診療所があるんですって。
セントジョンズウッドにあるのは知っていたけれど、そういえば南診療所のことを、どこかで読んだ記憶があります。

受付で必要な書類を提出して、しばらく待っていると結構かっこいいナースが迎えに来ました。
ティムちゃんは昨日まで、手術のときは手をつないでいてくれると言っていたのに、当日になったら、
「手術の邪魔になるだろうから、ロビーで待っている」
血を見るのがイヤだからだと思います。
本当に根性ナシ。
着替えをして、控え室に連れて行かれて、少し待ってから手術室に入りました。
日本の手術室は銀色のものが多くて、冷たくて機能的な感じだけど、イギリスの手術室はクリームと青りんごっぽい色合いのものが多くてそれほど怖くありません。
実は昔、日本の病院で、手術室を見て気絶した経験があります。

小さな手術だったので、局部麻酔だけです。
歯医者さん以外で麻酔をするのは人生で3回目。
今回の注射が一番痛かった。
もともと注射は大嫌いなので、先生に、
「痛いかしら?」
「どれくらい痛いの?」
「しなくちゃいけないかしら?」
我ながらまるで子供のようだとも思いましたが、嫌いなものは仕方ありません。
しかも、注射するのは一回だけだと思っていたのに、最低でも3本も打たれました。
3本目の途中から痛くなくなったので、それ以上打たれているかもしれません(笑)
その後しばらくしてから、
「ちょっと麻酔が効いているかどうか、触ってみるから何か感じたら教えてください」
なんて言われたのですが、今から思えば、
「何となく触られているのはわかる気がする・・・」
なんて、怖々答えている時には、切開が始まっていた模様です。

手術自体はきっと20分もかからなかったはず。
時計をちゃんと見ていたわけではないけれど。
手術後に「シャワーを浴びますか?」って聞かれたんだけど、とてもそんな気分ではなかったのでやめました。
そういえば、桃太郎君が生まれた時にも、ナースが
「シャワーでも浴びて、さっぱりする?」と聞いたことを思い出しました。
イギリスでは手術室の近くに、ちゃんとシャワールームがあるようです。

もうひとつ、イギリスだなぁ、と思ったのは、手術の後にナースが、
「コーヒーと紅茶、どちらがいいですか?」って聞いてくれたこと。
手術の前に通された、控え室みたいなところで、いただきました。
しばらくしたらお医者様が入ってきて、今後の注意とか、質問に答えてくれて、それでおしまい。
落ち着いたら、ナースがロビーで待っているティムちゃんのところに連れて行ってくれました。

昨日はおうちに帰ってからずっと眠っていたので、夜あまり眠れませんでした。
でも無事に済んでよかった。
7センチくらい縫ったそうですが、抜糸は必要ないそうです。
これ以上注射されるのはゴメンなので、ほっとしました。
でもこの手術、一体いくら位かな?
初めの診察(女医さん)のは190ポンドでした。
BUPAという保険でカヴァーできるんだけど、初めの150ポンドは自己負担です。

2009年5月3日日曜日

チョコレートケーキ

私のお気に入りのレシピです。
かなり甘さを控えてあるので、甘いものが苦手でも大丈夫なはず。まず材料ですが、
薄力粉 180g
無塩バター 180g
お砂糖 100g
たまご 4個
ココア 大匙3-4杯
ベーキングパウダー 少々
ヴァニラエクストラクト
正直なところ、普段作るときにはちゃんと計りません。
結構テキトーに作っても、ちゃんと出来上がります。
でもそんな風に書いちゃったら、レシピの紹介にならないので(笑)

作り方

まずオーブンを180度にセットします。
バターを入れたボウルを温めて、ちょっと溶かします。
パウンド型にアルミフォイルをひいて、薄くサラダオイルを塗ります。
たまごを卵白と卵黄に分けて、卵白を泡立てます。
新鮮なたまごは泡立ちが悪いので、古いたまごの方がベター。
こんな風に固くなるまで。そろそろバターが半分くらい溶けてると思うので、小麦粉と卵白以外の材料を全部入れます。
こんな感じ。私はベーキングパウダーもこの時に入れてしまいます。
さっき使った泡立て器で、そのまま混ぜちゃいます。
濃かった茶色が少し白っぽくなって、全体に混ざっていたら大丈夫。泡立て器はもう使わないので、片付けちゃって下さい。
そこに小麦粉をふるって一気に入れます。そしてゴムベラを使って、縦に切る感じで混ぜていきます。
小麦粉多すぎるんじゃないの?と思うかもしれませんが大丈夫。
粉っぽさが無くなるまで。今度は卵白を加えますが、2度に分けて、その都度キチンと混ぜると上手にできます。
用意しておいたパウンド型に入れて、オーブンで1時間焼いて出来上がり。

2009年5月2日土曜日

A Cena

今日もとってもいいお天気でした。
ティムちゃんと桃太郎君と3人でお散歩をして、トゥイッケナム辺りでお昼ご飯でも食べようと思ったのですが、桃太郎君はお勉強で忙しいからパス。
ということでティムちゃんと二人。
どこに行こうか迷った末、おうちの近くの A Cena に行ってきました。
ここはこじんまりしたイタリアンレストランで、とても良質なお料理を出してくれます。
前回行った時はディナーで、すごく混んでいたのですが、今日はとてもすいていました。
これは私が頼んだ前菜。
ムール貝とズッキーニとレモンのクリームスープです。こちらはティムちゃんの前菜。
ジェムレタスのサラダ。メインに選んだのは、ティムちゃんがウサギの煮込み。
ウサギとパンチェッタとオリーブとえんどう豆がソアベ(イタリアの白ワイン)でじっくり煮込んであって、マッシュポテトと一緒に出てきました。私のは薄いとんかつ。
アスパラガスが添えてありました。
2枚のとんかつはちょっと量が多かったのですが、結局完食(!)おまけに普段は頼まないのに、デザートまで注文してしまいました。
これ、すごく美味しかった。
ラズベリーがふわふわのクリームと一緒。
Red Wine Zabaglione with Raspberries とメニューに載っていました。
Zabaglione というのはたまごとお酒とチーズで作るクリーム状のデザートだそうです。
Bardolino という赤ワインを1本注文して、80ポンドでおつりが来ました。

シンプソンズ・レストラン

久しぶりにローストビーフで有名なシンプソンズへ行ってきました。
今日はプライベートではなくってお仕事です。

このレストランは元はチェスのクラブとして始まったので、今でもレストランのところどころにその面影を見ることができます。
シンプソンズのウェブサイトを見ると、歴史のページの顧客リストに、なんとシャーロックホームズの名前!
それもさりげなく他の名前に混じって書かれています。
イギリスだなあ、と思ってしまいます。
ここに来ると、お肉を切ってくれるおじいさんがいます。
いつも同じおじいさん。
トロリーをゆっくり運んできて、好みのお肉の焼き加減を聞いてカーヴ(お肉を切り分けること)してくれます。
このひとはすごく愛想がよくって、いつも一緒に写真を撮ってくれたりします。
今回は帰り際に少し話をしてみました。

とてもいいお天気だったので
「こんな日に室内にいるなんてもったいない、お仕事を辞めちゃって、お日様の下に出なさいよ」と声をかけました。
イギリスで知らない人と話をするときは、お天気の話を最初に持ってくると、大概上手くいきます。
返ってきた返事は「もうすぐですよ、お嬢さん、もうすぐ」
きっと長年働いているんだろうな、と思って、思い切って聞いてみました。
「私、ここには長く来ているんだけど、いつもあなたがカーヴしてくれるの。一体何年ここにいるの?」
「あなたの生まれるずっと前ですよ、お嬢さん」
日本人の女の子は若くみられるのが普通なので、お世辞も加えて20年とか25年とかって言うと思っていたら、びっくり。
「今年の7月でね、お嬢さん、」
そしてにっこり笑って、
「50年ですよ」
聞き違いかと思って、「50年? 15年じゃなくって?」と確認してしまいました。

「私がここに来たのは1959年の夏でした、すっかり様変わりしてしまいました。
お嬢さん、覚えていますか、以前は2階で召し上がったでしょう?
昔はねえ、このフロアーはご婦人方は入れなかったんですよ。紳士方だけの場所だったんです。
皆さんお食事の後は食後酒を楽しまれながら、葉巻を燻らせたものです。
そしてその後はチェスに興じられました。
今ではタバコを吸うには外に出なくてはいけません。
すっかり変ってしまいました。
もうすぐですよ。
もうすぐ私はここから出ます。
お日様の下に出ます。」


それにしても、50年も同じところで働いているなんて!
この話をティムちゃんにしたら、
「さぞかしカーブが上手くなったことだろう」だって。