2009年10月31日土曜日

ハロウィーン

10月に入ると、スーパーマーケットにハロウィーングッズが並びだします。
いかにも食べるのには向かない大きなかぼちゃとか、袋詰めのお菓子とか。

桃太郎君が小さかったときは、夜の徘徊(笑)について行ったりもしましたが、最近はお菓子さえあれば、わざわざ外に出ることもなくなりました。

でもかぼちゃのランタンは念のために作ります。

あんまり大きいのもなんなので、ちょっと小ぶりのかぼちゃを用意しました。
数年前に、かぼちゃのセットについてきた小道具。捨てずに取っておいたので、毎年活躍してくれます。
プラスティック製なんだけど、結構使えます。
特にこの平たいスプーン状のものは、中身を掻き出すのに便利です。いつもハロウィーンといえば怖い顔を作るので、今年はちょっと違うもの。
ネコちゃんでーす。裏側にも空気穴(?)のためにちょっと飾りを入れました。

出来上がったところに、ろうそくを入れて出来上がり。今日は桃太郎君のお友達、ジョーがお泊りに来るので、廊下に飾る予定です。
夜、お手洗いに行くときに通る場所だから、ぴったり。

2009年10月30日金曜日

Keelung

私はロンドンの中華街があまり好きではありません。
ゴチャゴチャしているし、汚いし、道路わきに溜まっている雨水さえ、なんだか他と違って濁っています。
で、中華を食べたいときには、もっと別の場所に行くわけです。
先日そんな「中華街以外で私がよく行くレストラン」の一つのマネージャーをしていたアンドリューがお店を移った、という話しを耳にしました。
彼が辞めちゃってから、そのレストランはサーヴィスがぐっと落ちたので、足が遠のいていました。
レストランって、いつも思うけど、味だけじゃ商売になりません。
たまにガイドブックに「サービスは悪いけど旨い店」なんて載っていますが、そんなところに行きたいなんて、よっぽど普段美味しいものを食べていない人だとしか考えられません。
私はどちらかというとサーヴィスが1番で、それから味といった順番です。
いい気分でレストランを出ることができるのが第一条件。
とにかく、ちょっと興味があったので、中華街に足を運んでみました。
このレストランは、以前、「東海」と漢字で書いて、英語名は London Hong Kong でした。
ロンドンではこんな風に、漢字と英語の名前がまったく違う場合が多いのです。
オーナーが変わって、外も中もすっかり模様替えしたみたいです。
名前は「基隆夜市情」で、英語だと Keelung ややこしい?
なんと台湾の海鮮料理です。
で、お昼間は飲茶。
結果からいうと、とっても美味しくいただきました。
アンドリューはいなかったけど、サービスは良かった。
まだあまり知られていないので、お昼はすいていました。
ここの小籠飽は特にお勧め。もうひとつ、私が気に入ったのが、豆苗のおひたし。
温かくって、ちょっとスープ仕立て。
他にもアサリの酒蒸とか、海鮮も充実しています。
ウェブサイトはあるのかな?
住所を書いておきますね。
6 Lisle Street, London, WC2H 7BG
グーグルでこの住所を入れると地図が出てきます。

2009年10月26日月曜日

剣道着


ちょっと「親ばか」かもしれませんが、桃太郎君の写真を一枚。
剣道を習い始めたことは以前書きました。
これまではTシャツとトレーニングパンツでレッスンを受けていたのですが、やっと剣道着が届きました。
着方が全くわからないので、先生のおうちで特訓してもらいました。
朝お出掛けの前に、「写真撮りたい」って言ったら、
「早くしてよ、もう行かなくっちゃいけないんだから」だって。
こっちを向いて欲しかったんだけど、ちょっと恥ずかしいのか、そっぽを向いたまんまでした。
もう15歳。
最近顔が随分変わってきました。

2009年10月23日金曜日

駐車違反

もうすっかり良くなりましたが、水曜日と木曜日は少し熱もあって、おうちでごろごろしていました。
今日(金曜日)は久しぶりに外へ買い物に行きました。
といっても近所のスーパーマーケットまで。
帰って来ると、フラットの駐車スペースがたくさん空いていました。
今日のロンドンはとってもいいお天気で、さわやかな秋晴れ。
「きっとみんなお出掛けなのね」
のんきに見回してみると、我が家の車がありません。
私たちのフラットは駐車のスペースのアロケーション(どこに誰が駐車するかというキマリ)がありません。
みんな好きな場所にとめてもいいようになっています。
25軒のフラットがあるのに、スペースは15くらいしかありません。
車を持っていないフラットもたくさんあるので、数は足りているのですが、たまに住んでいる人を訪ねに来た人が車をとめると、駐車スペースが足りなくなります。
そんな時にはフラットの周りに駐車したりするのですが、お昼間は駐車料金がかかります。
チケットを買って、ダッシュボードに置いておくタイプ

「ティムちゃん、車で出かけたのかな?」と思ったのですが、何となく嫌な予感。
昨日は車を使っていないのは知っています。
おとといは車で出かけて、夕方帰ってきました。
もしかして、その時に駐車スペースがなくって、別の場所にとめたのかも。

電話をしてみると、やっぱりそう。

言われた場所に行ってみると、駐車違反のチケットが2枚、ウインドウに貼ってありました。
昨日の分と今日の分。

私は運転できないので、近所の人に頼んで車を動かしてもらいました。
1回100ポンドだから、200ポンドの罰金です。
正直なところ、もっとベタベタ貼ってあると思いました。
きっと同じところに駐車してある車には、1日1枚のチケットとかってキマリがあるのかも?
でも確かめたわけじゃありません。
もしかしたら取締りの人が1日1回しかここに来ないだけの話かもしれないし。

イギリスの罰金は、普通2週間以内に支払うと半額になります。
でももし自分が正しいと思えば、申し立てを行うこともできます。
多分半額の期間を設けているのは、そんな面倒をおこして欲しくないからじゃないかな?

あーあ、100ポンドの罰金。
ティムちゃんのバカ。

2009年10月22日木曜日

ウインザー城からの招待状

女王陛下の週末用の別荘である、ウインザー城から招待状が届きました。
といっても
「アフタヌーンティー」とか
「宮廷舞踏会」とか
そんなものではありません。

私はウインザー城をガイドする資格を持っているので、2年に一度、その更新のためのミーティングにお招きいただくわけです。
何をするかというと、お城の中で、変化のある箇所についての説明を受けたり、掛けられている絵画の説明をキュレーターからしてもらったりするわけです。
ウインザーの城内。ロンドンからのアクセスがいいので、たくさんの人が訪れます。
ウインザー城は950年ほどの歴史のあるお城ですから、建物自体に変化があるわけではありません。
でも中の補修のために、見学のコースが変わったり、チャペルの中に新しいお墓やメモリアルが増えたり、それはそれで、いろいろな変化があるのです。

また普段は会うことのない、他のガイドと顔をあわせるのも楽しみの一つです。

こういったミーティング以外にも、インスティチュートが主催するスタディープログラムがあります。
忙しい夏の時期を避けて、殆どのプログラムは10月から3月に行われます。

イギリスは北に位置している割には、それほど寒くありません。
とは言っても、一日中外を歩くのはそんなに楽しくない季節。
屋内でのプログラムがとても魅力的に見えるわけです。
短いものは数時間程度のレクチャー、長いものだと1週間くらいのコースです。
費用も、このウインザーのものは無料ですが、普通は有料です。
この冬はどんなコースを取ろうか、そろそろ決めなくてはいけません。

2009年10月18日日曜日

Au Lac

昨日、久しぶりにアーセナルの試合を見に行きました。
人気のあるプレミエリーグの試合はチケットを取るのが大変です。
アーセナルの場合は、シーズンチケット(1年間のチケット)もウェイティングリストがあります。
一つ一つの試合のチケットは「買う権利」のメンバーにならないと買えません。
私たちはこの「買う権利」のメンバー(そんなに高くないけど有料!!年会費30ポンドくらいです)になっています。
それでもチケット発売の日はコンピューターでさえも待ち時間があって、買うのに30分から1時間くらいかかることもあります。
普通の試合でさえそうだから、相手がトップ4ナンカだったりすると、メンバーでさえも手にいれるのは至難の業。
ただそんな試合はテレビ放映されるので、そんなにムキにならなくっても、とは思います。

昨日はバーミンガムシティーがお相手だったので、アッパーの前から2番目の席が取れました。
エミレーツでは私たちはいつもアッパーに席を取ります。
というか、私たちが買う時点では、ロウアーはほとんど売り切れ。
ティムちゃんのお友達がクラブクラスの席を持っているので、その人と見るときはセンターラインのところから。
私たちが買うのはアウェイファンの上の辺り、コーナーです。
ティムちゃんはセンターラインのところから試合を見るのがいい、といいますが、私は縦に全て見通すことのできるコーナーから試合を見るのが好きです。
試合の見方なんて、人すきずき。
正直なところ、見るだけだったらテレビが一番楽チン。
テレビで中継されない土曜日の試合は殆ど3時からです。
だからお昼ご飯をレストランで食べたら丁度いい時間。
今回は、Au Lacというベトナム料理を試してきました。
住所は 82 Hibury Park、エミレーツスタジアムへは徒歩で約5分。
殆どのベトナム料理のシェフは中華料理屋さん出身だったりするのですが、ここはベトナム人がシェフ。
オーナーの弟がシェフだそうです。
(これは食べた後から聞き出しました)
正直なところ、私はあまりベトナム料理は食べません。
だから、味がどうこういう資格はないかもしれません。
でも、ここのお味はとっても気に入りました。
すごくさっぱりしています。
前菜に生春巻きメインにはベトナム風の麺をいただきました。スープヌードルは2種類あって、私が注文したのはメニューの上のほうに載っていたもの。
平麺で、具は薄切りのビーフ。
他にもいろんな具が選べます。
もう一つの麺はヴァーミチェーりでスパイシーな仕上げだそうです。
ティムちゃんは鶏肉の炒め物を頼みました。
これもヘンなソースが入っていなくって、とっても美味しかった。
夜は忙しいそうですが、私たちが行った時間(土曜日の2時ごろ)はすいていました。
フットボールはアーセナルが勝ったし、とっても楽しい土曜日でした。
この写真は私たちの座っている所から撮りました。
こんな角度で見えるんです。
悪くないでしょう?
因みにクラブクラスはロウアーとアッパーの間に位置しています。

2009年10月15日木曜日

旅行中のトラブル

ドイツに住んでいるPharyさんのブログを読んで、少し旅行会社のことを考えてしまいました。

私はもう15年以上旅行関係のお仕事をしています。
オフィスの中で、手配の仕事もしていましたし、添乗員の経験もあります。
アシスタントもやっていましたし、現在ではフリーランスの観光ガイドが本職です。
旅行会社に携わっていない人から見れば、誰がどんな役目なのかさっぱりわからないかもしれません。

イギリスにある旅行会社は「オペレーター」と呼ばれています。
この中が大きく幾つかのセクションに分かれますが、お客様に関係があるのは「インバウンド」のセクションです。
「インバウンド」ではこの国に来られるお客様のためにイロイロな手配をします。
例えばバスやガイド、ホテルの手配などです。
インバウンドのオペレーターは日本の旅行会社から仕事を請け負います。
同列の会社であっても、それはお仕事、ということで、
「ツアーA、ホテル何室、バスの拘束が何時間、ガイドの必要なのは何日」といった契約が結ばれます。
例えば日本のお客様が、xxという旅行会社で「旅行」を買ったとしても、xxという旅行会社が現地で手配をしているわけではありません。
同列会社のxxAという会社が実際の手配をしているかもしれませんし、同列会社が存在しないところでは、全く別のBというオペレーターを使っているかもしれません。
同列会社が存在しても、値段やその他の事情から、Cというオペレーターを使うところもあります。
ですからお客様からすれば、何かあったときにどこに連絡すればいいのか、ということがわかりにくいのです。
旅行中に何かあったときの緊急連絡先として渡されるのは、通常こういったオペレーターのインバウンドの電話番号です。
オペレーターはたくさんのツアーをいろいろな会社から請け負っているわけですから、正規のツアー番号がないと、お客様を特定するのは大変難しいのです。

私がまだオフィス勤務だったときにも、よくお客様から電話がかかってきました。
「ロンドン8日間の旅で来ている、**ですが・・・」
これでは全くどこの誰だかわかりません。
通常はアルファベットと数字の組み合わせのツアー番号がありますから、それをいうと話が早いです。
「ツアー番号、GYE-709356、日本出発日*月**日のツアーの**ですが・・・」
その情報からわかることというのは、日本の旅行会社から、どんな内容の手配を請け負っているか、ということです。
ですからここで対処できるのは、請け負っている内容に関すること、といえます。
例えば予約されているはずなのに部屋がないとか、バスが遅れたとか、ガイドが来なかったとか。
そういったこと以外は、契約には含まれませんから、対応する、しないというのは旅行会社によるわけです。

例を挙げると、あるお客様がスリにあったとします。
お客様は緊急連絡先に電話をして「警察に届けを出さないといけないが、英語ができないので、ナントカして欲しい」
こういったケースではお客様の負担で通訳を雇っていただかないといけません(旅行会社はその手配はしてくれます)
通訳の費用がかかるといわれて、びっくりする人がたまにいますが、人を使ってお金がかかるのは当たり前です。
その費用が後からお客様の保険でカバーされるかどうかは、保険会社や入っている保険しだいです。
電車に乗り遅れた、とか飛行機に間に合わなかった、という時には、現地の緊急連絡先に相談して、一番いい方法を考えてもらうのが一般的ですが、それはもちろん追加の手配、ということになります。
また、どれくらい一生懸命やってくれるかどうかは、本当にその人しだいです。
「残業はしたくないから、今日はこれで終わり、明日の9時以降にまたお電話ください」
なんていうことももちろんありえます。

最近はインターネットのおかげで、お客様が旅行会社を通さずに旅行のパーツ(ホテルや飛行機、その他)を買えるようになりました。
でも万が一何かあったときの対応が、自分でできる人はまだまだ少ないようです。
また旅行会社を通していても、昔風の「親身になってくれる旅行社」というのは少なくなってきました。
最近のパッケージツアーの質や値段を見れば、一概に旅行会社のセイとも言えないと思います。
一番大事なことは、保険に必ず入ること。
安くても保障がちゃんとしていない保険は入る意味がありません。
旅行の終わりに費用を請求するだけではなく、旅行中の困ったときにも利用価値のある保険会社を選ぶといいです。
カスタマーサービスがしっかりしているところ。
クレジットカードもそういった観点から選ぶと、本当に役に立ちます。

例を挙げておきますね。
保険会社の例;5年位前ですが、アンダルシアのハレスでイギリスまでの帰りの飛行機がキャンセルになりました。
お昼くらいの飛行機だったんですが、夕方の便に振り替えできない分は翌日のフライトに回されることになりました。
格安飛行機だったので、翌日に回される人には迷惑料として、少しお金(とてもじゃないけど、ホテル代にはならない額)を返してくれることがアナウンスされました。
殆どの人たちは飛行機会社の係員に詰め寄って、自分たちで交渉しようとしましたが、私たちは保険会社に電話をしました。
事情を話してハレスのホテルを予約してもらい、ホテル代と夕食代その他は保険会社から直接支払われることになりました。
お金のことよりも、航空会社のカウンターで騒ぎ立てたり、相手の対応にイライラしたり、不安になったりしなかった、精神的なことが随分と良かった思い出です。
対応が早かったので、タクシーもすぐに乗れたし、保険会社って便利だなって思いました。

クレジットカードの例;
これもちょっと前のことですが、イタリアのナポリで、天気予報を見ていたら帰りの飛行機に乗る日が嵐。
ただでさえ飛行機嫌いなので、ちょっと乗る気にはなれませんが、変更不可のチケットだったので、クレジットカード会社のトラベルサービスに連絡して、ナポリからロンドンまでの列車の手配をしてもらいました。
ナポリ-ローマは特急、ローマーパリ間は寝台列車で、なんとダブルベッドのスイートでした。
パリからはユーロスターで戻りました。
電話で希望を伝えただけ。
旅行中に旅行会社を探したり、無駄な時間が必要なかったので、とってもいいサービスだと思いました。
因みにこれは裏の手ですが、ただ単に日にちをずらすだけなら、お医者様に行って診断書をもらったら、変更不可能なチケットでも大丈夫です。
これは飛行機会社がカウンターで対応(事前に連絡が必要)してくれるか、もしくは保険会社が手配してくれます。

2009年10月13日火曜日

ソールズベリーの街並み

ソールズベリーの街は人口が4万人程度。
13世紀にできた街です。
大聖堂があるのだから、町ではなくって市です。
街の見所ですが、まず二つの教会
それからモンパッサンハウス(ナショナルトラスト所有・夏季のみオープン)
それ以外にも街のあちこちで歴史を垣間見ることができます。
このお店の上の階の窓を見てください。中世の建物の窓はこんなに小さかったんです。
もちろんガラスははめられていませんでした。
家禽の市場だったポルトリー・クロス。街で一番古いパブの一つ、ハンチオブヴェニスン。これはお肉屋さん。これなんか、チェーンのお洋服さん。
このお隣にはコッツウォルズ・アウトドアというお店があります。
写真は撮らなかったので、ウエブの写真を見てください。
外はなんてことはない建物なんですが、中身はこんなカンジで、ソールズベリーで現存している一番古い木骨作りの建物の一つです。
ちゃんと使われている建物なのがすごいでしょう?

ソールズベリーの教会

先日ソールズベリーに行ってきました。
ここには大聖堂があります。
併せて、町並みもとてもかわいらしくって、観光にもお勧めです。
アクセスはロンドン街中からだとウォータール駅から1時間30分ほど。
駅からストーンヘンジ行きの路線バスも出ていますから、そこと併せてロンドンからの日帰り観光にぴったりです。

ソールズベリーの町はそんなに大きくありませんから、ゆっくり徒歩で観光するといいと思います。
この町ができたのは、13世紀。
その前はここから3kmくらい離れたところにセーラムという町がありました。
ノルマンの王様がお城を築いて、脇に大聖堂も建てられました。
ところがスティーブンという王様の時代に、教会と王権の紛争が続いて、結局別の場所に大聖堂が引越しすることになったのです。

その当時の司教様が持っていた地所が、現在の大聖堂の建っているところ。
偶然にも厚い岩盤が1mくらい下にあるので、こんな大きな建物を支えることができているのです。
神様の手が見えないところで働いているのかも。この大聖堂の塔のてっぺんまでは123mです。
簡単でしょう?
塔の上まであがれるそうですが、私は高所恐怖症なので、パス。
この教会の見所は、洗礼盤。
洗礼盤は一見の価値はあります。
洗礼というのは神様の国に登録するということ。
ですから聖水は神様の水なんです。
洗礼盤はその水の入っている器。
水面が鏡のようで不動に見えるかもしれませんが、水が落ちているのですから動いているわけです。
表面に映し出されるのは、その人がどこに立っているかで違います。すごく考えさせられる場所です。
マグナカルタもチャプターハウスに展示されていますから、ここまで来たらついでに見てください。
でも大英図書館のものの方が私はいいと思います。

私はここの大聖堂よりも、街の中心にある地区教会の方が好きです。
もしソールズベリーに行く機会があったら、こちらを見逃さないでください。
名前はセント・トーマス。「疑い深いトーマス」ではなくって、トーマス・ベケットの方です。
カンタベリーでお祈りの途中に、ヘンリー2世の命によって殺された大司教様です。
王権と教会の対立の結果、ソールズベリーの大聖堂の建築がはじまったわけで、その建築にかかわる町の人たちのために作られた地区教会が、王権と教会の対立のために殺された聖人の名前。
ちゃんと辻褄が合うでしょう?
ベケットが亡くなった場所では、たくさんの奇跡が報告されました。
カンタベリー詣も盛んになって、カンタベリーの町は随分潤ったわけです。
もしかしたら、ソールズベリーもそれにあやかろうと思ったのかしら?

この地区教会の中には、古い壁画が残っています。
キリスト教には、この世の終わりに全ての人が神様の審判を受けるという考えがあります。
この絵はそのシーンです。
15世紀頃の作品です。
左手が天国に行く人たち。
右手が地獄に行く人たち。
この絵は宗教革命の時代には石灰塗料によって隠されていました。
今でも残っていること自体が奇跡のようなもの。
本堂の右手のギルドチャペルの壁画も素朴でステキです。

2009年10月6日火曜日

Chez Lidsay

リッチモンドにはたくさんのレストランがありますが、今日紹介するのはその中でも老舗。
と言っても移り変わりの多い業界ですから、イギリスでは10年以上開けていれば「老舗」のカテゴリーに入ります。
同じ屋号でも、持ち主が替わっていることが多いのです。
Chez Lindsay はその名の通り、リンジーさんがオーナーです。
クラッシックなフレンチレストランですが、カジュアルな雰囲気。
平日のお昼ごはんには、セットメニューがあって、とてもお徳です。

ここのハウスワインは美味しいのでお勧め。ハウスワインの美味しいお店は安心できます。
私たちは普段はハウスワインは注文しません。
とても飲めないものが出てくる可能性が高いからです。
ミシュランの星がついている所だって、よくこんなもの出すなぁって思うときがあります。

レストランの利益の半分以上は飲み物から入ってきます。
そこでなるべく安く仕入れることが大切なのですが、ある程度のレベル以下のワインはいくら安くても飲むのに値しない場合が多いのです。
そんな風に書くと、いつも高いワインを飲んでいるように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。
私たちがおうちで飲むのは普通1本4-5ポンドのワインです。
卸屋さんから買うので、スーパーマーケットとかで買うよりは安く手に入っていますが、レベルでいうとスーパーマーケットの6ポンド前後かな?
安くても美味しいワインというのは、そんなにたくさんはないけれど、探すとちゃんとあります。
レストランで注文するときには、お料理に併せて注文するので、お値段はいろいろですが、今日みたいに味のわかっているワインだと、抵抗なく注文できます。

さて肝心のお料理ですが、前菜は本日のスープ。
ジャガイモとリークのスープでした。
しっかりとした味わいだけど、塩分控えめで、いい感じ。 ティムちゃんのメインはセットメニューからポーク。
お肉はしっとりと仕上がって、量も丁度よかったようです。私は同じくセットメニューから、スズキの焼いたのを注文しようと思っていたのですが、丁度他の人が注文したカニが運ばれていくのを見てしまったので、それにしました。
私はメニューを選ぶのにすごく時間がかかります。
せっかく決まっても、他の人が美味しそうなものを食べていると、つい目移りしてしまいます。
私のカニ。日本のカニとずいぶん違うでしょう?
お皿を別に持ってきてもらって、そこにゆっくりと身をほぐしていきました。
このカニ、いくらだったと思います?
たったの8.50!!
ティムちゃんが「みきちゃん、おしゃべりの好きなお友達と来てね、ユーックリ時間をかけて身をほぐして、白ワインで女の子ランチするといいんじゃない?」
とってもいいアイディア!
ここはパーティーのできるプライベート・ルームもあります。

2009年10月4日日曜日

The Brown Dog

ティムちゃんとバーンズにあるブラウンドッグというガストロパブに行ってきました。
ガストロパブというのは、レストランとパブの中間みたいなもので、お食事の質に定評のあるパブのことです。
土曜日のお昼、まだ早い時間(12時半過ぎ)だったので、甘く見て予約はしていきませんでした。
そうしたらなんとランチは予約でいっぱいとのこと。
飲み物だけ飲んで帰ってもよかったのですが、せっかく来たのに、ちょっと残念。

多分そんな気持ちが「アリアリ」と私の顔に出ていたんだと思います。
いつもティムちゃんに言われるのですが、私の顔を見ていると何を考えているのかすっかりわかるそうです。
別にティムちゃんとの付き合いが長いから、というわけではなく、誰でも、らしいです。
初めて会ったお客様にもよく言われますから、きっと気持ちの出やすい顔(ナンだソレ)なんでしょうね(笑)
私のようなタイプの「うそをつけない顔」の持ち主は、きっと他にもたくさんいると思いますが、プラスなのは周りの人が結構気を使ってくれること。
このときにもアンディーという(とっても素晴らしい!!)マネージャーが
「もし、メインコースだけで、さっと食べられるなら、テーブルを用意しますよ」
って言ってくれました。
イギリスのレストランは、面倒がってこういったことをしてくれないところの方が多いので、とっても嬉しかったです。
「その代わり、もし、本来予約の人が来る時間になったら、バーに移ってもらうかもしれないけれど、ワンコースだけだったら、時間的には問題ないと思う」とのことです。
こんな風にきっちり説明をしてくれるあたり、とっても良心的だし、食べ物の味だけで流行っているんじゃないなって納得しました。
ローヌの赤ワインを1本とって、テーブルに着くと、早速美味しそうなパン。
食べてみるとカリッとしていて、なかなか。私はバーガーを注文しました。
「焼き具合は?」ってきいてくれたので、ミディアムレア。
さすが、ガストロパブ。
気に入ったのはバーガーのバンが柔らかいパンだったこと。
おしゃれなところでバーガーを注文すると、チアベッタとか、バーガーには不向きなパンが出てくることがよくあります。
カッコいいかも知れないけれど、食べる方にとっては一苦労です。
やっぱりバーガーのバンは柔らかいのをさっとトーストしたものが一番です。ティムちゃんは仔牛のレバーを注文しました。これで50ポンドくらいです。
レストランとかよりずっと安い。
カジュアルだけど、とってもキモチのいいサービス。
住宅地の中なので、観光と併せて、とはいえないけれど、こういった地元に密着したパブに寄ってみるのも、イギリス滞在中いいんじゃないかな?
お勧めです。

隠れた名作

この間、閉鎖されてしまった教会の中を覗く機会に恵まれました。
最近では、特に英国国教会がたくさんの地区教会を統合して、必要のなくなった建物を閉鎖しています。
信者がそれだけ少なくなってしまった、ということです。
英国国教会は女王様を頭にいただいている関係上、閉鎖されるときは女王様の承認を得なくてはいけません。
そういった決定がされるのが、THE PRIVY COUNCIL です。
私が中を見る機会に恵まれた教会は、フルウェルのセントマイケル・セントジョージ教会です。
2002年のTHE PRIVY COUNCIL の記録を見ると閉鎖の承認が降りたことが記録に残っています。
ここの教区はテディントン(この間紹介しましたよね)と併合されました。

セントマイケルは大天使ミカエルと日本語で紹介されています。
セントジョージはそのまま、もしくは聖ゲオルグとよばれるときも。
ジョージさんは天使じゃなくって人間です。
二人ともドラゴンみたいなものをやっつけているモチーフで登場します。
見分け方は、ドラゴンみたいなのを踏みつけていて、羽があったらマイケル、羽がなかったらジョージ。
これは羽付だからマイケル。こっちは付いてないからジョージ。簡単でしょう?
ジョージさんのことは以前の記事を読んで下さい。
記事A記事B
この写真は祭壇の後ろにおかれた「リアドス」の部分です。
日本ではこれ自体を祭壇と呼ぶ人もいますが、祭壇というのはこういったリアドスの前に置かれている平たい台のことです。
宗派によって、儀式のときに祭壇の前に聖職者が立ったり、祭壇とリアドスの間に立ったりします。
ここのリアドスは装飾が素晴らしくって、息を飲むほど。
第一次世界大戦の直前に作られました。
特に真下から眺めると、ガーゴイルの表情!!どれがガーゴイルかというと、こんなの。
この高さのところにカオがずらっと並んでいるでしょう?ガーゴイルというのは、もともと雨水が建物の壁に伝わないように作られました。
ガーゴイルのところで雨水が跳ねて、石灰分の多い石の建物が悪くならないように、という工夫です。
雨どいができたり、屋根のスタイルが変わって、その必要がなくなっても装飾として残りました。
そしてそのスタイルは、特にグロテスクスタイルと融合して、イギリス独自のものが出来上がります。
因みにグロテスクという言葉は、イタリアの庭園のスタイルの一つからはじまっています。
日本でグロテスクというと、少し違う意味で使われているようですが、本来は洞窟などを模した、ファンタジーな空間やその装飾、といったカンジ。
グロットなども同じ語源です。
ガーゴイルは、ヴィクトリア時代にゴシックのリバイバル時、中世を髣髴させるということで、特にデコラティヴなモノが好んで使われました。
このリアドスもその流れです。
これを見たときにロンドンのV&Aに飾るべきだと思いましたが、もしかしたら日本に飾られることになるかもしれません。
まだ未定なので、なんともいえませんが、閉鎖された教会の中で朽ち果てるべきではない作品です。

2009年10月2日金曜日

おみやげ

昨日の夜、ティムちゃんはお仕事がらみのディナーで遅く帰ってきました。
ティムちゃんは結構マメなタイプで、外出中もいちいち経過を電話してくれます。
例えば「今会議中だけど、すっごくツマンナイよー」とか、
「アポイントメントが終わって、地下鉄に乗ろうと思うんだけど、なかなか来ない」とか、
「今レストランに入ったら、面白い人が隣のテーブルに・・・」とか。
夜遅くなるときも、今どこにいて、何をしている、といったことを実況中継してくれます。
「今さ、ディナーが終わったんだけど、会話が退屈で、早くおうちに帰りたいよ」とかね。
昨日もそんな感じで、レストランを出てからの足取りをいちいち電話してくるので、アート関係のドキュメンタリーを見ていた私は全く集中できませんでした。

イギリス人がみんなそうとは言いませんが、私の知り合いには結構このタイプの人が多いようです。
聞いてもいないのに、だらだら話すタイプ(笑)
こういったタイプの人は、他人にも同じくらいのマメさを期待するので、ちょっと困るときがあります。
ティムちゃんも、私が何をしているのかいちいち知りたがります。
お仕事の合間に電話がかかってくると、返事をするのも大変なので、時間はちょっとオーバー気味に予定を教えておきます。
5時に終わるお仕事なら、5時半終了予定、とかね。
じゃないと、余計な心配をかけてしまうようです。


昨日は最後に電話がかかってきたのが10時半頃。
「みきちゃんのためにプレゼントを買ったよ。今タクシーに乗ったから、後30分位でおうちに着くと思う。」

そんな時間に開いているお店といえば、飲食店ぐらいなので、プレゼントといっても、食べ物か飲み物だということは見当がつきます。

うれしそうに帰ってきたティムちゃんの手には、ケーキの箱。
開けてみると、直径18cmくらいの小さなケーキ。

甘いものを殆ど食べないのは知っているはずなのに、買ってきたってことは、きっとお店の人に薦められたんでしょうね。

ちょっと子供の頃を思い出しました。
私のパパは帰宅が夜遅くなるときは、よくオミヤゲを買ってきてくれました。
大概ケーキかな?
すっごく大きな生クリームのシュークリームとか、ババロアの載っているショートケーキとか。
私の小さな時は、就寝時間が厳しくって、夜8時にはベッドに寝かされました。
その時間までにパパが帰ってこない時は、朝ごはんがケーキになる可能性が高かったので、ワクワクしたのを覚えています。

きっと子供のときに食べ過ぎて、今甘いものに興味がないのかも。
でもせっかく買ってきてくれたので、昨日は寝る前に一切れ食べてからベッドに行きました。
見た目は甘そうだけど、軽い味でした。
何となく、バナナ味。
レストランを出て、タクシーを探しているときに、ふと目に付いたんですって。
ナイツブリッジのカフェコンチェルトというお店のだそうです。
ウェブで見てみると、他にも支店があるみたい。
私の食べたケーキはこれ

2009年10月1日木曜日

フォトグラフ・ワークショップ

芸術の秋です。
今日は桃太郎君をロンドンのフォトスタジオに連れて行きました。
プロのカメラマンが主催するワークショップに参加するためです。
ワークショップというのは、実際に手解きを受けるレッスンのこと。
セオリー(講釈)とプラクティカル(現実的な問題)、両方教えてもらえる、地に足のついた授業なわけです。

今日のテーマは静物。

動きのないものと、動きのあるもの、両方を扱いました。
今日はスタジオで一日を過ごしましたが、屋外でのセッションの日もあります。

カメラをセットする桃太郎君。本物のスタジオ。その都度プロの目から見たアドヴァイスを受けることができますが、総まとめは一日の終わり。
メモリーカードを読み込んで、丁寧にアドヴァイスをしてくれます。一番いい写真は、後でプリントして自宅に送ってもらうサーヴィスがあります。

桃太郎君はこういったワークショップに参加するのは初めてなのですが、今日は「本当に勉強になった」と満足でした。
帰る時には今月末に主催される別のテーマのセッションに申し込みもしました。

セッションによって費用はいろいろですが、今日のはお昼ご飯つきで、ひとり115ポンド。

興味のある方はオフィシャルサイトからどうぞ。
イギリスでの「写真の旅」を考えている方は、アレンジが可能だそうです。
例えばカメラマン(先生)とコーディネーター(ガイド)を希望の場所にアレンジして、そこで手解きを受けるといったカンジ。
このセッションを紹介してくれたのも、ブルーバッジガイドの同僚、ジャンさんです。

この写真は私がオートマティックの普通のカメラで撮りました。
私でもこんな広告みたいな写真が撮れるなんて、驚き。
でも桃太郎君の方がもっとステキな写真です。
大きくしてダイニングに飾る予定。
飾ったら、またブログに載せますね。