世界的に有名なチャリティー機関、イギリス発祥のものがたくさんあります。
WWF というのは、世界自然保護基金の略とされていました。
でも現在では単純にアルファベットの頭文字が正式な名前だそうです。
パンダのロゴでおなじみですよね。
先日ここのヘッドクォーターにお邪魔する機会がありました。
ロンドンウォータールーから30分ちょっと、ウォーキング駅が最寄り。
駅から歩いて5分強くらいで到着。
この土地は地方自治体が持っていたもので、有料の駐車場が自治体の収入でした。
新しいオフィスを建てるにあたって、駐車場をそのまま残すことを条件にリースが契約されたそうです。
こちら側から見ると、駐車場の入り口。
WWF とは何の関係もありません。
以前はもっと交通の不便なところにあったWWF本部。
ここに移ったのは公共の乗り物でアクセスできるようにということだったので、車での来館はお勧めしていないそうです。
実際入館の際に何の手段でここまで来たかを書く欄がありました。
この建物の運営がどれだけ環境にインパクトがあるかを測る指針の一つだからだそう。
単なる「環境にやさしい建物」ではなくて、数値での裏付けが求められるんです。
BREEAM というのがその格付けシステム。
BREEAMのホームページ(リンクします)
これは、ビルのデザイン、建築、そして運営をトータルで数値で査定するシステム。
環境に対するインパクトをすべての面から数値にしていくのです。
ポイント制になっていて、客観的な査定が可能になっています。
世界中で利用されている査定ですが、残念ながら日本ではまだみたい。
WWFのヘッドクォーターはBREEAM の格付けが"Outstanding"だそうです。
「Outstanding」は抜きんでて素晴らしいって感じ。
木がたくさん使われていて、気持ちのいいオフィス。
かなり大きなベンジャミンの鉢植えが3つ。
ベンジャミンってIT系の悪い気を吸い取ってくれる作用があるんですって。
そういえば、最新のオフィスに行くと、ほぼ必ず見かけます。
そんな理由があるなんて知らなかった。
大広間はコンファレンスなどに使われるそうです。
150人収容できる大きさです。
ここは会議室。
8人から20人くらい収容できるオフィスがいくつかあります。
こういったお部屋は有料で貸し出すそうです。
そういった収入がチャリティーの収入になるんですって。
会議室にはみんな名前が付いていて、場所の名前もあれば人名も。
ピータースコットは有名な南極探検家スコットの息子です。
WWF 創始者のひとり。
入口に入ってすぐのところは、森、河川、海洋、ワイルドライフの4ブースがあって、それぞれの環境について学べるようになっています。
また小学生向きのワークショップなども定期的に行っています。
小さい時から環境について学べるように、内容も工夫されているようでした。
ということで、具体的にWWFヘッドクォーターで行っている、環境にやさしい10のこと。
1. 地熱の活用で、空調にかかるエネルギーを節約。
2. Brise soleilの利用で照明需要を減少。
Brise soleilというのは屋根の下のこの部分。
木の板の角度を計算して、1年を通して太陽光を効果的に取り入れるシステム。
3. ソーラーパネルを使って、必要な電気の1/5までを供給しています。
4. オフィス内で使用している機器は全てエネルギー効率の良いもので、モニタリングとデータの公開もしています。
5. オフィスの建築はできるだけリサイクルのものを使用し、また、すべての木材は、森林管理協議会(FSC)の認定を受けています。
6. 敷地内に低木、樹木や花を植え、鳥やコウモリのために巣箱を設置。自然をそのまま残すことに工夫。
7. 雨水やシンクからの水をトイレや植木の水やりに利用。
8. 建築時に埋立地に送られる廃棄物を最小限に抑え、リサイクルやコンポーストの利用で、ゴミの量を抑制。
9. テレビ会議などの利用でミーティングの飛行機利用を減少。
10. 公共交通機関で簡単にアクセスするオフィスの位置、自転車利用を奨励するために、自転車置き場とシャワーを設置。
オフィスやおうちでできることもあるので、参考にしようと思います。
みんなでやれば、環境にインパクトを与えることができるんじゃないかな。
最後にWWFのオフィスの中にあった、面白いアートを紹介します。
「パンダの目」っていうタイトル。
Panda Eyes(ビデオにリンクします)
これ、昔WWFが使っていた募金箱を利用したアートです。
周りを歩くとパンダの目線が追いかけてくる。
このビデオは音楽のせいでちょっと気持ち悪いけど、実際は結構面白い。
人々の行動をパンダ(=自然)は見ているってことらしい。