2007年4月30日月曜日

ストーンヘンジ


2日続けてストーンヘンジに行ってきました。
ストーンヘンジは世界最古の建築のひとつです。
何で石が立っているだけなのに建築かというと、それぞれの石がちゃんと加工してあるからだそうです。
基礎は何と5000年ほど前に遡るそうです。
ここには2種類の石が立っていて、大きな白い石が「サラセン石」。
これは30kmくらい離れたマルボローという地域から持ってこられました。
一番大きなものは7メートルを超えます。
小さい青っぽい石は「ブルーストーン」と呼ばれて南ウェールズのプルセリ山から運ばれてきました。
道路わきにひとつ離れて「ヒールストーン」と呼ばれている加工されてない石があるのですが、直径約30mのストーンサークルの中心からこの石を見る方向が夏至の日の出の方向です。
ヒールストーンとサークルの間には大きな石が横たわっていて、犠牲をささげた儀式があったとか、祭壇があったとか、果てはUFOの発着地だとか色々な説があります。

この時代に生きていた人たちの記録があるわけでもないので、これらの説の信憑性は受け取る側の柔軟性によります。
実際この10年間の間にもかなり建築時の説が変わりました。
15年前のイングリッシュヘリテイジ発行のガイドブックを見ると、原始人がロープを使って丸太の横木上で石を運んでいる絵が描かれていますが、今ではこの説は過去のものになっています。西暦2000年を記念したイヴェントのひとつで実際にこの方法で複製の石を運んだら、丸太が沈んでとても無理なことが発覚しました。
現在ではおそらく土木工事を行って道を整えた後、獣脂をコーティングして石を曳いただろうという説が有力です。
ストーンヘンジのあるソールズベリー平野はお天気が悪くて風の強いことが多いのですが、この遺跡にはふさわしいかもしれません。
「こんな何もないところに」
と疑問がわきますが、このあたりは地表近くにたくさんの鉱物があるそうで、それが狙いだったよう。
実際に土地は痩せていて殆どが牧草地やなんかです。
周りにはたくさんの古墳があって人は古くから住んでいた模様。
それらを見渡すことも出来ます。
近くには陸軍の演習場があってたまに戦車を見たりすることや、実際に大砲の音が聞こえるときもあります。
車が一番便利ですがツアーなどもロンドンから出ています。
5月は菜の花がとてもきれいなのでドライヴはいかがですか?

イギリスの街並み


よくお客様から「イギリスは街並みが揃っていてきれいですね」といわれます。
「いいわねえ、地震のない国って」とも言われます。
でも実は陰でかなり努力をしているんです。
写真はストランドとオールドウィッチの角。
工事現場なんですが壁の窓の向こうに青空がのぞいているのが見えますか?
古い建物は壁一枚を残して取り壊し、新しい建物をその壁にくっつけるわけです。
勿論壁が崩れたりしたら大変なので、支えの為の鉄の枠組みで保護しています。
ところがどこでも古い街並みのみが見られるわけではありません。
いい例は金融街のロイズ保険銀行。
サー・リチャード・ロジャースの作った近代的な建物は有名ですが、よく見ると古い建物の壁が一枚だけ残っています。
そこから50メートルも東に進めば通称ガーキン、30セントマリーアクスの建物。


西に進めばハリーポッターの撮影にも使われたレデンホール商店街。


古いものと新しいものが混沌としているように見えますが、妙に調和がとれているように見えます。

2007年4月27日金曜日

スリと置き引き

とうとう遭ってしまいました。
在英16年、空き巣には2回入られたものの、スリにはご縁が無かった私。
でも遂に掏られてしまいました。
ショーファーカーから降りる時にお客様には「スリに注意してくださいね」なんていっていたのに、自分がやられるなんて恥ずかしい。
大好きなレストランの中で自分の隣に置いたハンドバッグの中から、見事にお財布だけ抜かれていました。
これは置き引き?それともスリ?
どっちでも結果はおんなじ。
どんなバッグが盗まれやすいのでしょう?
こんなバッグはファスナーを開けて中身を盗まれるのを見たことがあります。
手でブラブラ下げるのは危ないのですが、肩から掛けていると脇に隙間があまりないので安心です。

こんなバッグは開けるのが難しいのでスリには遭いにくいバッグといえます。
置き引きに注意しましょう。

今回被害にあった時に私が持っていたバッグ。
今考えると無防備もいいところ。
でも肩から掛けて脇をしっかり締めて歩いているとそれほどでもありません。
こんな風に置いてあるだけでは中身も丸見えだし、簡単に盗まれそう。


でも幸いなことにクレジットカードはカード用の別のウォレットに入れていたので無事、携帯電話も無事で仕事には差し支えなし。
マギングとは違って暴力にも遭いませんでした。
といってもお財布と現金は戻ってきません。
300ポンドくらいの被害だと思っていたら、朝そういえば200ポンド追加していたので実は500ポンドぐらい現金が入っていました。
ちょっと現金での出費が予想されていたのでこんな金額を持っていただけで、普段から持ち歩いているわけではありません。
ショックだけれどお客様のお財布でなくってよかった。
だってきっと何十倍とか入ってそうだったんですもの。
これを機にちょっと気を引き締めます。
皆様もお気をつけください。

2007年4月25日水曜日

家の値段


イギリスではいい景気が続いています。
金利も少しずつですが地道に上がっています。
公共の乗り物はインフレ以上の値上げが、これも例年のように続いています。
とうとう英国では10万ポンド以下の家が一軒も存在しなくなってしまいました。
2007年4月現在の為替で約2500万円です。
それではこの値段で現在各地でどんな物件が手に入るでしょうか?
スコットランド、エジンバラから少し外れた田舎では、かろうじて寝室が3つあるセミデタッチ(写真のように2件つながっている家)が手に入ります。
工業都市リーズでは2つ寝室のあるアパートが手に入ります。
ロンドンでは区によって違いますが、ケンジントンチェルシー区では車のガレージの60年のリース代です。
日本から英国に来て「物価が高い」ということにすぐ気がつきますが、中でも家の値段は信じられない高さです。
しかも値上げの勢いがただ事ではありません。
一番凄いのは北アイルランド。
この一年で55%の上昇です。
そろそろ下がるのでは、といわれ続けて数年がたちます。
家ほど上昇しないアパート暮らしの私たちは、「数年前に気に入らない家でも買い換えて置けばよかった」と後悔しきりですが今更どうにもなりません。
住宅ローンで圧迫されない分、外食やホリデーを楽しんでいますが、蟻とキリギリスのお話がいつも脳裏に浮かびます。
とりあえず何でも高い英国ですが、ロンドンのバスは500円、地下鉄の初乗りは1000円、日本とは随分違います。
でも無料のものもたくさんあります。
例えば美術館や博物館。
世界的な規模のものが殆ど無料で楽しめます。
あちこちにある公園も無料です。
是非お楽しみください。

2007年4月24日火曜日

サウスバンク


テムズ川の南側は「危ない」というイメージが強くて、私がイギリスに来た当時は行動範囲のまったく外側だったのですが、西暦2000年を記念してテイト・モダンができたり、その少し前にシェークスピアの劇場ができたり、ここ最近ではバラーマーケットの元気さやなんかのおかげで、すっかりおしゃれな街に生まれ変わりました。
かのブリジット・ジョーンズも映画の中ではサウスバンクに住んでいる設定です。
ちなみに映画の中の彼女のおうちはパブ「グローブ」の上にあります。
バラーマーケットの横ですから買い物ついでに写真をパチリ。
バラーハイストリートを横切ってさらに東に進むとバーモンジーという通りがあります。
この通りが最近おしゃれ。
昨日もここにあるレストランに行く途中で素敵な靴屋さんやお花屋さんを見つけました。
観光客のいない道を歩いてみたい人にお勧めです。

http://www.delfina.org.uk/
ご飯を食べたのはデルフィーノというレストラン。
元はアトリエ兼ギャラリーだったところです。

ティムちゃんは前菜に新にんにくとリークのスープ。

私はメニューにあった「羊の舌」にも惹かれたんだけど、大好きなアスパラガス。
ポーチドエッグとホランデールソースの上にパルメザンチーズがハラリ。                        
メインは私が羊料理3種、ロースト、ソーセージ、パイという欲張りモノ。
ティムは鶏肉を頼みました。
とても広くって天井が高くっておしゃれなランチでした。
お味のほうは前菜が二重丸、メインはまあまあ、といったところ。
今度は前菜を2つ頼んでみようかな?
7月に内装工事を予定しているそう。
どう変わるか楽しみですが、このままでもいいのにと思うんだけど。

セントジョージの日

4月23日はセントジョージの日です。
彼は3世紀後半にトルコで生活していた人なのですが、「蛇退治」で生活を立てていました。
たくさんの人をキリスト教に改宗させたことで聖人の位についていますが、偉人聖人伝には尾ひれがつくもので、彼はいつの間にか「ドラゴンを退治」したことになってしまいました。
美しいお姫様をドラゴンから守ったことで、王様と騎士兵士あわせて15000人がキリスト教徒になったのが彼の人生のハイライトです。

「悪者をやっつける」というイメージのおかげでいろんな国や騎士団が彼を守護聖人にしていますが、イングランドの守護聖人になったのはフランスとの百年戦争の時です。
他にもドイツやカタロニア(南フランスと北スペインの地中海側の地域、バルセロナなどもこの地域)が守護聖人にしています。
でもドラゴン退治はあまりにもウソっぽい為か、最近ではあまり大事な聖人扱いはされていないようです。
アイルランドの守護聖人はセントパトリックといって、彼の記念日3月17日は世界中に散らばっているアイルランド系の人たちがビールを飲んで大騒ぎをするのですが(もちろんロンドンでも)ジョージさんの記念日はひっそりと過ぎて行きます。
イギリスに住んでいる他の国の人たちに悪いとでも考えているのでしょうか?

4月23日は英国を代表する劇作家、そして詩人のウイリアム・シェイクスピアが生まれたとされている日です。
誕生日の記録はないのですが、洗礼式が26日という記録はあるので、当時の習慣を考えて23日を誕生日と考えることが通例です。
亡くなったのは記録がちゃんとあって、なんと4月23日。
お誕生日パーティーで酔っ払って階段から落っこちたとか・・・?
ちなみに同じ年に日本では徳川家康が亡くなっています。

ということで4月23日はシェイクスピアの日。
各地で彼にちなんだイベントが行われますが、故郷のストラットフォードとロンドンが有名です。
ロンドンのグローブ座では入場料を無料にしてツアーを組んでいます。
この劇場はシェイクスピア当時の劇場を正確に再建したもので、建築や演劇、歴史とあらゆる分野から400年前の世界が楽しめるようになっています。

風景画家のターナーが生まれたのも4月23日。
彼も英国を代表する人です。
ヨーロッパでナポレオンが猛威を振るっていた時代、大陸に渡る事が難しかった為に英国の美しさに目を向けた画家です。

文学と絵画の世界で英国を代表する二人が、セントジョージの日に生まれたのは偶然でしょうか?

2007年4月22日日曜日

ロンドンマラソン

世界中で一年を通じて色々なマラソンが開催されていますが、イギリスでマラソンが大流行だったのは80年代のことだそうです。
ところが道路の規制など交通のアレンジが大変だということが理由でどんどん数が減って今はホンの一握りのマラソンが開催されているに過ぎません。
私は走るのが苦手です。
小さいときから体育が大嫌いで中学校の頃から母親に手紙を書いてもらって授業を見学することが多かったのを覚えています。
高校に入ってからは体育のある日は途中で仮病を使って帰宅したことも1度や2度ではありません。
そんな私ですからマラソンは理解できずにいました。
「何が面白くってこんなに長い距離を走りたいんだろう・・・?」
しかもテレビを見ていてもみんなつらくて苦しそう。
ところがロンドンマラソンはちょっと違います。
一部の本当に走る人たちは(意味、わかってもらえますか?)他のマラソンとおんなじなんだけれど、大部分の人はチャリティーのために走っています。
「こんなにつらくて苦しむんだから、xxのチャリティーに寄付してください」
そこで変てこな格好をしたり、チャリティーにゆかりのある格好をしたり。
走ることが目的ではなく、努力しているのを見てもらって寄付してもらうのが目的ですから、みんな笑いながら、おしゃべりしながらぞろぞろ歩いていても一向に気になりません。
本当に参加することに意義があるわけです。
今年のアイディア賞は「カラオケ君」
何と7キロもするカラオケマシーンを担いで、歌いながら走るというもの。
ところでマラソンの距離は42.195キロですが理由はご存知ですか?
1896年のモダンオリンピック開催地はアテネで、距離は40kmでした。
これは約25マイル。次のパリ、セントルイスではそれに準じた距離を使って特に規定は設けませんでした。
1908年のロンドンオリンピックの時には26マイルの距離が設定(これはウインザー城から開催地のホワイトシティーまでの距離)されましたが、ゴールをロイヤルボックスの前まで伸ばすことにして、結局26マイル+385ヤード、つまり42.195kmになったそうです。
その後2つの開催地でまた別の距離が使われましたが、1921年に国際オリンピック委員会で正式に42.195kmが認められて今に至ったわけです。
昔はイギリスが尊重されていたんですね。

ウインザー城

昨日4月21日はエリザベス女王様のお誕生日でした。
お仕事でウインザーに行くと、お城のラウンドタワーにはとても大きな彼女のロイヤルスタンダードがかかっていました。
これは簡単に言うと彼女の紋章です。
日本では家紋は家に属しますが、(だから家紋なんだけど)イギリスでは個人に属します。
その人独自のものですが、親や先祖との連続性がないと紋章とは呼べないそうです。
一番初めに紋章を使ったのはロンゲスペーというヘンな名前の人で、ロビンフッドの時代、日本では鎌倉時代に当ります。
国会議事堂の中、貴族院の部屋に彼の像が飾られているので、たまにご案内するときがありますが、一般の人はナカナカ訪れることの少ない場所なので、チャンスは余りありません。

ウインザー城は女王様の別荘で、通常週末をこちらで過されることが多いようです。
お城に女王様がいらっしゃる時は、彼女のロイヤルスタンダードがかかって、そうでない時は、国旗がかかります。ですからひとめで女王様がおいでかどうかわかります。

ウインザー城の素晴らしいことのひとつに、「ここが実際に現在でも使われているお城だ」ということがあります。もう使っていないお城を観光のために開放している場所は、ヨーロッパ中にたくさんありますが、ウインザーのように王室の人が使っていて、他にも城内でたくさんの人が生活しているのを見るというのは面白いものです。
場内に郵便ポストもあれば、小さなお医者さんもあります。以前紹介したWaitroseの車も配達に来ますし、軒先でおばあちゃんたちがおしゃべりをしているときもあります。
たまに儀式なんかがある時には、普段開放されている所が閉められたりする時もありますが、そんな時にお城に居たんだ、と前向きに考えればいいわけです。
実は昨日もステートアパートメントに入ることが出来なかったのですが、華やかな衛兵の交代式をユックリ見られてお客様は楽しそうでした。
交代式のときに演奏される音楽は様々ですが、昨日は何とモンキーズのI'm a believerが演奏されました。
映画、シュレックでおなじみになりました。
まさか女王様のリクエストだった・・・なんてことはないとは思いますが。

2007年4月19日木曜日

国際結婚

リッチモンドの駅まで行ったら、既にロンドンで待っているティムちゃんから電話がかかってきました。
「もう電車に乗った?」と聞くので正直に「ううん、これから」
お昼を一緒に食べようと思っていたマーティーンが来られなくなったって。
幼稚園から電話がかかってきて娘のアメリーちゃんに熱があるそう。
残念だけれど、また今度です。
じゃあ、二人で和食?
でも昨日も和食だったし、明日も和食だもんねぇ。
3日も続けて和食のランチもどうかというので、結局ティムちゃんがリッチモンドに戻ってきて、お気に入りのOrigin Asiaに行くことにしました。
リッチモンドの駅の横にドン・フェルナンドというスパニッシュがあるのでそこでフィーノを飲みながらのんびり待つことにしました。
多分30分くらいで来るかな?
Origin Asiaはリッチモンドの駅から植物園で有名なキューにむかって徒歩3分くらいです。
ティムちゃんがカレーが大好きなので月に数回は訪れるレストランです。
私はそれほどではないけれど、彼はここ以外に行くレストランも入れると週に2回は最低カレーを食べています。
新婚旅行中にもカレーが食べたいと言い続けたので、怒った私は「インド人と結婚してインドに旅行に行けば?」と怒鳴り散らした経験があります。
日本人と付き合ったことの無いイギリス人は、日本女性はみんな芸者のように従順だと信じていますが、日本人と結婚しているイギリス人はみんな「僕の奥さんは日本人の仮面を被ったアルゼンティーナだ」といいます。
情熱的に喧嘩もするし、家事は全く出来ないし、なんでも命令するし、ご機嫌を取るのは大変です。
いつイメージの方が間違っていることに気が付くのでしょう?
まあ紳士なイギリス人の男性にはぴったりかもしれません。
私のお友達の一人は「たまには掃除くらいすれば?」とだんな様から言われたことに腹を立てて「こんなつまらない家なんて掃除をするのは私の時間の無駄、建替えてちょうだい!おまけに天気も悪くて気が滅入るからサイテーの気分!あなたなんかと結婚するんじゃあなかった」と言い放って、小さいながらも南仏に自分用のアパートを買ってもらったツワモノです。
ハンドバッグひとつで「ちょっとリヴィエラまで」なんてカッコイイ。
話が随分それてしまいましたが、レストランに戻ります。


ここは最近シェフが代わったばかり。
以前のシェフはとても腕がよかったのですが、家族がインドから来ることになったので、家賃の安いリバプールへと引っ越してしまいました。
単身でロンドンにやって来て、身辺が落ち着いてから家族のヴィザを申請、1-2年後に家族が渡英、そんな人たちがレストラン業界には多いそうです。
「イギリス人と結婚すれば?」
と冗談で聞いてみたことがありますが、イギリス人は、というより他国人と結婚することには抵抗のある人たちが多いみたい。
何でイヤなの?と聞いてみたら、家では自分の文化を保ちたいそう。
食べ物とか言葉とか、これだけは譲れない、というものがあると国際結婚は難しそう。
優柔不断な私にはピッタリなんだけれど、人は色々。
あ、カレーはまあまあでした。
トマトの味が強すぎたことと、ライスのスパイスにクミンが多すぎたことは指摘しておいたので次回に期待です。

ウエストミンスター寺院の裏

ウエストミンスター寺院の裏手はレストランの砂漠地帯です。
以前国会議事堂の追加試験を受けるために3ヶ月ほど通った場所なのですが、その時もお昼に何を食べようか頭を悩ませたことを覚えています。
食べることに貪欲なおかげで、友人家族からは「前世は鮫だったに違いない」と思われていますが、好きだから仕方ありません。
イギリスに来ることに決めたときも、周りの友達からは「でもみきちゃん、食事はどうするつもり?」というのが友人大多数の最初の質問でした。
「ローストビーフの国に行くんだ」というのが頭にあったんですけどね。
でも来てみたら、日本と同じで各国の料理が食べられるし、他のヨーロッパよりずっといいことがわかりました。パリやローマに比べてもレストランの「バラエティーとクオリティー」はロンドンが一番です。
高いのが珠にキズですけれど。
ヨーロッパの有名レストランでメニューを見ると、素材がイギリス(UK)からのものがたくさんあります。
加えて植民地などからのアイディアを取り入れる柔軟さも持ち合わせています。
ラーメンやカレーライスが日本の国民食になった事と似ています。
フランスやイタリアは食のプライドが高すぎてきっとそうはならないでしょう。
ところでそのイギリスに和食のレストランが雨の後の筍のように建ちはじめたのが数年前。
ろくなレストランの無い、ここウエストミンスター寺院の裏にも一軒出来ました。
名前は「熱海」。
日本人じゃないよね、このネーミング。
実は中国の人が経営しています。
この近くに安い食べ放題&お持ち帰りの中華レストランを2件持っていて、全く逆のコンセプトの和食を開いたわけです。
結構気に入っていて、何度か食事をしに行ったことがありますが、ZumaとNobuの中間くらいといった感じ。
今日はここでお昼ご飯。
フランス人のお友達、マーティーンと待ち合わせです。
もう行かなきゃ。
帰ってきて、お昼寝から目が覚めたら続きを書きます。

2007年4月18日水曜日

ウイリアム王子様とマスコミ

この間破局を迎えたウイリアム王子様とケイトさんのことを少し書きましたが、数日前からこの破局の原因についての報道が盛んです。
メジャーな意見はケイトさんのお母さんがアッパークラスにはふさわしくない、というもの。
「なんかすごく創ってる」と私は思います。
それらしく、ウイリアム王子様のポロ仲間(アッパークラス)がケイトさんとお母さん(元スチュワーデスで、パイロットと結婚)を認めていないだとか、お母さんがサンドリンガムでチューインガムを噛んでいたとか、お手洗いのことをルーとかラヴァトリーと言わずにトイレットと言ったとか・・・。
ケイトさんのお母さんがサンドリンガムでチューインガムを噛んでいた事実なんて99%作り話だと思います。
階級制度がいまだに存在しているイギリスですが、周りの友達がそれほど反対していた関係が5年も続いていたというのもおかしな話です。
王室の人たちが階級にこだわっていたのなら、とっくの昔にこの関係は終わっていたはずですし、ケイトさんに特別なレッスン(エティケットとかマスコミ対処法とか)は与えなかったはずだと思います。
まあ当事者しかわからないことだけれど、多分情熱が冷めちゃった、というところでしょうか?
英語の表現で「I love you 」は皆知っています。
でもこれって日本人は誤解しちゃうかも。
だってこれは友達にも肉親にも誰にでも使う表現。
じゃあ本当の「恋している」は、というと「I'm in love with you」
In Love と ただのLove では雲泥の開きがあるんです。
だからきっとIn LoveからただのLoveにいつの間にか変わってしまった事で溝が出来たんではないかというのが私の意見。
まあ、当事者とベティングショップ(もろもろ賭屋)以外にはあまり関係のない話題かもしれません。
王室のことを面白おかしく騒ぎ立てるのは英国だけではないのかもしれませんが、賭けの対象にするのはここぐらい?
メジャーなベティングショップでは「ウイリアム王子様とケイトさんがよりを戻して結婚する」に12倍が付いています。

2007年4月17日火曜日

ロースト・レストラン

今週は和食のレストランに行く機会が続く予定なので、今日のお昼は和食以外のお料理を選びました。
レストランの名前はRoast。
ロンドン橋のたもとにある、バラーマーケットにあります。
予約を1時に入れましたが、ゆっくりお風呂に入っていたらどうやら時間が怪しそうなので30分遅らせました。
ロンドンのレストランは1時ごろの予約が一番人気です。
12時半ごろ待ち合わせて、軽く一杯飲んで、テーブルに1時、といったパターンです。
ティムちゃんも私も長風呂な方で、昼食の予定はよく30分ぐらい遅くなってしまいます。
2人の用意が出来上がったのは12時半。
間に合うかな?
鉄道でウォータールーまで出て、地下鉄でロンドンブリッジへ。
地下鉄の出口はたくさんあるので、バラーハイストリート西側というところから出るとすぐです。
角にスパニッシュのバーがあるので軽くフィーノ(ドライシェリー)をすすってからRoastに向かいました。
レストランはもう一杯。
どこに席が空いてるわけ?と見渡したら私たちの席は一番奥のコーナーでした。
この席からはセントポール寺院が見えます。

今日のローストはチキンだそうですが、ウエイター君がもう売切れてしまったことを伝えにきました。


とりあえずオーガニックのワインを飲みながら、メニューに目を通します。
ティムちゃんは前菜にドレスクラブ、私は牡蠣、メインは二人ともローストビーフにしました。


このレストランは素材にすごくこだわっていて、大好きなレストランのひとつです。
シンプルな料理法だけれど、いいものは美味しい。
そんな英国料理を楽しみたい方にお勧めです。
デザートは取らずにコーヒーだけで〆ました。
ミネラルウォーターとワインは25ポンドのマーローを合わせてお勘定は120ポンド。
ロンドンではまともなレストランで食べると、平均のお昼ご飯はこの程度です。
www.roast-restaurant.com

2007年4月16日月曜日

桃太郎君の交換留学1

今日は朝5時起きです。
桃太郎君が学校の交換留学生として(1週間だけだけれど)スペインに行くので、ヒースローに7時集合です。
途中で親友のジョーを拾ってからヒースローに向かいます。
こういった学校がらみの行事では、学校がバスをアレンジすることが多いのですが、なにぶん地域がヒースローに近いので、各自出向くということになった模様。
昨日おにぎりを作って冷蔵庫で冷やしておきました。
朝になったら焼きおにぎりにして、簡単な朝ごはんになると思ったのですが、桃太郎君には初めての味。
「昨日作ったおにぎりを食べさせるわけ?、変な味だから食べたくない。」
まあ、いいけどね。
現地ではホームステイをするので、相手の家庭におみやげなんかも用意しました。
フォートナムメイソンでビスケットと蜂蜜の箱入り(30ポンドもしました!)チャールズ皇太子のジャムのセット(イチゴとダムソンとマーマレード)、湖水地方のオリジナルジンジャーブレッド。
普段お客様のお土産選びを手伝っているのでこの手の事は得意です。
空港には7時数分前に到着。
カンペキ!
デモ先生たちの姿はどこにもありません。
グループチェックインのカウンター前で待ち合わせだったのですが、父兄が雑談しているだけ・・・。
職業柄慣れているだけに、BAのお姉さんにグループなんだけど・・、なんてチェックインの手続きを勝手に途中までやってしまいました。
だって乗り遅れたりしたらかわいそうなんだもん。
50人ぐらいのグループだけど、とりあえずボーディングカードを用意してもらって、先生が来たら一人ずつボーディングカードとパスポートをカウンターに出して荷物をチェックインできるようにしておきました。
一人目の先生が到着したのは7時15分ぐらい。
生徒にしめしがつかないとティムちゃんは怒っていますが私も同感。
おまけにその辺の親とおしゃべりを始めて一向に手続きのカウンターに進む気配はありません。
私が出向くと角が立ってもいけないので(日本人らしいでしょう?)BAの係りに彼からアプローチするようにお願いして、そっと影で見守っていました。
めでたくチェックインが始まったので、私たちは桃太郎君にさようならをしてヒースローを後にしました。
来週の月曜日に帰ってくるまでちょっとさびしい一週間です。

王子様の恋愛

宝くじはまったく当たりませんでした。
でもそんなことよりも、イギリスの話題はウイリアム王子様の恋の破局です。
大学生時代からお付き合いをしていて、最近では婚約間近とされていたケイト・ミドルトンさんと別れることに決まったとか。
まあまだ若い二人だけに、早まった結婚なんて、と思っていましたが、案の定破局です。
やっぱりもっといろんな人と付き合って、40過ぎたぐらいに結婚するほうがいいと思います。
まあ年齢はともかく、妙に理解を示していた宮殿側にも違和感を感じていましたが、軍隊に入るウイリアム王子様の近況やマスコミの対応など「茨の道」だったことは周知の事実です。
大衆紙「サン」を買うのは気がとがめたので、ラジオを聴いて知ったニュースですが前の晩に王子様はロンドンのクラブで23杯のカクテルを飲んだとか・・・。
自棄酒なんでしょうか?
王室の果たす役割は大変なもので、よく「銀のスプーンを銜えて生まれてきた」という表現を英国の上流階級に対して使いますが、それよりも「ノブレス・オブリエージュ(高貴なる生まれにはあらゆる義務が伴う)」のほうがふさわしいと思います。
特に私はチャールズ皇太子の大ファンで、彼の建築に関する意見や有機栽培の農家に対する姿勢はすばらしいものだと思っています。
彼の結婚にしてもダイアナ妃が悪いわけではないにしろ、対等な意見を交わせる相手だったとは思ってない人が殆どなのは周知の事実です。
自分の私生活をどの程度犠牲にするかは個人差があります。
恋愛の為に王位を捨てたのは現エリザベス2世の叔父に当たるエドワード8世です。
プリンセスの肩書きのために恋を捨てたのは彼女の妹マーガレット王女です。
皇太子の肩書きのために望まない結婚をして、後に伴侶を選びなおしたのが息子のチャールズ。
ウイリアム王子様はいったいどの道をとるのでしょうか・・・。

2007年4月14日土曜日

グランドナショナル

お風呂にのんびり入っていたりしたおかげで家を出たのは11時すぎでした。
今日は土曜日なのでファーマーズマーケットのある日です。
買ったことのないソーセージを見つけたのでそれを買ってお昼に食べることにしました。
他にもいろいろ見ていたらあっという間に時間が過ぎて、家に戻ったら2時。
ピクニックは明日ということで。
ソーセージを焼きながらキッチンで新聞を読んでいたら、そう、今日はグランドナショナルの日。
これは障害競馬でかなり賭博性の高い競馬です。
40頭ほどの馬が7キロほどの道のりを障害を乗り越えていきます。
そこで倍率も100を超える馬が登場します。
今年の一番人気はJoes Edge,8倍がつきました。
そんな馬に賭けても面白くもなんともないので遊びのつもりで好きな馬を選びます。
馬の名前の一覧を見てピンと来るものはないかと思ったら、Silver Birchという馬がいます。
昨日桃太郎君の服を買いにロンドンに出たのですが行ったお店の名前はQuick Silver。
こっちはサーフィンのお店だし、Silver Birchというのは白樺。
まったく関係はないものの、ピンときたんだからこの馬に賭けることにしました。
倍率は33倍。
ここはWin (単勝)ではなくEach way(1-4位につけば賞金がもらえる)にしたほうが確実。
そこで10ポンドをEach Wayに賭けました。
最後の周には騎手が落っこちて16頭にまで減った馬を見ながらどんどん私の馬が追い上げていきます。
そしてなんと勝ってしまいました!
たいした額ではないけれど自分の馬が勝つのはやっぱりいい気分。
以前馬主にまでなった経験があって、その時は大損してしまったけれど、やっぱり競馬は面白い。
今度この馬主の経験談も書いてみるつもりです。
今日はラッキーみたいだから、宝くじも買っておこうかな?
当たったら報告します。

クリスマスのお料理



クリスマスの朝、ツリーの下にはたくさんのプレゼントが。
メイフェアーのお肉屋さん、アランで買ったガチョウの箱。
5.48Kg。箱には農場の名前やガチョウの種類、注文した私たちの名前や注文番号などがずらり。初めて料理するのでドキドキです。










オーヴンに入ったところ。このサイズだとギリギリいっぱい。ガチョウは脂肪が多いのでかなり深めの受け皿を入れてあります。ここにゆでたジャガイモを入れてローストにします。
キッチンから運ばれてきたガチョウ。ダイニングルームでカーヴィングします。
今回参考にしたのはリックシュタイン(英国の有名シェフ)のレシピです。

グレイヴィーソースも伝統的な作り方でがんばってみました。
ガチョウの内臓や香味野菜をいためてハーブを加えます。奥に見えているお団子みたいなのはスタッフィング。ガチョウの中にも少し詰めてあります。
そしてテーブルでお肉を切り分けるのはだんな様の役目。
お皿の上だと切りにくいのでまな板をキッチンから持ってきました。


お皿の上に載ったクリスマスの正餐です。
あんなに大きかったガチョウをあっという間に平らげてしまいました。七面鳥に比べるとしっとりしてとても楽しめました。ということで来年もガチョウにする予定です。















翌日のボクシングデーには塩漬のポークを焼きました。
一晩水に晒した3キロほどのお肉をハーブと一緒に1時間ほど煮込みます。煮汁につけたまま冷まして皮を剥いだら格子に切込みを入れてクローブを刺します。マスタードと蜂蜜を混ぜたものを塗って焼き上げます。

衣替え

暖かい日が続いているロンドンですが、日本はどんな感じですか?
イギリスでは衣替えがあるのは軍隊くらいで、制服のある学校や職場でも臨機応変に着る物を決めています。
有名なイギリスの衛兵さんたちは、4月に入って重いグレーのコート姿から鮮やかな赤い制服に衣替えです。
冬に来られたお客様が「衛兵が赤くない」と言って不満そうな顔をされることがありますが、「寒いからコートを着てるんですよ」と簡単に説明しています。
実は寒くても暖かくても制服の規定だから着ているわけで、ちょっとかわいそうなときもあります。
お客様から「イギリスは住みやすいですか?」とよく質問されますが「人の目を気にせずに自由な生活ができるのが魅力のひとつです」と答えています。
何でも個人主義で自由な空気は一度吸ってしまうと元には戻れません。
例えば今、私のおうちの窓から外を眺めます。
リッチモンド橋が視界に入って10人から20人くらいの人を眺めることができます。
袖なしのタンクトップの人もいれば、シャツ姿の人、ジャケットを着ている人、コートを着ている人、まるで4つの季節が丸ごとリッチモンドに来たみたい。
お天気は晴れ、気温はきっと15度くらいかな?
でもこれを寒いと感じる人もいれば暑いと感じる人もいるわけです。
だから4月だから、と言う理由でジャケットを着ろだとか、半そでのブラウスじゃないといけないなんていうのはナンセンスです。
日本も最近はかなり他人の目が気にならなくなったそうですが、いまだに他の人と同じようにするという習慣は根強いようです。

国民性を風刺したジョークに、セールスマンの決めゼリフというものがあります。
アメリカ人のセールスマンは「まだ誰も持っていません」
イギリス人「利益の10パーセントがチャリティーに寄付されます」
イタリア人「隣の人よりもひとつ大きなサイズです。」
日本人「隣の人も同じものを買いました」
文化の違いですね。喧嘩が少なくなります。

2007年4月12日木曜日

クレイメイション


2次元の動画をアニメーションといいます。
粘土を使って実写したものをつなげるとクレイメイション。
ウォレスとグロメットが有名ですよね。
桃太郎君はアニメーション作りに凝っていてコンピューターで器用に数分のストーリーを作ります。
クレイメイションにも挑戦したいというので、ナショナルギャラリーの北側にある画材店でプラスタシーン(細工用粘土)を買ってあげました。
「マミーも一緒に作って」
というので私が作ったのがこの写真。
しばらく放って置いたら「出来たから見て」
それがこのリンクです。
桃太郎君のクレイメイション
初めての割にはナカナカじゃん?
大人も子供もクリエイティヴな趣味があると楽しい。

お好み焼き

ロンドンに到着したのがちょうどお昼ごろだったので、どこかでご飯を食べることにしました。
「美術館でサンドウィッチでも食べる?」
と心にもないことを聞いてみたら、
「お昼にはもっとちゃんとしたものが食べたい」との頼もしい答えが返ってきました。
「じゃあなにがいいの?」ときくと、「Sushi!」
「高いからだめ。」
「でもJapaneseが食べたい。」
そこでお好み焼きを食べに行くことにしました。
私はお好み焼きが大好きでおうちでも良く作りますが、ティムも桃太郎君も気持ち悪そうに眺めているだけで食べたことはありません。
「オムライスの中に焼きそばが入っているのがあるから、桃ちゃんはそれを食べれば?」
レスタースクウェアーの駅からすぐのところに「あべの」2号店があります。
大英博物館の近くに1号店があって両方午後ずっとあいているのでとても便利。安いし美味しいし、たまに利用します。
お店の場所はここ
テーブルに座ってメニューを見ているとお昼のセットメニューが目に留まりました。
私はいつもは単品を幾つかとってねぎ焼きで〆るのですが今日はお好み焼きセットにしました。
これはキンピラとお味噌汁とお好み焼きがセットになっています。
桃太郎君はチキンのカツカレーにしました。
目の前の鉄板でお兄さんが焼いてくれるお好み焼きを見てカレーが待ちきれなくなったのか、「サーモンのお刺身も頼んで」
コーラを飲みながらお刺身をつまんで、英語で話している桃太郎君とお好み焼きを食べてワインも飲んで幸せなひと時でした。
単品は5ポンド前後、お好み焼きは8ポンド前後です。
安い和食のお店はクオリティーが心配なところがありますが、ここはサーヴィスもいいし素材にもこだわっていてお勧めです。
牛のたたきが私のお気に入り。

醜い女の人

桃太郎君が春休み中なので美術館に連れて行くことにしました。
モダンアートは嫌だというので「テイト・ブリテンとナショナルギャラリーとどっちに行きたい?」と聞いてみました。
「どう違うの?」
「テイトはイギリスの絵がいっぱいあってナショナルはイギリスもあるけれど他の国の絵のほうがたくさんあるのよ」と教えてあげると
「どっちが面白い?」
どっちが面白いと聞かれてもねえ・・・。
「どんなことが面白いと思うの?」と逆に聞いたら「裸とか、ある?」
「テイトには殆どないけれど、ナショナルにはいっぱいあるよ。」
「I’ll go for that one for a laugh then (話の種にそっちにしよう。)」
なんて不純な動機なんでしょう!
でも動機はともかく家から連れ出せただけで合格です。
プレイステイション3を買ってからというもの、ずーっと家に閉じこもってゲームばっかり。オンラインで他人ともゲームができるので、急に遊び友達が増えたわけです。
最近はお天気がいいので散歩にも付き合ってくれますが、もっと外をエンジョイして欲しいと思っていました。

ゾーン1-4のトラベルカード(大人5.70ポンド子供1ポンド)を買ってさあ出発です。
ロンドンは物価が高くて交通費もふざけた値段(現金の初乗りが1000円というと日本の方はびっくりされます)ですが割引などを活用するとそれほど悪くはありません。
おまけに世界級の博物館や美術館が無料ですから差し引きゼロといったところ。
鉄道でリッチモンドからウォータールーまで約20分、最寄り駅のレスタースクウェアーまでは地下鉄で5分強です。
よくチャリングクロスが最寄り駅になっていますが、この駅の出口は複雑で地下道をかなり歩かなくてはいけないので、私はレスタースクウェアーのほうがお勧めです。

ルネッサンス期のドラマティックな神話のお話なんかをしながら館内を2時間ほど散策してさあ、そろそろ帰る時間?
電車の中で何の絵が良かったか聞いたら

「Ugly Woman」との答え。
これはちょっと立ち止まって「不細工な人よねぇ」と言っただけなのに、一生懸命話をした名画の数々よりもインパクトが強かったみたい。
子供って変なものが好き。
この調子だとテイトモダンも楽しめるんじゃない?

成績表

息子の桃太郎君の成績表はいつも郵送で我が家に届きます。
学期の中休み(英語でハーフタームといいます)と学期の終わりに成績表が届くのですが各教科の成績が1から6までの評価で記されています。
面白いな、と思ったのが15教科の成績表が2つのコラムに分けられていて、一つがAttainment(達成度)、もうひとつはEffort(努力)と書かれています。

1の達成度は期待のレベルをはるかに上回る成績が持続している、努力はExcellent。
2は期待のレベルのトップクラス、Very Good。
3は期待通りのレベル、Good。
4は期待のレベル内ではあるものの底の近く、Stisfactory。
5は期待レベルの底辺、Borderline。
6は期待のレベルには達していない、Poor。

桃太郎君は数学と化学が大嫌いで成績表にもちゃんと反映されています。
2教科とも(GCSEまでのレベルなら)本人の才能には関係なく、努力すればそれなりの評価を得ることが出来るもの(と私は思っている)なので今年のうちに何とかしなければ、ということで本屋さんに行ってきました。
数社が復習のためのテキストや練習のワークブックを発行していて、どれを選ぶかで30分以上かかってしまいました。
桃太郎君は13歳なので英国ではKS3のステージです。
この国では全国統一試験があって子供の学習能力を学校のレベルから離れて客観的に見ることができます。
あまりにも学校のレベルに差があるためにこのような機関がないと「井の中の蛙」状態になってしまいます。
KSというのはキーステージの略で7歳のKS1, 10歳のKS2,そして14歳でKS3のレベルの理解が求められます。
その後は16歳のGCSEの試験があって、この結果は履歴書に記載したりして一生を共にすることになるわけです。
一昔前まではそのあと社会に出る子供たちが殆どでしたが、今では第6学年と呼ばれる17,18歳の高校と予備校を足して2で割った感じの学校に行って、更に大学に進む子供たちも増えてきました。
第6学年で受ける試験がAレベルと呼ばれていて、大学の入学資格といった感があります。

イギリス(イングランド+ウェールズ)ではKS2とGCSE,そしてAレベルの試験の結果が学校の名前入りで全国紙に発表になります。
150の自治区ごとのランキングも同時に発表になりますから住宅の価格にも影響があります。
成績のいい学校に入るにはいい学校のある区に住まなければいけない、とどんどん家の値段があがっていきます。
桃太郎君の通っていたのは普通の公立の小学校でしたがイヴェントがあるたびに地元の不動産屋が何社もスポンサーになってかなりの額が学校に入っていたのを思い出します。
「お勉強がんばってくださいねえ」
「学校の成績が上がれば家の値段が上がりますよぉ」
「そしたら私たちの仲介手数料もあがりますから」

2007年4月11日水曜日

春のお天気

イースターの少し前からイギリスではとてもいいお天気が続いています。
普通の年なら「エイプリルシャワー」といって小雨が降ることが多いはずなのですが、晴天、もしくは晴れ時々曇りで気温も20度前後です。
ホリデーの時期にいいお天気が続くと、いくつかの新聞やテレビの番組でメジャーなホリデー先とのお天気比べが話題になります。
今日の朝もスペインのコスタブランカが画面に写っていました。
雨や曇りの続いているコスタブランカのビーチで、着込んでそれでも寒さで震えているイギリス人家族に、イギリスのお天気と気温を伝えてインタビューをするといった内容でした。
イギリス人って自虐的なものが大好き。

イースターの時期には学校が3週間ほどの春休みに入るので、子供のいる家族にとればホリデーを取りやすい時期です。
私たちも以前にはスペインやフランスにホリデーに出かけたものですが、やはりお天気が確実でないこともあってここ数年は5月より前にメインのホリデーを取ることはしていません。
実は4月は日本からのお客様が減るので旅行業は比較的暇な時です。
そこでホリデーを取るなら4月、というのが私には都合がいいのですが、やはりまだ寒い国が多いみたいです。
仕事に都合がよかったので4月に結婚した私たちは、ハネムーンにはリヴィエラに出かけたものの、買ってもらったばかりのオープントップのメルセデスの屋根を開けたかったので、暖房をガンガンに入れながらドライブしたのが昨日のことのように思い出せます。
お天気の悪いイメージのあるイギリスですが、コンヴァーティブルの車の割合はヨーロッパでは一番だそうです。
太陽をそれだけ楽しみたいのか、単純に天気を考えていない馬鹿が多いだけなのか、4月は一週間程度の、街を楽しむミニブレイクには向いていますが、のんびりするにはやっぱり太陽がなくては、というのがイギリス人の意見のようです。
ご主人のティムちゃんは数年前に取った最後の4月のホリデーの時に、
「If I ever suggest having a holiday in April, shoot me!」
といいました。

2007年4月8日日曜日

チョコレートエッグ


今日はイースターです。
あまり熱心なキリスト教徒ではない我が家では、教会に行くのは本当に特別な時だけです。
それでもイースターの礼拝ぐらいは行った方がいいだろう、とは思うものの気が付けば礼拝の時間を過ぎてしまいました。
こんな一般的な英国国教会の家庭では、復活祭の朝はイースターエッグハントで始まります。
イースターには新しい命の象徴として卵をプレゼントする習慣があるのですが、この卵が貴族の間では宝石のちりばめられた飾りだったり、その昔は本物の卵そのものだったり、卵をかたどったお菓子だったり身分や時代で変わってきたわけです。
最近ではイースターエッグというとチョコレートが一般的です。

私の住んでいるリッチモンドにはチョコレート屋さんがいくつかあるのですが、日本人のパティシェガいる、ウイリアムカーリーというお店が今年のチョコレートの賞を取りました。
可愛いお店でお菓子もおいしそうなディスプレイ、さすが日本人のきめ細やかさ、といったたたずまいです。
そこで今年のチョコはここで買う事にしました。
イースターエッグはちゃんとしたチョコレート屋さんで買うと大きさにもよりますが25ポンドから50ポンドくらいが相場です。メジャーなブランドのスーパーマーケットで手に入れるものなら5ポンドから15ポンドくらい。予算に合わせて幅は結構あります。
このチョコは卵形をしていてその中に小さなチョコが詰まっています。
きれいに包装がしてあるので、これを前の晩、おうちのあちこちに隠しておきます。
そして朝目がさめたら自分のチョコレートをハントするんです。
普通20分ぐらいで見つかりますが、ヘンな場所に隠されていたりするとヒントをもらわなくては見つからないときもあります。
桃太郎君は5つもチョコレートを見つけて大喜びです。
だんな様のティムも今年はウイリアムカーリーでチョコを買ったようです。
二人で似たようなパッケージを探し当てて大笑いしました。
さすが賞を取っただけあって、とても美味しいチョコレートです。
リッチモンドに来たら是非寄ってみて下さい。
http://www.williamcurley.co.uk/

2007年4月5日木曜日

イースター

今週末はイースターです。
ユダヤ教では過越祭といって、エジプトで神様がユダヤ人以外に災いをもたらした日を記念するものです。
エジプトで奴隷として働いていたユダヤ人たちはファラオに自国に帰してくれるように願い出ましたが、聞き入れてもらえません。
そこで神様がヒキガエルやイナゴをエジプトに送り込むのですが効果がありません。
最後にエジプト人の長子と彼らの家畜の初子を殺すことになるのですが、その時にユダヤ人だということが神様にわかりやすいように、子羊を屠ってその血を鴨居に塗りました。
その羊は定められたように料理をしてその晩に食べました。
エジプトを無事に脱出した後も、毎年この日には定められた料理を食べてお祝いするわけです。
この過越祭の晩餐が「最後の晩餐」としてキリスト教に登場します。
そしてその夜ゲッセマネの園でイエスは捕らえられて翌日金曜日に磔になります。
アリマタヤのヨセフが遺体を引き取って、その晩のうちに墓に収めますが、日曜日の朝に行ってみると墓は遺体を包んでいた亜麻布だけが残って空っぽでした。
イエスが復活した、ということで彼がメシアだと実証されたわけです。
そこでキリスト教ではこの復活祭の方がクリスマスよりも重要です。
金曜日にはお魚を食べて、日曜日にはお祝いのご馳走を食べます。
季節柄(春に生まれるから)子羊を料理する家庭が多いのですが、それ以外にもローストチキンなんかが食卓を飾ります。
親戚一同が集まるということは、帰省ラッシュで道路は大渋滞。
祭日には普段できない線路のメンテナンスがあって鉄道のダイヤも乱れます。
学校の春休みとも重なって飛行機代も跳ね上がるこの季節、家でのんびりテレビでも見ているほうがいいという意見もうなずけます。

2007年4月2日月曜日

エイプリルフール

昨日はエイプリルフールでした。
皆さんは面白い冗談に出会いましたか?
最近はテレビやラジオを使ってのジョークは少なくなって残念なイギリスです。
ナニーステイト(甘やかし)の為なのか民衆を混乱させるのは良くないというスタンスのようです。
こんな嘘も見抜けないなんて、と絶句してしまう時もありますが、うまくできていてすっかり騙される事もあって後で大笑い。
私が渡英してまだ1-2年の(まだ純真だった)頃テレビのドキュメンタリーで「ジョンメイジャーの素顔」というのを見ました。
大学を出ていない彼が(これは本当)家業のサーカスを手伝いながら政治家への道を上り詰めていく、という内容で、結構感心しながら見たのを今でも覚えています。
後で冗談とわかった時も「英国ってすごい」と感心して怒りはもちろん覚えませんでした。
クラッシックなモノではスパゲッティーの凶作!これは買いだめに走る人が出たほどリアルだったといわれていますが、実際見れば冗談だと判ります。「スパゲッティーが木から生えているわけないじゃん」

さて今年のエイプリルフールですが、私のお気に入りはグーグルのものです。
http://www.google.co.uk/tisp/
クリックしてみてください。
内容はブロードバンド無料サービスのお知らせで、キットを使って家で簡単にセットアップできるというもの。全国をくまなく流れている下水道のシステムを利用するので自宅のトイレからキットを流し込む手続きが写真とか図解入りで開設されています。
これは信じる人はいないでしょうが、インターネットで流れている他の情報では詐欺なんかが目的のものもよくあるようです。
何でも疑ってみないといけない世の中なんですね。