2013年9月17日火曜日

フェードアウト

桃太郎君は今週末からレスターで生活します。
大学の寮に入って、自炊。
一人暮らしなんてしたことがないので、すごく心配です。

今日もティムちゃんが炒め物の作り方を教えていました。
昼過ぎに起きてきた桃太郎君のお昼ごはん。
私はお昼寝をしていたので見なかったんだけど、海老とお野菜の炒め物だったらしい。

昨日スーパーの宅配で、すぐに必要かもしれないものも注文して、今日届いたもの・・・。
以下は桃太郎君が注文した順番(笑)

ヘアスプレー
シャンプー
ボディーウォッシュ
コンディショナー
デオドラント
お米
ビール
おしょうゆ
風邪薬
おなかのお薬

後はおうちに常備してあるものを持っていくそうです。
オリーブ油
なたね油
調味料
そのたいろいろ・・・。

これ、全部車に入るのかなぁ?

だって、服とか寝具とか、かさばるものもいっぱいあるし。
お台所用品もいろいろ買わされたしなぁ・・・。



夏ごろは「毎週おうちに帰ってくるかも」なんて言っていたのに。
ロンドンに住んでいるガールフレンドと別れちゃった今は、
「多分クリスマス休暇までは帰らない」なんて。

アルバイトは昨日が最終日。

映画のエキストラがやっぱり金額の面では一番だったけれど、毎日ではなかったし。

日本レストランとカラオケのナイトクラブのウエイターも掛け持ちでやっていました。
昼も夜もってカンジで、がんばってお金を貯めようって。

結局レストラン側から掛け持ちは困ると言われて、最近はずっとナイトクラブのウエイター君。
ずいぶん楽しかったようです。
カラオケとホステスのいるクラブなんて、ティムちゃんはすごく心配しましたけど。

ティムちゃんは日本スタイルのホステスクラブなんて見た事も聞いた事も在りません。
だから、ふたりで偵察にも行きました(笑)
偵察の結果、みんな桃太郎君をかわいがってくれていたようで、安心しました。

「明日は最後のお給料をもらう日なので、何か持っていきたい」というので、
「じゃあビスケットとかは? みんなで食べられるからいいんじゃない?」
という私の意見で買ったのがこれ。
これ、3種類のバタービスケットが入ったかわいい缶です。
マークス&スペンサーで見つけました。


 職場にビスケットを持っていくと言ったら、即座にティムちゃんが
「女の子たちには絶対にチョコレートだよ、ビスケットなんてありえない」
しかも細かい注文付き(笑)
「高級すぎても分不相応になるから、手が届きそうな中で一番いいもの」

そこで追加がこれ。
私も好きなブランドで、さっぱり美味しいチョコレート。
王室御用達。
このパッケージはいろいろなチョコの詰め合わせです。
そんなことを桃太郎君に話しながら選びました。


こんな風に世話を焼けるのも今のうちなんだろうな。

そのうち休暇にも帰ってこなくなったりして、いつの間にかいなくなっちゃう。

フェードアウトってカンジで。

このブログをはじめた時には、桃太郎君ひとりでお買い物にも行けなかったのに。




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2013年9月12日木曜日

ロンドンのラーメン屋さん

 桃太郎君とロンドンのラーメン屋さんに行ってきました。
三越の斜め前(三越はもうありません)にある、SHORYU というお店です。


これは私が注文した東京しょうゆラーメン。
スープは美味しいし、ローストポークもしっとり。
でも私、太い麺は好きじゃない。
ただそれは好みの問題で、味は悪くなかった。

桃太郎君はぴりぴり豚骨なるものを注文。
「食べてる時に写真撮らないで」と言われたので、残念ながら写真はなし。
見ただけでギトギトしていて、私の好みじゃない。
味見をしたらものすごく辛かった。

これは桃太郎君のお茶。
何種類かあって、九州の玄米茶というのを注文しました。
2.50ポンド。


他にも味を見たかったので、鳥のから揚げと餃子を注文しました。
餃子は全然かりっとしていないので、それがちょっとマイナス。
から揚げは、舌に変な味が残る。

何だったのかは不明だけど、調味料っぽい味だった。
これがお会計。
一番下はグラスの白ワイン。

これにサービスチャージが付いてきます。

サービスは悪くなかったし、明るい店内は好感が持てます。
テーブルは詰めすぎで、少し窮屈。
また来るかと聞かれれば、ひとりでは絶対に来ない。
だけど、誰かが行きたいなら、ついて行くのはかまわないってカンジかな。





ここ以外でもロンドンでラーメンが食べられるところ。

また行ってもいいかなというのはこちら。


行くのはかまわないけど、今度は他のものを注文しようかな、というのはこちら。


多分もう行かないしお勧めもしないのはこちら(笑)
ワガママラーメン(この記事は古いけど、2ヶ月くらい前に行ったらさらにひどくなっていた)


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2013年9月9日月曜日

2020年の東京オリンピック

2020年、東京に決まりましたね!

2005年にロンドンが開催地に決定したとき、正直わたしの気持ちは複雑でした。
絶対パリのほうに分があるとも思っていました。

しかも、翌日ロンドンでは同時テロ。
大変なことになるかもって思ったのを覚えています。

仕事が観光ガイドなだけに、イギリスでの大きなイベントは、直接生活に関係します。
東京は2016年の誘致も考えていたので、ロンドンに決まってすぐ、視察ツアーもありました。

ロンドンでは、ブルーバッジガイド用にオリンピックの追加資格コースが開講されました。
古代オリンピックと近代オリンピック、加えて開催地である東ロンドンの歴史や背景、スタジアムなどの建築なども取り込んだ、幅の広いコースです。

オリンピックパークには入れなくても、周りのウォーキングツアーが人気に。
私もたくさんのお客様をご案内して、オリンピックへの期待がどんどん高まっていきました。

ロンドンのオリンピックがこれまでのものと大きく異なるのはレガシー(遺産)の部分です。
西暦2000年のお祭り騒ぎの後、会場だったミレニアムドームの処理が大変だったのは記憶に新しいところ。
イギリス国民の間に「もうホワイト・エレファントはごめん」という気分が蔓延していました。

ホワイト・エレファント(白い象)というのは、お金がかかるだけで何の役にも立たないもの。
そこで、オリンピックにかけるお金の70%は、オリンピック後を見越して使うというアイディアが出てきたわけです。

開催地の東ロンドンは、貧民区でもあるわけで、そこの再開発や雇用に力が入れられました。
選手村は将来の住宅にするために、近くに病院や学校などの計画も立てました。
既に、選手村はマンションへの改装が終わって、今月から住民を受け入れます。

オリンピックパークはクイーンエリザベス・オリンピック・パークという名前に代わりました。
ウェブサイト(リンクします)は随時アップデートされています。

オリンピックがなければ、この地域は汚染されたまま、人もほとんど住めないままだったのです。

近代オリンピックは、特にロスオリンピックから、コマーシャリズムの影響を大きく受けています。
なので、純粋なスポーツの祭典とは考えにくいかもしれません。
それでも「オリンピックだからこそできること」がたくさんあると思います。

私が東京オリンピックに期待していることのひとつは、パラリンピックの成功です。

ロンドンのパラリンピックのために、日本からも車椅子のお客様がたくさん来られました。
ロンドンは古い建物も多いために、やっぱり「まだまだ」な場所が多いのですが、パラリンピックのおかげでずいぶん改善された部分も多いのです。

「オリンピック以外に、もっとお金の使い道があるだろう」という意見もあるようです。
2020年の夏の2週間のために莫大なお金を使い切るのなら、それは間違っているでしょう。
でもそれで終わらせない使い方というのは、ロンドンが既に実践しています。

東京オリンピック・パラリンピック楽しみですね。

それじゃあ過去記事をちょっとリンクしておきます。

近代オリンピックのクイズ

近代オリンピッククイズの答え

古代オリンピックのクイズ

古代オリンピッククイズの答え







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2013年9月7日土曜日

イギリス料理を作ってみよう!

今日紹介するレシピは、とってもイギリスらしいもの。
イギリス人に作ってあげたら好感度100%アップ間違いなし(笑)
ちょっと手間がかかるので、家庭ではあまり作られなくなっているはず。

ルールズとか、ゴーリングなどの伝統英国料理屋さんではメニューに載っています。

パッと見は柔らかめのパイみたいでしょう?
名前は Steamed Pudding (蒸しプディング)といいます。

簡単に言えば、ペイストリーの中にシチューを入れてお鍋でぐらぐら蒸し茹でにして出来上がり。

ディナーパーティーなんかでこのお料理を出すと、話題にもなります。
ちょっとくらい長く茹で過ぎても平気だし、茹でてる間は手間もかかりません。

時間はかかるお料理だけど、材料費はそんなにかかりません。
今回使ったのは、楕円形のスティームプディング型(容量は1.5リットルくらい)
今回のサイズはメインコース6人分です。

牛肉(これはシルバーサイドという部位を使いましたが、すね肉でもおいしい)900g
クジェット(ズッキーニ)1本
リーク(長ネギ)1本
トマトピューレ大匙2杯
おしょうゆ大匙1杯
分量外で塩コショウと小麦粉、それからサラダオイル。

ペイストリーの材料
ラード225g
水100ml
セルフライジング(薄力粉+ベーキングパウダー)300g


まず、お肉を一口サイズに切ります。
脂身や粘膜などは丁寧に切り取ります。
塩コショウして、小麦粉をまぶして、フライパンで焼き色をつけたらお鍋に移します。
お水をたっぷりかぶるまで入れて、はじめ中火で煮込みます。
途中であくを丁寧に取ります。
アクがもう出てこなくなったら、クジェットとリークの薄切りを加えます。
弱火にして、蓋をして、約2時間ほど煮込みます。
最後にトマトピューレを大匙2杯くらい、おしょうゆを大匙1杯、塩コショウで味を調えます。


煮込んでいる間にペイストリーを作ります。
分量のお湯を沸かしたらラードを加えて火からおろします。
ラードが全部溶けたら、ボウルに入れてあった小麦粉に一気に入れてゴムべらでまとめます。
ビニール袋に入れて、冷蔵庫で1時間以上寝かせます。

長ネギとクジェットの形がなくなったらシチューは出来り。
冷蔵庫からペイストリーを取り出して3対1くらいに分けます。

厚みが1cmくらいになるように麺棒で伸ばして、プディング型に敷きます。
型にオイルを薄く塗っておくのを忘れないように!!
 そこへ具を加えます。
スースを入れすぎないように注意。
こんなカンジで大丈夫。
残ったソースの部分はグレイビーにするので全部入れてしまわないで。
 残りのペイストリーで蓋をします。
ひっくり返した時に破れないように、しっかりと縁をまとめておきます。


アルミフォイルとグリースプルーフペーパーを重ねて、真ん中に3cm位のひだを入れます。
それでプディング型に蓋をします。
タコ糸を使ってしっかり留めます。
 おなべから出し入れしやすいように、十文字にタコ糸で取っ手を作っておきます。
お鍋に入れて、型の半分くらいまで水を張って2時間弱火で火を通します。
 テーブルに出す10分くらい前におなべから出しておきます。
ずいぶん膨らんだでしょう?
 ドラマティックな演出をするなら、テーブルで型から取り出すといいです。
こんな風にちゃんと形になっていたら成功。
 こんな風に切り分けます。
 このまな板はテーブルに出す専用のまな板です。
ロースト料理などの時も活躍。
ナナメになった表面の端に2cmくらいの縁があるので肉汁が出ても平気。
Joseph Joseph Large Cut and Carve Plus で検索すると出てきます。

かかっているソースはシチューのソースの部分に赤ワインとバターを加えてつくります。
マッシュポテトとキャベツの茹でたのと合わせました。



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2013年9月6日金曜日

マギーズのアート

イギリスのがんケアーセンター、マギーズロンドンのバーニーさんが、センターを案内してくれた時
「私のお気に入りのアートなのよ」
と紹介してくれたのがこれ。

5x5の正方形の箱の中に、紙製のお人形がずらり。


シンプルで折り紙のようなお人形です。

いろいろなポーズで、ほとんどは人間だけど、たまにワンちゃんもいます。

このお部屋はセンターの一番奥まったところにあるお部屋。
よく、心理学のセッションで利用されるお部屋だそうです。

ポーズだけでなく、服装や持っているものなんかもばらばら。
でもね、みんなお帽子を被っているんです。


バーニーさんが話してくれました。
「社会で生きているということは、いろんな帽子を被っているってことなのよ」

それは、看護士とか、観光ガイドとか、国会議員なんていう職業の帽子かもしれません。

お母さんとか、むすめとか、お隣さんなんていう立場の帽子かもしれません。

このアート、お人形には、全部表情がないのです。




ところがひとつだけ、表情があるお人形。
このお人形だけ、帽子を被っていません。
社会的な立場とか職業などという帽子を取って初めて人間に戻るということ。
病院や市役所といった公的な場所では、みんな、帽子を被った人同士。

マギーセンターに来る人は、人間とのふれあいを求めているのです。
だから、帽子を取って、個人対個人として接するために、みんな名札をつけないそうです。

「マギーセンター所長、バーニー」
ではなくて、ただの個人。
看護士の資格があるけれど、その立場でここに来る人に接するわけではありません。

「デモね、看護士の経験を捨てることはできないの。
だから、ここに来た人が加減が悪そうだっていう時には、病院に連絡することもあるけど」


このアートのお人形は、もともと薄い金属で作られていたそうです。
でも、心理学の専門家がアドヴァイスして、紙製に変えたそう。

紙で作ることによって、人間のもろさを表しているそうです。
でも同時に、紙というはかない素材がここに存在していることが、逆に強さをも表しています。

パッと見るとただの飾りなんだけど、話を聞くと深く納得しました。


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2013年9月4日水曜日

イギリスのがんケアー

昨日、お客様と一緒に、イギリスのがんケアーセンター「マギーズ」を訪れました。

マギーズは、病院ではできないがんのサポートを行っている、チャリティー機関です。
がん患者のサポートと書かなかったのは、患者だけではなく、介護人や家族などのサポートも行っているから。

私がマギーズを訪れたのは初めてではありません。
通常は医薬関係の方と訪れる場合が多いのですが、建築関係の方とご一緒したこともあります。

イギリス全国にあるマギーズ。
ロンドンのものはこんな建物。
チャリングクロス病院の敷地内にあります。
病院の入り口からアプローチした時、まず目に入るのは大きな窓の中の緑。

建物の中にも中庭があったり、屋上にも木が配置されています。

マギーズは、小さな子供2人を残してがんで亡くなった、イギリスの造園家のマギーさんの看護士だったローラさんが1996年に設立しました。

訪れる人たちが、病院やオフィスといった公的な場所ではなく、寛げる空間を感じることができるように、あちこちに配慮がされています。

例えば、中に入ったところに受付などはありません。
ドアを開けて、最初に目に入るのは、大きなキッチンテーブルと、食器棚のマグカップ。
そして、お茶を入れていたり、寛いで談笑している人たちです。
だから、まるでお友達のおうちに来たような風なんです。

この写真は2階の吹き抜けの部分から撮りました。
1階で撮ると、利用している人たちが写真に入ってしまうので、上からです。
この写真に写っているのはボランティアの女性。
今お茶を入れているところ。

また、中で働いている人もボランティアの人たちも名札とかは付けていません。
ここでは誰もが1個人として存在しているからです。
そこで、訪れる人たちのカルテのようなものもありません。

ここを訪れる人が何を求めてやってくるのかは千差万別。
ここで働いている人たちは、5感を駆使してその人をアセスメントします。
アセスメントというのは、理解とか判断ということ。

何を求めてマギーズに来るのかは、例を挙げればキリがありません。
それを「ハロー」と声をかけて、瞬時に判断するのです。

また、要望は時間と共に変化することもあります。
「ただ勧められて来ただけだけれど、お茶を飲んでいるうちに会話に参加したくなった」
「誰とも話はしたくないけれど、他の人の会話を聞いていると何となく落ち着く」

「仕事ができなくなったので、経済的なアドバイスが欲しい」なんて人も来ます。

マギーズでは、いろいろなクラスが用意されています。
また、個別の相談にも応じられるように、専門家を紹介するシステムもあります。
心理学の専門家や看護士、ファイナンスアドバイザーなども働いています。

セッションの例を挙げると、


Nutrition(栄養学)

Getting Started - a course for people at the beginning of their cancer treatment
がん治療を始めたばかりの人たちのためのコース)

Managing Stress(ストレス管理)
Talking Heads - a group for people experiencing hair loss(髪の悩みのためのグループ)

こういった、直接的なアプローチもあれば、創作アートや作文、ヨガのコースもあります。

また、Support with Your Finances(ファイナンス面でのサポート)
Friends and Family - a group for people supporting someone with cancer (がん患者の友達や家族を持つ人たちのためのサポート)
Bereavement Support(遺族のためのサポート)なども用意されています。


日本でも在宅ケアや地域ケアなど、がん以外でもケアの考え方が変わってきています。
ロンドンの所長さんはバーニーさんという明るくて話好きの人。

10月には日本に招待されて東京と京都でスピーチの予定が入っているそうです。
昨日「日本に行くのをとても楽しみにしているの」って話してくれました。



そんなバーニーさんのお勧めアートがマギーズにあります。




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