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光熱費などが落ち着いてきた感があるイギリス。
先日私たちが契約しているガスと電気の会社から「7月から年間の電気代が約8.5%値下がりします」とお知らせがありました。
ガスは1.6%の値下げ。
だけど、こちらはほとんど使っていないので、固定料金が占める割合が高いから、たくさん使うならもう少し割引率は高くなると思います。
それでも食費を含め、出費が気になるイギリスの生活です。
そして、昨日、とうとうイギリスの政策金利が5%になりました。
住宅ローンを組んでいる人にとって、金利の上昇はかなりの痛手になる可能性があります。
イギリスに存在する、約 2470 万軒の住宅のうち、持ち主が住んでいる物件は約64%。
その中で880万軒が(払い終わったか一括で買ったかして)住宅ローンのない物件。
そして680万軒が住宅ローンがある物件らしいです。
つまり金利の変化は、イギリスに存在する住宅の、27.5%の持ち主に大きな経済的な影響があるということ。
住宅ローンを組んでいる人というのは、特に年齢差が顕著で、55歳以下の購入はローンで買う方が多く、それ以上の年齢だと一括で買うことが多くなります。
この表は、住宅ローンがある持ち主(紫)と住宅ローンがない持ち主(青)を年齢別に見たもの。
85%以上の住宅ローンがない物件は55歳以上の持ち主。
そして80%以上の住宅ローンを組んだ物件は25歳から54歳の持ち主が占めています。
イギリスの住宅ローンにはいろんな種類があります。
例えば、政策金利に左右されない、期間(2年や5年といった年数)が固定された金利のローン。
もちろん政策金利によって金利が変化するものがあります。
前者は英語で fixed-rate mortgage 、後者は Variable-rate mortgage といいます。
金利が高くなって困るのは、変化する金利の住宅ローンの人たちはもちろん、固定式の契約期間が終了する人たちです。
住宅ローンが払えないとどうなるか。
もちろんすぐにではありませんが、差し押さえを迎えることにもなりかねません。
この表は年ごとの差し押さえられた物件の数。
少しずつ減っていたものが、2020年から再び上昇傾向にあります。
以前金利がもっと高かった時には、住宅ローンを組むときに、元金の返済を含まない、利子だけを支払うタイプもメジャーなローンでした。
25年のローンが終わるときに元金をまとめて支払うシステムです。
そのタイミングで小さめのおうちに引っ越して、差額を老後資金の一部に充てるといった人もいたようです。
基本、住宅は値上がりするといったイギリスの考え。
その通りなら問題ありませんが、住宅の値段が下がると大ごとです。
組んだ住宅ローンよりも住宅の値段が下がることを英語では「Negative equity 」といいます。
売るに売れなくて、身動きが取れない、大変困った状況。
最近だと2008年から2009年ごろ、20%ほど住宅の値段が下落して社会に大きな影響がありました。
お金を借りているだけじゃなくて、住宅ローンは住宅が抵当に入っているということで、何かあったら住む場所を失う可能性があります。
お金は借りないのが一番だし、ましてリスクが伴う住宅ローンは早めに返しちゃうべき、というのが私の信条。
ティムちゃんと結婚して、一番初めに私がしたことは金利オンリーのローンから元金も一緒に支払うタイプのローンに切り替えたこと。
そして、希望すれば多めに支払いを受けとってもらえるというタイプで早めにローンの返済をするようにしました。
本来の半分くらいの期間で元金もすべて支払い終わって、トータルで見るとかなり支払額も少なく済みました。
ま、それができたのは借入額が少なかったからなんですけどね。
その当時に比べると、我が家の値段は5倍くらいになっています。
ティムちゃんが購入した時から比べると、多分10倍近いんじゃないかな。
だから、本当に、今から住宅ローンを組む人たちは大変だと思います。
さて、気になったので英国銀行の政策金利の動向を調べてみました。
2020年から昨日までの金利の変化です。
日付 政策金利
2023年6月22日 5.00 %
2023年5月11日 4.50 %
2023年3月23日 4.25 %
2023年2月2日 4.00%
2022年12月5日 3.50 %
2022年11月3日 3.00 %
2022年9月22日 2.25 %
2022年8月4日 1.75%
2022年6月16日 1.25 %
2022年5月5日 1.00%
2022年3月17日 0.75 %
2022年2月3日 0.50%
2021年12月16日 0.25 %
2020年3月19日 0.10 %
2020年3月11日 0.25 %
桃太郎君がおうちを買い替えたのは去年の6月。
でも、住宅ローンの仮契約を4月に済ませていたので、かなり有利な条件で固定ローンが組めました。
それでもすごい金額を借りていて、なんと35年ローン。
もちろん、ボーナスとかはすべて返済に充ててなるべく短く済ませる予定だそう。
もう少し歴史をさかのぼってみましょう。
全く金利に変化がなかった年もあれば、30回以上金利が変わった年もあります。
なので、英国銀行のデータから大雑把にその年の平均を取りました。
正確に日付で割った平均ではないので誤差はありますが、大体の数字を見るのには差し支えない範囲だと思います。
この10年はすごい低金利ですね!
しかもあまり動いていない。
2019年 0.75 %
2018年 0.75 %
2017年 0.50 %
2016年 0.25 %
2015年 0.50 %
2014年 0.50 %
2013年 0.50 %
2012年 0.50 %
2011年 0.50 %
2010年 0.50 %
そしてリーマンショック(2008年夏)を含む10年。
2009年 1.00 %
2008年 3.95 %
2007年 5.50 %
2006年 4.88 %
2005年 4.50 %
2004年 4.38 %
2003年 3.67 %
2002年 4.00 %
2001年 4.96 %
2000年 5.88 %
この10年は金利が半分以下に!
1999年 5.42 %
1998年 6.94 %
1997年 6.75 %
1996年 5.93 %
1995年 6.51 %
1994年 5.63 %
1993年 5.63 %
1992年 8.38 %
1991年 11.88%
1990年 13.88%
日本ではバブルだった時期を含む10年。
1989年 14.02%
1988年 9.46 %
1987年 9.38 %
1986年 10.96%
1985年 12.52%
1984年 10.02%
1983年 9.93 %
1982年 11.89%
1981年 14.16%
1980年 15.00%
1980年の金利は今の3倍だったんですね!
金利のみの住宅ローンが必要だったのがよくわかります。
といってもおうちの値段は安かっただろうなぁ。
因みに1980年の平均給与(週給)は男性が£124.50 、女性が £78.80 でした。
1989 年には男性が £269.50 女性が £182.30 だったそうです。
男女を均したら225.90ポンド。
2022年のお給料の中央値は640ポンド。
約2.4倍に値上がりしました。
1980年から2022までの日本の平均給与、単位は万円です。
1997年の467万3000円をピークに緩やかに下がって、少し上昇はしたものの2022年には420万9000円。
1980年からは増えてはいるものの、1990年と比べると、え、減ってます?
びっくり。
ただ、イギリスの方が物価の上昇は激しいから、実質の給与ということで比べるとまた違う結果になりそう。
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