こちら、ロンドン旧市街地のギルドホール前にある教会、セント・ローレンスです。
ロンドンにはたくさんの教会があるので、当然、私が見たことも聞いたこともない教会がいくつもあります。
「え、ロンドンの観光ガイドなのにそんなこと言っていいの?」
「もちろんです」←きっぱり!
経験を積んだガイドは自分が知らないことがどんなに多いかを知っています。
経験が浅いほど、知らないことは悪だと思い込んでいる(笑)
当然、ある場所をガイドするとわかっているのなら、前もってちゃんと下見はしますが、実際のお仕事でたまにあるのが全く違うお仕事で、そこへ行く予定がなかったのに時間をつぶさないといけないとかで「入ってみましょうか?」という場合。
そんな時はどうするかといえば正直に「初めて入ります」って言います。
で、落ち着いて入り口を見るとちゃんと教会の名前がどこかに書いてあるはず。
例えばここなら「St Lawrence Jewry」とある。
それがわかれば自分が知っている範囲でその聖人のことや周りに所縁のあることを絡めて話を組み立てる。
余裕があれば起承転結と笑いのポイントを入れるとなお良しってカンジです。
でも普段から気になったら入ってみる、そしておうちに帰って調べてみるという地道な努力も役に立ちます。
聖ローレンスというのはスペイン生まれの聖人で3世紀ごろの人。
のちにローマ法王になったシクストス2世と一緒に旅をして、貧しい人たちを助けたとされています。
キリスト教が異端だった時代なので捕らわれて火あぶりにされました。
普通火あぶりだと立ったまま下から焼くのが普通だと思うのですが、聖ローレンスは鉄の格子の上で焼かれました。
それがまるでお料理の網焼きみたい、ということで、料理人・シェフ・お菓子職人の守護聖人(驚)
他にも 教会の財産・記録を管理していたために図書館員・司書・記録官・本屋・書店員の守護聖人でもあります。
他にも焼くためには火が必要ということで、消防士・火を扱うガラス職人、ステンドグラス職人の聖人。
そして焼かれている途中で「こっち側はもう焼けたからひっくり返して裏も頼むよ」みたいなことを言ったというのでコメディアンの守護聖人。
ここまでくるとなんだか冗談みたいです。
ローレンスをイタリア風に読むとロレンツォなので、私のイメージでは料理人が一番ぴったりくる(笑)イタリアンレストランのシェフにいそうな名前。
ところで聖ローレンスの教会は他にもあるので、区別するために St Lawrence Jewry(ユダヤ地区の聖ローレンス)というのがこの教会の名前です。
12世紀にこの教会が建てられた時、このエリアにユダヤ人が多く住んでいたことに由来しています。
が、その後エドワード1世の時代にユダヤ人たちはロンドン市から追い出されています。
残念なことに、1666年のロンドン大火災で12世紀の建物は残っていません。
現在のものはセントポール大聖堂と同じくクリストファー・レンによる建築、しかも部分的に1940年の空襲の被害に遭ったのでその後修復されたもの。
スタイルはレンの時代でバロック、上が丸くなった大き目の窓が特徴です。
用事まで15分くらいあったのでちょっと中に入って写真を撮ってきました。←ブロガーの鏡(笑)
彼が聖ローレンス。
右手に持っているのは鉄製の焼き網!!
こういった、それで誰なのかわかる持ち物のことをアトリビュートといいます。
左手には財産と記録の管理をしていたということでお金の袋と大きなノートを持っている。ジョージは人間なので翼は無し、馬に乗っていたりいなかったり、そして普段は鎧を身につけています。
こちらはその聖ジョージ。
この教会のすぐそば、牛乳通りで生まれてこの教会にも所縁があるので窓に記念されています。
これらのステンドグラスは第2次世界大戦の時の爆撃の被害の後に作り直されたものです。
色付きガラスが少なめなので陽がたっぷり入って教会の中は明るいです。
たくさんの個人やギルド、ロンドンコーポレーションの寄付で備えることが可能になりました。
外から見てもセントローレンスのアトリビュートがあります。
普通の風見鶏っぽく見えるけれど、焼き網です。
こういった小さな事って知っているとお散歩が楽しくなります。ギルドホールの近くを通ったら、ぜひ探してみてください。
そしてドアが開いていればちょっと入ってみるのもいいと思います。
イギリスの観光ガイドはライセンス制です。ご予約の際は英国政府公認ブルーバッジガイドを雇用しましょう。(リンクします)
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