イギリスで私が大好きなことのひとつは「エキセントリックさ」
きっと他のどの国でも今から紹介するような事例はないんじゃないかな。
おととい、7月7日のお昼過ぎ、国会議員のひとりであるナイジェル・ファラージ氏が記者会見を開いて辞任を発表しました。
彼はリフォーム(改革)党の党首で、この党も彼自身もよく議論の的になります。
つい最近、議会倫理委員会がファラージ氏が国会議員になる前に改革党の献金者であるクリストファー・ハーボーン氏から500万ポンド(約10億円)の贈与を受けていた件について調査を開始したとの報道がありました。
他にもナイジェル・ファラージ氏は友人ジョージ・コットレル氏が、彼が選出される前年に警備費用のために非公開の資金を提供していたことに対して調査を求める声があります。
記者会見の中で、彼はメディアや「既成勢力」が自分を標的にしていると非難しました。
特に彼の政治に全く関係がない娘の住所がメディアによって明らかにされたことに憤りを覚えると感情的に訴えていました。
いつも思うけれど、ナイジェル・ファラージ氏は演説がうまい。
話の内容はどの政党を支持しているかで大きく評価が分かれると思うけれど、話のまとめ方や熱の入れどころなど、人前で話をするガイドの立場から見れば参考になることがたくさんあります。
結局彼の記者会見は「有権者に自分の進路を決めてほしい」と議員を辞職して補欠選挙に新たに立候補するという内容で終わりました。
昨日の国会ではこの彼の辞任についていろんな意見が交わされていました。
ここまでならいろんな国でも起こりえると思うのですが、今日のおはなしはここから。
実はイギリスでは慣習法といって昔からの意味のない習わしがそのまま使われている事例が数多く残っているのです
国会議員が亡くなったり辞任したりすれば、イギリスでは補欠選挙という運びになります。
ま、亡くなったら仕方ないのですが、辞任って辞表を出して終わりってわけじゃない。
17世紀からの習慣で、次のような慣例があります。
- 議員が辞職したい意思を示す
- 財務大臣に「チルターン・ハンドレッズ管理官」または「ノースステッド荘園管理官」任命を申請する
- 財務大臣が慣例的に承認する
- 「チルターン・ハンドレッズ管理官」または「ノースステッド荘園管理官」に任命される
- 下院議員資格を失う
- 議席が空席となり補欠選挙へ
「チルターン・ハンドレッズ管理官」または「ノースステッド荘園管理官」というのは名前だけで現在では実質的な仕事も給料もなく、下院議員資格を失わせるためだけに維持されている「法的フィクション」
理論上は財務大臣が任命を拒否することもできるのですが、現代では辞職申請は慣例として受理されています。
ところが現在の財務大臣はアカウント課のレイチェル(リンクします)
昨日は彼女が辞任を受理しないのではという憶測も流れていました。
そしてさらにエキセントリックな話題が実際の補欠選挙に誰が立候補するのか、ということ。
この補欠選挙に有名人が立候補したのです。
その名は「ビンフェイス伯爵」
「えっ、貴族?」って思いました?
違います(笑)
この人は総選挙ではおなじみの人物。
頭にゴミ箱を冠っています。
イギリスらしいのはこの人に投票する人がいること。
そして、賭け屋さんがちゃんとオッズを出すことで、賭ける人もいるんですよ!
ブックメーカー各社は、主要政党が今回の補欠選挙への立候補を拒否したことを受けて、ビンフェイス伯爵のオッズを大幅に引き下げました。
というのも改革党に反対する人たちがナイジェル・ファラージ候補を落とすためだけにビンフェイス伯爵に投票して、もしかしたら番狂わせの勝利を収める可能性が高まっているからです。
ということで賭け屋ウィリアム・ヒル社はビンフェイス伯爵を9対2のオッズで2番人気としているそうです。
ティムちゃんも面白そうだから賭けようかななんて言ってるし、ちょっとみんなもっとまじめになって!
因みにビンフェイス伯爵の過去の公約は以下の通り。
- テレビのテキストサービスであるCeefaxを復活させる。
- 20,001人の警察官を街頭に戻すというのは、保守党が20,000人の警察官を増員するという公約をもじっている。
- 鉄道模型の国有化。
- 英国の欧州連合加盟に関する2回目の国民投票の実施に関する国民投票を実施する。
- アイルランド国境にいるチェコ人をそのままにしておくこと。
- アデルの国有化。
- 貴族院の廃止。
- すべての人に無料のブロードバンドを提供する。
- 抑圧的な政権への武器販売を停止する。
- ピアーズ・モーガンを2030年までに排出量ゼロにする。
- ロンドン橋を「フィービー・ウォーラー・ブリッジ(イギリスの俳優・脚本家)」に改名する。
- 投票年齢を最低16歳、最高80歳とする。
- 毎週1兆ポンドをNHSに送る。
- ジェイコブ・リース=モッグの議員休止。
- ケイティ・ホプキンスをファントムゾーンに追放する。
- アクスブリッジのクラウン・アンド・トリーティ・パブの男性用トイレにあるハンドドライヤーを「より適切な位置」に移動すること。
いったい何票集まるのか、ちょっと興味がありますか?
何と過去のロンドン市長選では25000票弱を集めた経歴があります(驚)
イギリスの観光ガイドはライセンス制です。ご予約の際は英国政府公認ブルーバッジガイドを雇用しましょう。(リンクします)
ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。
ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。

イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。





