
今日紹介するのは、大学で有名なケンブリッジの街にあるレストランです。
Midsummer Houseという名前。
といっても中心地の建物がたくさんある地域ではなく、緑が広がる公園の脇、ケム川のほとり。
上の写真が外観なのですが、普通のおうちみたいでしょう?
すごくこじんまりしていて、テーブルの数は多くありませんから予約は絶対に必要です。
メニューの選択は限られますが、どのお料理も丁寧に作られているので、ゆっくり楽しむことができます。
ここでは普通、お勧めコースを取ることがほとんど。
テーブルで全員同じコースを注文する必要がありますが、好き嫌いやアレルギーなど、細かな対応もしてくれます。
今回は「おいしいものが大好き」というお客様とご一緒させていただきました。
ケンブリッジを軽く観光してから、ランチ、そしてロンドンまでといった行程です。
折角イギリスに来ても、予定をたくさん詰め込みすぎて、忙しい旅行になってしまう人も多いです。
もちろん短い時間の間に、思いっきり、たくさん見て回ろうという気持ちを批判する気はさらさらありません。
でも、もし時間が許すなら、ぜひイギリスでゆっくりしてみてください。
たくさんものを見るのも面白いけど、日本ではなかなか出来ない体験というのは「のんびり時間を気にせず、3時間くらいかけてランチする」とか「何もせずに小船に乗って移り変わる景色をゆっくり眺める」なんてことだと思います。
日差しが暖かい時に、公園でゆっくりと寝転んで、行きかう人を眺めるなんてのもお勧め。
さて、お客様と同席しているにもかかわらず、いつものずうずうしさで、出てくるお料理の写真をたくさん撮りました(笑)
紹介していきますね。
まずはじめはきれいなカップに入ったシャンペンとグレープフルーツのムースです。
食前酒の代わりってカンジ。
早く食べちゃわないと、すぐにふわふわ感がなくなってしまいます。
6人のテーブルだったんだけど、みんな色の違うカップ。
こんなアソビ心ってステキだなぁ。

お次は「Pea, prawn and seaweed jelly グリーンピースと海老と海草のゼリー」
てっきり冷たいものがでてくると思っていたら暖かかったのでちょっとびっくり。
ゼリーはゼラチンではなくて寒天が使われていました。

「Salmon rillettes, pickled vegetables, lime and wasabi サーモンのタルタル、ラディッシュ、ライムとわさびのシャーベット」
期待したほどわさびの味はしなかった。
でもかえって後味がさっぱりなので、それもいいかな。

「Confit chicken wings, endive 手羽先とエンダイブ」
これは多分日本の人にはウケる味。
カリカリのとり皮が、クリーム状のマッシュに刺さっています。
お肉は手でつまめるように、小さな骨がついていました。

「Red mullet, parmesan, artichoke and olive ヒメジとパルメザン、朝鮮アザミとオリーブ」
オリーブのピューレがお魚とチーズにすごく合っていました。

「Duck, sweet potato and orange purée, cherries and iceberg 鴨、スイートポテトとオレンジのピューレ、チェリーとレタス」
これがすごくおいしかった。
特にレタスが最高。
もちろん鴨もすごく柔らかくて、ソースもよかったし、私的にはこれが一番かな。

「Lemon posset, raspberry jelly レモンのポセットとラズベリーのゼリー」
さっぱりしてお口直しにぴったり。
中に砕いたメレンゲが入っていました。
だから食感の面白さが楽しめました。

最後は「Salad of English strawberries, elderflower, lemon sorbet イチゴのサラダ」
かなりおなかが一杯で、しかも普段は甘いものをそれほど食べないので、全部食べ切れなくて残念。

はじめにフランスのソーヴィニヨン、その後はボルドー。
Château Cos d'Estournel 2003 というヴィンテージです。
久々にいいワインを飲んで、幸せなひと時でした。

お仕事で有名なレストランに行く機会は時々あるけれど、格式ばっかりで寛げないところもたくさんあります。
ここは気取らないのに、なんとミシュランの星を2つも持っています。
普通のおうちみたいな外観もそうだけど、一緒にお食事させていただいたお客様も気さくな方たちだったので、余計にそう思えたのかもしれません。