世界で初めてカレンダー(暦)を制定したのはエジプトでした。
これは彼らの生活のサイクルが、毎年決まった時期に氾濫した、ナイル川を中心としていたためにそのリズムを捉えるためです。
夏至の日にはおおいぬ座のシリウス星が太陽と共に上ります。
この日からしばらくするとナイル川は氾濫し、 その水は9月過ぎまで留まって上流の養分をたっぷり含んだ 耕作地を作ったのです。
エジプト人は約5000年も前から、 この日を年の初めとする太陽暦(太陽の動きを反映した暦) を使っていました。
一般人には太陽の動きなんて細かく観測する暇はありません。
そこでその他の地域では、もっと単純な月の観測を反映した大陰暦が使われていました。
これは満月や新月の日をその月の初めとして数えるという一般人の利用しやすい暦です。
ところが地球が太陽を1週するサイクル(365日)と月の満ち欠けのサイクル(29.5日)は歯車があわないために、国によってそれぞれの修正が施されていました。
何年かに1度13番目の月を加えたり、毎年少しずつ日にちを足したり、季節と日にちが合うように努力が重ねられて来ました。日本でも明治時代まで使われていた旧暦を見ると、十五夜のお月様が満月を表すことから、新月を初めとした大陰暦が関係していたことがわかります。
私たちが今利用しているのはグレゴリオ暦と呼ばれるもので、ローマ法王グレゴリー13世によって1580年にアイディアが出され、1582年の第1版、翌年発表の第2版の間違いを訂正した、第3版にあたる"Martyrologium Romanum Gregorii XIII jussu editumが1584年1月14日にローマで法令化したものです。 グレゴリオ暦の前には1600年以上にわたってジュリアスシーザーの制定した(B.C.46)ジュリアスカレンダー(ユリウス暦)が使われていました。
ジュリアスカレンダーはローマ風の大陰暦と占領したエジプトの太陽暦を組み合わせた暦で、うるう年の置き方以外はほぼグレゴリオ暦と一致した高度なものです。
ただし、それでも1年に11分ちょっと誤差が出るので、グレゴリオ暦が導入される時点で10日ほどの誤差が実際の太陽の動きと生まれていたそうです。
グレゴリオ暦は閏月の配置を工夫して、この問題も解消しました。
現在の英語の暦(月の名前)はユリウス暦から来ています。
ローマで始まった暦はもともと農繁期のためのもので3月に始まり12月までしかありませんでした。
3月の月の名前がローマの守り神なのはそのためです。
農業以外にも暦が必要になってから1月と2月が付け足されたので、日にちをあわせるために2月だけ短くなりました。
うるう年が中途半端に2月なのもこの月が年の終わりだったからです。
ジュリアスカレンダーの各月の名前と意味
月の名前
意味
英語名
Januarius
ヤヌス神(門の神様で初めから終わりまでを意味する)の月
January
Februarius
清めの月(3月が年初めだった時にお清めの儀式をした)
February
Martius
軍神マルス(ローマの守り神)の月(1年の始まりだった)
March
Aprilis
大地が開く月の意味、ヴィーナスの月でもあった
April
Maius
育成の月 (Majaという大地の女神から)
May
Junius
女神ユノーの月(かまど(家庭)の女神なのでJune Brideは幸せになる)
June
Julius
ジュリアスシーザー(彼の生まれ月)
July
Augustus
ローマ初代皇帝オーガスタスを記念
August
September
Sept=7,Ber=月 3月が年初めなら7番目だから
September
October
Oct=8, Ber=月 3月が年初めなら8番目だから
October
November
Novem=9、Ber=3月が年初めなら9番目だから
November
December
Decem=10,Ber=3月が年初めなら10番目だから
December
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