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さて、昨日はJRTGAの勉強会でフリーメイソンのことを学んできました。
秘密結社だとか、陰謀を企んでいる組織だとか、いろんなデマも多いのですが、そんなロマンティックな組織ではありません(残念ながら)
博物館もあるし、詳しく知りたい方は、ぜひ訪れてみてください。
フリーメイソンのグランドロッジ(リンクします)
メイソンというのは石工という意味です。
中世から、大きな建物を建てるときに、全国から石工が集まってくることになったのですが、出身地や知り合いかどうかといった些細なことでケンカに発展したりすることも多かったわけです。
もちろん同業者として守るべきことなどが書き記されることもありますが、同じ場所にずっと住んでいる他の職業に比べると、拘束力はそれほど強くなかったようです。
これらはそんな昔の石工の規則本の類。
左は15世紀の石工の規則本(19世紀のコピー)、真ん中は16世紀の規則本、15世紀の規則本をベースに作られたフリーメイソン憲法(1723年)
石工たちのグループは、プロとしてスムーズに仕事ができるように、お互いに守るべき規則を決めたり、困ったメンバーや地域を助ける活動をしたり、お祭りを企画したりするミーティング(ロッジ)を定期的にパブの貸し部屋などで持つようになっていきました。
ロッジにはメンバーのみが参加できます。
ロンドンでは1666年に大火災があったのですが、その再開発にもこういった石工のグループが活躍しました。
1717年6月24日には、ロンドンのロッジ4つが、大火事の後に建て直されたセントポール大聖堂のそばのパブ「ガチョウと焼き網」で統合ミーティングを開いて、それをグランドロッジと呼びました。
これはそのパブの看板。
そして、世話役として、メンバーの中からグランドマスターが選出されました。
1723年には、The Book of Constitutions of Masonry (フリーメイソン憲法)という本も出版されます。(二つ上の写真の右手がそう)
1725年にはアイルランドにもグランドロッジができて、1736年にはスコットランドにもグランドロッジができ、大英帝国が広がっていくにつれて、ほかの国にもロッジやグランドロッジが作られていきます。
また、メンバーは石工だけではなく、いろんな立場や階級の人たちが加わっていったのも、他のギルドや同業者組合との違いかもしれません。
どうしてそんな風に変化したのかは興味のあるところなので、少し調べてみたいと思いました。
18世紀には、イギリスでは政治的な意見を同じくするグループなども多く作られるようになりました。
1799年には、フランス革命の影響などもあって、とうとう政府が違法結社禁止法を発令しました。
ロンドンでは1751年までにグランドロッジが二つあり、長年お互いにライバル視して不穏な関係を続けていました。
でも違法結社禁止法ができてからは分裂よりも団結の必要性に気付いて、4年間の話し合いの後、この二つが統合されて「United Grand Lodge of England」となりました。
1813年のことです。
この書類はその団結の契約です。
こちらは統合後初代のグランドマスター、サセックス公爵です。
グランドロッジは政府への陳情が功を奏して解散は免れましたが、メンバーの名前を登録する必要が生まれました。
ということで、元々のフリーメイソンっていうのは、ガイド協会の石工版みたいなものだったんですね(笑)
時々このブログでも、JRTGA(英国公認日本語観光ガイド協会)のことを紹介しています。
ご存じない方も多いのですが、イギリスの観光ガイドはライセンス制です。
ライセンスはブルーバッジと呼ばれていて、ロンドンでは、ウエストミンスター寺院やロンドン塔など、私たちブルーバッジガイド以外の外部ガイディングは禁止されているところも多いです。
ガイドを雇う時には、必ずライセンスがあるかどうか確認することをお勧めします。
もちろん自分で調べることもできます。
日本語のブルーバッジガイドには正式な協会があって、勉強会やチャリティー活動などを行っています。
この協会のメンバーであれば、安心してガイドを任せることができます。
ネームリストを調べれば、簡単にメンバーがどうかがわかります。
イギリスの日本語ライセンス観光ガイドは、全員がフリーランスです。
旅行会社の社員としてガイドしている人は一人もいません。
なので、ちゃんと協会に属しているガイドを雇うことをお勧めします。
興味深いフリーメイソンの博物館のことは、また次に記事にしますね!
お楽しみに!
フリーメイソンの館を探検しよう!(リンクします)
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