2020年3月12日木曜日

コロナウイルス対策で大判振る舞いのイギリス予算演説

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昨日はイギリス国会で予算演説がありました。
いくつかのチャンネルで特別番組があったので、ティムちゃんとテレビにくぎ付け!


現在イギリスで大蔵大臣を務めるのはリシ・スナック氏( Rishi Sunak )
前任者のサディーク・ジャヴィッド氏( Sajid Javid )の辞任で、今年2月に急に抜擢された人です。

これまでにテレビの討論番組などで何回か見たことあるだけ。
でもその時の印象がとてもよかったのを鮮明に覚えています。
頭が良さそうだけど、鼻にかけたところがなくて、いろんな質問に真摯に答えているというのが私が持った印象。

大蔵大臣になってまだひと月足らず。
それで予算演説というのはすごく準備が大変だっただろうと思います。
昨日の予算演説はYouTubeで見ることができます。

予算演説は長いので、その人となりがかなり現れます。
ただ読み上げるだけだと退屈だし、演説にはエンタテイメントの要素もある程度必要です。
周りを巻き込めるような、それでいて内容がしっかりした演説というのは、慣れている人でも大変なはず。
それを、まだ任務についてひと月足らずのスナック氏が、見事にまとめ上げて本当に感心しました。

出身校はウィンチェスターと聞いてなんとなく納得。
英国で有名なパブリックスクールのひとつです。
その後、オックスフォードで政治、哲学、経済を学んだことに加え、アメリカのスタンフォード大学でもMBAを取得したそうです。
国会議員になったのは2015年。
それ以前はビジネスやファイナンスの世界で活躍して、会社を立ち上げたりしたこともあるそうです。


12月の選挙で、労働党の基盤であるイギリス北東部が保守党に鞍替えしたので、懐柔策もあるだろうし、ある程度の大盤振る舞いは予想していましたが、ここまで思い切った予算になるとは想定外。

特に今回はコロナウイルスという社会不安にどう対応するのかが課題の一つ。
総額300億ポンド、日本円で4兆円規模という予算を割り当てて、国民健康保険への投資はもちろん、税金の免除や手当を含む小さなビジネスのサポートや、自営業者を含む自宅隔離が必要な人々への休業補償、大掛かりな公共事業など、いったいどこからお金が出てくるのだろうと驚きながら見ていました。

結局は全て借り入れということで、10年にわたっての倹約は終わりを告げました。
併せて、国の借金を削減するという目標は、当面は達成不可能になってしまいました。

この思い切った判断が、どう結果に結びつくのかは、すぐにはわかりませんが、素晴らしい政治家が一人表舞台に立ったことは確信できました。

まだ39歳。これからが楽しみです。
イギリスのいいところは、日本やアメリカに比べると、若い政治家が多いことかな。
保身よりも、何事にも前向きなのが、若い政治家の良さだと思います。




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