2018年3月13日火曜日

イギリス人の死体がアメリカで見世物に!

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今日は、先日行った私のチャリティーツアー「社会を変えた偉人たちの足跡を巡るウォーキングツアー」の中から、特に評判の良かった人を紹介したいと思います。

イギリスには、これまでに、たくさんのエキセントリックな人がいましたが、この人もそう。
名前はジェレミーベンサム(Jeremy Bentham)といいます。
1748年生まれ。

ジェレミーは、法律家になるためにオクスフォード大学に入りました。
なんと、16歳で卒業、続いてマスターの課程を修了したのが19歳というから天才です。

イギリスには、日本の六法全書のような、まとめられた法律というものがありません。
慣習法といって、昔からの習慣や過去の例から判断を下すスタイル。
また、必要に応じて条例が出されたりもします。
なので、法律がややこしすぎるのが難点です。
条例を改正したりする際は、必要に応じて行いますから、必然的に必要のなくなった昔の法律が改定されることなく残っていたりして、時代錯誤な内容で、現代の私たちを驚かせたりします。
イギリスの不思議な法律ってグーグルすると、いっぱいおかしなものが出てきますよ。


ジェレミーは、法律は人のためにあるべきものなのに、理解するには複雑すぎるし、どんなにいい法律だとしても、結果として人の自由やプライバシーを侵害してしまうものだと考えました。
そこで、「法を犯しても、被害者がいないのであれば犯罪ではない」なんて画期的な思想を持った人なのです。
当時は犯罪だった同性愛なども、他人に迷惑をかけるわけじゃなし、当人同士が楽しんでいるわけだから、犯罪にしなくてもいい、なんて言ってました。

思想家として、多くの人々に影響を与えたジェレミー。
なるべくたくさんの人が幸せで、苦痛を受ける人が少ない世界を目指すといった理想を掲げました。
この考えは英語で Utilitarianism(功利主義)といいます。

教育についても、その当時は英国国教会の信者で、なおかつお金のある人しか大学に行けなかったイングランドで、だれでも高等教育を受けたり、研究ができる大学ができればいいと考えました。
その思想をもとに作られたのが、UCL(ユニバーシティーカレッジロンドン) です。
ジェレミーは設立者とよく間違われますが、設立者は別人。

でも、UCL に行けば、ジェレミーに会えるんですよ。
(今はアメリカを旅行中)
校舎内に、なんと彼の死体が飾られているんです!


ジェレミー、21歳の時に遺書を書きました。
私が死んだらぜひ解剖して研究に役立ててください。
この程度はよくある話。
でもその後がすごい。
死体は処置を施して、標本として利用してください、って。
そこで、骨格に藁をかぶせて膨らませ、ジェレミーの服を着せて出来上がったのがオートアイコン(自己標本)というわけ。

このオートアイコン、カレッジのミーティングに出席したこともあります。
投票権のない出席者だったそう。
カレッジのブログから、お借りした写真はこちら。
こういうの見ると、イギリスに住んでいてよかったなぁって思います。
こういったユーモア大好き!


頭は剥製にしましたが、処置が悪かったらしく、グロテスクすぎるということで、蝋人形が代わりをしています。

以前は本物の頭も展示されていたのですが、いたずらされたり盗まれたりしたことがあるので、今では厳重に安全な場所に保管されていて、なかなか見ることはできないんです。

そう言われると見たいでしょ?
不気味ですよ!!

じゃ~ん!!!
目はガラスです。

上にも書きましたが、今はアメリカに旅行中のジェレミー、UCLに帰ってくるのはいつかなぁ?
ニューヨークの、The Met Breuer の特別展示にご出席(笑)
Like Life: Sculpture, Color, and the Body という展示でジェレミーが見世物の一つだそう!
7月22日までなので、夏過ぎには戻ってくると思われます。

ぜひ、UCL まで足を運んでジェレミーに会ってください。
校内で「ジェレミーどこ?」って聞いたらみんな場所を教えてくれます。
ふつうは正面右手の入り口から入った突き当りで座っています。


さて、今週の日曜日、3月18日には2本チャリティーツアーを企画しています。
若干ですが、まだ定員まで余裕があります。
ご参加お待ちしています!

大英博物館ブリティッシュツアー
集合場所 大英博物館グレートコート内、インフォメーションデスク横
集合日時 3月18日(日) 10:00 
ツアーの長さ 1時間半
解散場所 大英博物館内
寄付先 みちのく未来基金
ガイド バートリーみき
お申し込み先 miki@mikibartley.com
ツアーの概要 世界に誇る大英博物館の館内を、英国の展示物を中心にご案内します。3月11日午後のツアーとは、ご案内が重ならないように配慮していますので、どうぞ両方ご参加ください。このツアーはバリアフリーです。

パブのはしごで楽しむロンドン
集合場所 ホルボーン地下鉄駅 Kingsway 側の改札エリア
集合日時 3月18日(日) 13:30 
ツアーの長さ 1時間半
解散場所 ブラックフライアーズパブ(地下鉄ブラックフライアーズ駅横)
寄付先 みちのく未来基金
ガイド バートリーみき
お申し込み先 miki@mikibartley.com
ツアーの概要 ロンドンに数あるパブを巡りながら、ロンドンの町をご案内するガイドツアーです。ツアーの終わりまで、途中立ち寄るパブでの飲食時間は取っていません。パブの外側でご案内しますから、お子様とご一緒でも問題ありません。車道と歩道の高さが違うので、完全なバリアフリーではありませんが、この行程に階段はありません。


もちろん私のツアー以外にも、4月半ばまでたくさんのツアーが用意されています。
ぜひJRTGAのサイトをご覧ください。
http://www.jrtga.com/news/charity




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