とうとう行ってきました!
大英博物館のマンガ展。
私はガイドのライセンスを持っているので、有料の特別展示は普通無料で入場できます。
ただし博物館によってそのルールはいろいろ。
ナショナルギャラリーやテイト美術館は一人でフラッと入れるのですが、大英博物館はお客様と一緒でないと無料では入れてくれません。
なので、実際のガイドの前に下見などという時には、チケットを買わなきゃいけない。
このマンガ展は5月からスタートして、すぐにチケットを買ったのですが、そのたびに何らかの理由で入れずに、遅ればせながらの入場になりました。
チケットは大人20ポンド弱。
なかなか興味深かったです。
今日はどんな展示だったかをレポートしたいと思います。
私は子供の時にそれほどマンガを読みませんでした。
本を読むのは好きだったけど、漫画は特に好きな作品や作家がいた思い出はありません。
それでも日本で育った人なら,説明されなくても知っている常識的なことってありますよね。
このマンガ展は、私たちにそういった当たり前だと思っていたことが、文化が違う人たちには当たり前ではないことに、まず気づかせてくれます。
例えば漫画の中に、セリフのための「ふきだし」が出てきます。
今まで意識したことはありませんでしたが、その種類によってセリフのトーンや出どころが示唆されているわけです。
また背景によって雰囲気を表すことも、例を挙げて説明されていました。
それから基本中の基本がコマの読み進め方。
漫画がどんな風に始まったか、そしてマンガとは何かといった展示もあります。
その部分は写真禁止だったので撮りませんでしたが、手塚治虫さんのインタビュー映像があって、興味深く観ました。
その中で彼は、マンガとは誇張、変形、そして省略が基本と話していました。
その例として、鳥獣戯画が挙げられていて、そばにはそのサンプルも展示されていました。
続いて展示は有名な作品の紹介に移ります。
鉄腕アトムはフィギュア、単行本、原画、そしてアニメの展示。
私は読んだことがないのですが、名前は知っている「ポーの一族」という作品の原画。
横には作者の紹介もあって、萩尾望都さんは、少女漫画というくくりの中、ボーイズラブや SF を含むたくさんのジャンルの作品を生み出したと紹介されていました。
ゲゲゲの鬼太郎は、1960年の出版で、オリジナルは「鬼太郎夜話」というタイトルだったそうです。
これも読んだことないけど、ゲイの恋愛がテーマの「風と木の詩」の原画。
何と出版が1970年代というから驚きです。
古いものだけではなく、最近のものもあります。
「きのうなに食べた?」という、今まだ続いている漫画の展示もありました。
そうかと思えば大昔の少女漫画が出てきたり、面白い。
見るだけで終わらないのが最近の展示。
参加型のタイプもちゃんと用意されています。
漫画が好きな人にはいいんじゃないかと思うのが立ち読みコーナー。
日本の本屋さんを模したパネルのそばに本棚が置いてあって、実際にマンガを手に取ることができます。
私が訪れた時には中学生くらいの子供たちが校外学習の一環でこの展示を楽しんでいました。
熱心に何を読もうか物色中。
どんなものがあるか見てみたら、これは私でもタイトル知っている、ガラスの仮面(笑)1巻しか置いてなかったけど、確かずいぶん長い作品じゃなかったかな。
着て遊ぼうのコーナーはひっそり(笑)
そばにはコスプレの説明もありました。
漫画の登場人物になってみようという、写真を使ったコーナーは子供たちがたくさんでした。
私もやりたかったけど、待ちきれなかった(笑)
他にもマンガが啓蒙に役立っていたり、教育に役立っていたりという展示。
赤塚不二夫さんのお嬢さんはロンドンで芸術を勉強していたらしいです。
そんな彼女の芸術作品もありました。
東京にあるアートの部分らしいです。
他にも興味深いなって思ったのは擬音。
漫画に出てくる音の表現はすごいと思いました。
それからこれも面白いと思ったものの一つ。
ウナギイヌの最後。
両方クリックしたら少しだけ大きくなるのでじっくり見てください。
さて、お土産のコーナーも充実していました。
ちょっと高いなぁというのが実感ですけどね。
絵葉書とかカード類はお手ごろ。
漫画の描き方なんて本もありました。
買おうかと思ったけど、買わなかったエコバッグ。
10ポンドくらい。
やっぱり買えばよかったかな。
今これを書きながらまだ迷っています。
8月26日まで。
立ち読みの時間を入れなければ、1時間くらいでまわれます。
面白かったけど、20ポンドはちょっと高いと思いました。
10ポンドくらいなら非常におすすめってレベルです。
でもそれは私にマンガに対する思い入れがないためかもしれません。
好きな作家の原画とか見たいなら、いいかも。
大英博物館の公式サイト(リンクします)
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