最近のブログがハンプトン宮殿コースの復習の場になっています(笑)
ま、でもこのブログを読んで「行ってみようかな~」という奇特な人もいるかもしれないので(笑)無駄ではないと思っています。
これは、クロックコートから見上げたグレートホール。
ヘンリー8世が改築した部分です。
1530年代に数年かけて造られました。
こちらが内部。
まず足を踏み入れたら、見事な天井を堪能してください。
天井までは18m。
ダブルデッカーバス4台積み重ねて、やっと届くかなぁといった高さ。
あちこちに施された飾りはきっと時間がかかったことでしょう。
もどかしがったヘンリーの命で、何と作業は昼夜を問わず続けられました。
現在残っている、中世最後のホールといわれています。
内部の大きさですが、奥行きが30m、幅は12mに及びます。
ということはテニスコートがすっぽり入る大きさ。
もちろんヘンリーはここでテニスなんてしませんよ。
ガラスの値段はすごかったですからね!
ヘンリーはちゃんと敷地の中に別のテニスコートを持っていました。
現在みられるステンドグラスはずっと後。
全部ビクトリア時代のもの。
たった150年ほど前です。
ヘンリーの女遍歴(!!)や家柄がテーマになっていて、読み解いていくと面白いですよ。
現在のお金持ちはフットボールクラブのオーナーになりたがりますが、ヘンリーの時代はタペストリーのオーナーになりたがりました。
この部屋にかかっているタペストリーは、約500年前にヘンリーが注文したものです。
今ではすっかり色あせているので、当時の面影を偲ぶのは難しいかも。
ブラッセルで織られたこれらのタペストリーは、カラフルなシルクやウール、そして金糸や銀糸で作られていました。
テーマは聖書のアブラハムの物語。
アブラハムは神様から約束された通り、年老いてから息子アイザックを授かります。
そしてそのアイザックを通して神との契約を結び、その子孫は世界に広がることになるのです。
ヘンリーが息子エドワードを授かったのは英国国教会を樹立した後。
つまり、神様はエドワードの誕生を通してヘンリーの行動に同意したわけです。
ヘンリーは第二のアブラハムになり、
新しい世界の父となって世界にその子孫を広げるのです。
すごいデマゴーグでしょう?
誰もがこの部屋を通らなければヘンリーに面会できなかったわけですから、都合のいい所に掛けてあるわけです(笑)
しかも制作当時は金銀あでやかな織物でサイズもすごい。
誰もが圧倒されたことは想像できます。
10枚でセットになっている、このタペストリーは、ヘンリーの持ち物の中で一番高価だったそうです。
このセットと軍艦2隻が同じ値段だったとか。
同じ時代に宮廷画家だったホルバインのお給料が年間30ポンド。
これはその100倍以上だったと想像されています。
何年か前に裏地の部分から当時の色合いを再現する試みがありました。
一時だけの展示だったので、今はありません。
でもそんなに昔のものがまだ残っているっていうだけですごい。
しかもケースにも入れずに展示されています。
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2 件のコメント:
<神様はエドワードの誕生を通してヘンリーの行動に同意したわけです。ヘンリーは第二のアブラハムになり、新しい世界の父となって世界にその子孫を広げるのです。>
えー、このデマゴーグ、すごいごり押し!
ハンプトンではオーディオガイドを使ったのですが、そんなこと言ってなかったですよ。やっぱり生ガイドさんの方が面白そう。
Pharyさん、こんにちは。
オーディオガイドで流れることを、全部私がご案内するわけでもないのでおあいこです!
っていうか、正直なところ、オーディオガイドでどんなことを案内しているか、全く知らないので、今度ちゃんと聞いてみます。
このタペストリーは10枚セットです。
グレートホールに6枚、キングスアパートメントに2~3枚かけられていて、常時1~2枚が修繕や保管庫で眠っています。
かけ替えもあるので、どこにどれがかかっているのかは行ってみないと分かりません。
私が一番好きなのはアイザックの割礼。
これが「神様との契約」なわけだから。残念ながらグレートホールにはありません。
今グレートホールにかかっているものだと、わかりやすいのはアイザックの犠牲かなぁ。
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