ウインザー城に行くと、必ず触れる話題が「ガーター勲章」
イギリスで、最も高貴な勲章です。
24人の終身制の騎士たちと、国王(もしくは女王)そして皇太子の26人からなる騎士団。
なぜ、ウインザー城で話題になるかというのは、この騎士団に所属する貴族たちの家紋が城内のセントジョージ礼拝堂にかけられているから。
ずらりと旗が並んでいますね。
右手のオレンジ色の旗、見えますか?
真ん中が菊の御紋。
これは、上皇さまがガーター勲章をお持ちなので、ここにかけられているのです。
ガーター勲章を制定したのはエドワード3世という王様です。
ふたつの王冠が剣に刺さっているのは、イギリスの王様というだけではなく、フランスの王位継承権を請求したからです。(もうひとつはスコットランド)
そのために起こったのが100年戦争。
自分のために戦ってくれる勇士たちのための勲章がガーター勲章ということです。
赤十字の旗を金で縁取りされた青いベルトがぐるりと囲んでいます。赤十字はセントジョージの旗。
そして、ベルトはガーターですから留め金があるように見えるの、わかりますか?
そこにはラテン語で「邪悪な考えを恥じよ」と刻まれています。
これには面白い逸話があります。
100年戦争は、100年間ずっとひとつの戦争があったわけではなくて、色んな戦争が含まれています。
あるときイギリスが勝った後のお祝いパーティーで、エドワード3世が片思いのお姫様を見つめていました。
するとあろうことか、その彼女がはらりとガーターベルトを落としてしまったのです。
「あっ」と思った王様は彼女の元に駆け寄ってガーターベルトを拾って手渡したそう。
周りのみんなのくすくす笑いの中、彼はガーターベルトを高々と掲げ、
「邪悪なる考えを恥じよ(Honi soit qui mal y pense)」とラテン語(の一種)で言ったとか。
そこで止めておけばよかったのですが、その後「お前たちもすぐにガーターを身に着けたくなるだろう!」と言ったので勲章を創る羽目になった、というもの。
眉唾物のお話ですが、面白いですよね。
本当は、馬に乗る騎士たちがつけて一番目立つのがひざ下の靴下留めだというのですが、全く面白みがありません(笑)
なので観光ガイドは普通ダンスパーティーの話をします。
他にもお相手の女性は長男ブラックプリンスのガールフレンドだとか。
天皇陛下は宮中晩餐会の少し前にこちらを受け取られ、それを見に着けて晩餐会に臨まれました。
写真はBAZAARから(リンクします)
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