2024年4月22日月曜日

もうすぐ選挙のロンドン

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少し前にティムちゃん宛に選挙の案内が来ていました。

ロンドン市長選の案内です。

先週には投票用紙も届きました。
コロナの時に普通に投票所へ行く代わりに、郵便投票に切り替えたからです。

郵便投票から実際に投票所へ行くという方法に切り替えるのは簡単なのです。
が、ティムちゃん曰く、投票日にどんなお天気になるか、どんな用事ができるかを考えなくてもいい郵便投票をやめるつもりはないということらしいです。

田舎の方ではわかりませんが、ロンドンでは徒歩圏に投票所があるのが普通なようです。

例えば私が住んでいるリッチモンド区(London Borough of Richmond upon Thames)には51の投票所があります。
投票所には公共の建物が使われることが多いのですが、私たちのエリアは、ボーリング場が投票所でした。
これはそんな紹介記事のひとつ。
でも最新の場所を調べたら地区教会に変わっていました。
おうちからの距離はボーリング場だった頃とそんなに変わりません。

イギリスの投票率は日本に比べると高いと思います。
もうすぐ総選挙のイギリス(リンクします)でも紹介したようにこの国の投票率は選挙区によって差はありますが、平均で約70%。

イギリスでは、兵役中や入院中の人たちの選挙権を考慮して、第一次世界大戦中(1918年)に投票所に行かなくても投票できる制度が整備され始めました。
それ以降、いろいろな方法で投票する選択が設けられたのです。
そんなひとつが郵便投票。

Polling Card  は届きますが、ちゃんとポスタル(郵便による)って書いてあります。
本来の投票日は、このカードに記載があるように5月2日木曜日。
でもこのポーリングカード以外にも、郵便投票者には投票用紙や候補者のインフォメーションなんかが2週間以上前に郵送されます。

普通に郵便屋さんが配達してくれます。

セキュリティーメールとかではないので、以前は投票用紙の窃盗を含め、不正投票が話題に上がったこともあります。
2000年から、イギリスの各地域で、完全な郵便投票(投票所を使わない選挙)のお試しが行われていて、その際に話題になったりもしました。
ただ、プラス面を挙げれば、どの地域でも郵便投票の際は以前より投票率が上がったそうです。

ティムちゃんが言うように「お天気や用事を気にせずに、ゆっくり自宅で考えながら投票できるのは素晴らしい制度」ということなんでしょうね。

今回届いたのは、左から投票用紙が3種類(オレンジ、ピンク、黄色)
茶色は封筒、一番右は候補者の案内。
封筒と黄色の用紙の間にあるのは身分証明の用紙です。
生年月日とサインの欄があって、投票用紙と一緒に送ります。

でもみんな一緒に入れないんですよ。
投票用紙は茶色の封筒へ。
その封筒と、身分証明の紙を同封された封筒に入れてポストに入れるんです。
投票用紙に記載した人が、投票権があるかどうかのセキュリティーチェックみたいです。


2024年現在、リッチモンド区の人口は19.5万人、うち選挙権がある人の数は約14万人です。
思ったよりも多い。

ロンドンは外国人も多いので、私のように永住権はあるけれど市民権(選挙権など)がない、という人も多くいます。
また短期で滞在している外国人も多いです。
もちろん併せて18歳以下の子供も選挙権はありません(イングランド)

ちょっと気になって、統計を調べてみました。
住民の数に対する選挙権を持っている人の数、ロンドンの区ごとにパーセンテージで出してみました。
それを高い順に並べるとこんな感じ。
計算に利用した資料はOffice for National Statisticsから。
パッと探して選挙権の人口と住民の数が両方手に入った、2018年の数字です。
区によってかなりばらつきがあるのがわかると思います。

Sutton 75.4%
Harrow 75.4%
Havering 73.9%
Merton 73.3%
Bromley 73.2%
Richmond Upon Thames 72.7%
City Of London 72.6%
Hammersmith and Fulham 70.8%
Brent 70.5%
Ealing 70.1%
Hounslow 69.8%
Wandsworth 69.7%
Bexley 69.7%
Croydon 69.6%
Lambeth 69.4%
Southwark 68.2%
Barnet 66.4%
Waltham Forest 66.0%
Redbridge 65.4%
Kingston Upon Thames 65.4%
Hillingdon 65.3%
Greenwich 65.0%
Barking and Dagenham 64.4%
Lewisham 64.1%
Islington 63.4%
Haringey 62.6%
Enfield 62.6%
Hackney 62.0%
Kensington and Chelsea 61.4%
Tower Hamlets 60.1%
Newham 58.4%
Camden 57.3%
Westminster 56.1%


一番低いのは、思った通りウエストミンスター市の56.1%
つまり市民権のない外国人が多く住んでいるということ。

一言でロンドンといっても、場所によってずいぶん差があるのがわかる、ひとつの例です。







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