2019年11月19日火曜日

もうすぐ総選挙のイギリス

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先週、選挙用のポーリングカードが届きました。
12月12日木曜日に予定されている、イギリスの総選挙のインフォメーションです。

なんでこの国の選挙は木曜日なの?(リンクします)

この国には650の国会議員の選挙区があって、内73がロンドン。
因みにロンドン内の地方自治区はシティーとウエストミンスターを入れて33なので、一つの区の中に複数の選挙区が含まれることになります。

例えば私が住んでいるリッチモンドには、リッチモンドパークとトゥイッケナムのふたつの選挙区があるのです。

両方とも保守党と自由民主党が票の奪い合いをしている区。
2000年以降も、総選挙で保守党と自由民主党が入れ替わりで議員を選出させています。

私の住所が属しているのはトゥイッケナム選挙区。
ポールカードの二つ目の枠にそう書かれているのが見えますか?
この区は、数字で見ると選挙への関心が高い区と言えます。
前回の総選挙では、全国平均の投票率が69%(小数点以下切り捨て)だったのに対し、この区は80%の投票率でした。
ユーロ離脱の国民投票では、82%の投票率で、67%が残留に投票しました。

その選挙区がどんな所なのか客観的にみるためには、Electoral Calculus のサイトが便利です。
その選挙区はどんなところ?(リンクします)
このページで選挙区を選ぶと、客観的な数値が出てきます。

これは私が住むトゥイッケナム選挙区の数値。


ひとつの選挙区はさらにWard と呼ばれる小さな区域に分けられて、その区域ごとの過去の選挙結果も細かく見ることができます。

地域差の激しいイギリスの小選挙区制。

12月の結果がどうなるかは誰にもわかりません。

この記事を書いている現在、

保守党はユーロ離脱、入管を厳しくして、移民が福利厚生を申請するのにある一定の期間や保険料の支払いを求めるといった公約を掲げています。
ナイジェルファラージが率いるユーロ離脱党は、保守党の議員が当選した選挙区には対抗候補者を立てないことで保守党をサポートすると言っています。
つまり、保守党が弱い選挙区ではユーロ離脱党に票を入れることによって労働党と自由民主党、その他小さな党に票が流れないようにという戦略です。

自由民主党は、勝利の暁にはユーロ離脱はしないというのが公約。
なので、離脱したくないなら投票するように呼び掛けています。
ユーロ残留派のデモが、ロンドンやそのほかの都市で賑やかだったこの夏を覚えているので「離脱したくなければ自由民主党に票を」というシンプルな公約はかなりアピール度が高いと思います。

労働党は勝利すればユーロから新たな契約を取り付けて、それをもとにまた国民投票を行うというのが公約。
正直、弱い。
どっちつかずなのは、労働党の基盤である北の選挙区が離脱派なのに、もう一つの基盤である各労働組合が残留派だからです。
どちらか片方に寄れば、もうひとつを失う可能性が高いから。
スコットランド独立党はユーロ離脱には反対なのですが、労働党が単一で政権をとれないのならスコットランド独立党と連立する可能性もゼロじゃない。
でも、そうなると今度はスコットランドの独立国民投票につながるかも。
そして労働党が政権を握ったら、サッチャー政権以来民営化されてきた各公共性の高い事業を国営化することになりそうです。

保守党はもしそうなったら1.2兆ポンドの支出になると発表して、労働党が根拠のない数字だと反発していたのが先週の話。

ここにきて、悪いお天気が続いているヨーロッパ。
イギリスの北部だけではなく、有名な観光地ベネチアでも浸水の影響がメディアを賑わしているので、若い人たち、将来を憂う人たちは緑の党という選択も現実味を帯びてきました。

12月12日の結果がどうなるか、本当に気になります。

でも残念ながら私は選挙権無し。
永住権もあるし、税金も払っているけど政治に口は出せないもどかしさ。






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