2024年4月16日火曜日

人前で体重量るの楽しい?

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楽しいわけないでしょ😡
と思ったあなた、私も同意見です!(笑)

それなのに、18世紀からそれをウリにしたお店がロンドンにはあるんです…。


私たちが考える家庭用の「体重計」が日本で発売されるようになったのは、谷田製作所の「ヘルスメーター」で、1959年のことだそう。
つまり、それまでは誰かに量ってもらうしかなかったんですね。

イギリスでは1830年代から、鉄道駅に荷物用のはかりが設置され始めました。
今でも駅で見ることができる、古い鋳鉄製の台はかり。
イギリスの Henry Pooley & Son という会社が有名で、のちに W & T Avery Ltd に合併されます。
こういったプラットフォームスケールは1831年にサディアス・フェアバンクスというアメリカ人が特許を取って世界に広がったものだといわれています。
荷物の重さを量ったのは列車などの許容範囲を超えないように、という目的だったそう。
荷物の代わりに乗って体重を調べた人もいたかもね。

その当時、頻繁に体重を量ったりしたのは主に軍隊で、ヴィクトリア時代から入隊時に健康かどうかの目安として調べたそうです。
帝国戦争博物館所蔵の写真で第一次世界大戦時の入隊テストの様子。
身長を測られている人と体重を量られている人。
椅子状の計りに座っている人の後ろにバネばかりのようなものを持っている人がいます。

Averyと併せてイギリスで有名な秤のブランドといえばSalter 。
元はバネを作る会社で、18世紀にはバネ秤を作っていたそう。
この写真のものがSalter製なのかどうかは調べてもわかりませんでした。

この Salter が1897年に家庭用の体重計を発明したそうです。

では、バネばかりや台はかりよりも前はどんな秤を使っていたか。
それはね、天秤。
天秤っておくすりや貴金属といった、もっと小さなものを量るイメージがありますよね。
でも、これで体重を量っていたんです。
え、暗くてよくわからない?

じゃあ矢印を入れます。
天井から下がった天秤計りが見えますか?
左に人が座って、右に重りを置いて量るんです。



天秤の歴史は古い。
大英博物館でお客様にご案内する「死者の書」にも出てくる。
これは3200年前くらいのもの。
亡くなった人の心臓を量っているところ。

エジプトは置いといて、写真で紹介した方の秤が今日のテーマ。

この秤はロンドンの有名なワイン屋さんベリーブラザーズ(リンクします)のものです。
壁のフレームにあるように、1765年からここで顧客のために体重を量っていたって!
そしてそれが評判で、ワインを買いに来る人が増えたとか!
他には簡単に量れる場所なんてなかっただろうし、この辺は紳士クラブも多いから、
「おい、お前と俺とどっちが重いか賭けよう!」
なんてことをやっていたのかもしれません(笑)

私はやっぱり自分のベッドルームで誰にも見られずに量るほうがいいなぁ。

因みにこのお店はキングスマンの2作目、ゴールデンサークルに出てきたお店です。




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