来週はいよいよハンプトン宮殿のガイド資格試験。
準備はきちんとしたつもりなので、落ち着いてブログでも書こうとラップトップを開けました。
今更焦っても始まらないし、これ以上知識を仕入れても混乱するだけなので、実地試験のスピーチの練習くらいしか、もうすることはありません。
どのタイミングで、内容をどうつなぐかといった構成も、まぁ満足しています。
試験は二日にわたって行われる予定で、
1日目は筆記。
何を聞かれるかはお楽しみ。
多分100から200問くらいの内容になると思います。
エッセイはないと思う。
2日目は実地試験。
試験官と一緒に宮殿内を歩いて、名前を呼ばれたら5分程度の案内をするというもの。
これは何回名前を呼ばれるか、どこが当たるかはその時にしかわかりません。
宮殿内で15か所ほど候補地がある。
でも、そこに立って何を話すのかはガイドの自由。
候補生は16人。
だけど試験は5人前後で回ります。
授業中に各自のプレゼンテーションがあるので、聞いていると面白い。
個性色々。
私たちのクラスで一番上手だと思うのはジョーという女の子。
事実とユーモアのバランスがすごくいい。
屋外も多いので、お天気がいいとうれしいなぁ。
こんな青空だったら、気分もいいだろうし。
これ、宮殿のクロックコートから見上げたグレートホールです。
小さくて見えないけれど、てっぺんにたくさんの動物が彫られています。
キングスビースト。
こちらはチムニー。
煙突です。
宮殿内に241本建っている。
全て模様が違うっていうけど、本当かなぁ?
ゲートをくぐるときは忘れずに見上げるとたくさんの模様。
とても美しくて、つい写真を撮ってしまいます。
こういった模様にはひとつひとつ意味があります。
左から時計回りに、
イニシャル、A と H が恋結びになっている、
フレ・デ・リー(フランス)、
王冠を身に付けたハヤブサ、
そして落とし格子。
ヘンリー8世は、2番目のお妃、アン・ブリンをロンドン塔で処刑しますが、まだ仲が良かった時に宮殿のあちこちに彼女のイニシャルやシンボルを彫らせました。
A と H はアンとヘンリーです。
そしてハヤブサは彼女のシンボル。
フランスの紋であるフレ・デ・リーはフランスの王位継承権を求めた百年戦争の時代から、英国の紋の一部として定着しました。
落とし格子はヘンリー8世の父方の祖母であるマーガレット・ボーフォートの家紋。
チューダー朝の王位継承権が彼女の血筋から受け継がれたからからです。
こっちはカラフルでしょう?
中心やや右手が赤い帽子なのが分かりますか?
ちょっとアップできるかな?
これでどう?
この帽子は枢機卿の帽子です。
ウルジー枢機卿を意味します。
ハンプトン宮殿は彼のために建てられたものを、のちにヘンリー8世が取り上げたのです。
理由はヘンリー8世の一人目のお妃、キャサリン・オブ・アラゴンの離婚調停に失敗したから。
かわいそ~う。
チューダー時代の人の浮き沈みって、本当すごい。
こちらは屋内。
グレート・ウォッチング・チェンバーの天井。
金張りで豪華でしょう?
こちらのバッジは左ふたつが3人目のお妃ジェイン・シーモアのもの。
右のは色が黒いでしょう?
チューダー時代のオリジナル。
だから約500年前。
材料はレザーマシェ。
レンガの粉と使い物にならない皮の端切れをノリと混ぜて固めるだけ。
ごみのリサイクルみたいなものです。
色を塗って仕上げればずいぶん立派に見えますね。
これ以外に天井画なんかも素敵です。
それらはまた別の機会に紹介します。
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2 件のコメント:
<チューダー時代の人の浮き沈みって、本当すごい>
つい先日までいい身分だったのに、何かで躓くと処刑ですものねー。そりゃぁ保身に汲々、ライバルはできるだけ殺しておけってことになりますよ。ヤラレル前にヤッテしまえみたいな。怖いわー。
これ以外にも、4人目のお妃アンクリーヴスを紹介したトマス・クロムウェルが処刑されたのは、本当にかわいそ~うです!後ろ盾もなく、ヘンリーに気に入られただけで出世したのはウルジー枢機卿と似ています。
アンクリーヴスは、逆に離婚に逆らわなかったので、十分な年金を与えられて宮廷生活もエンジョイしたそうです。24年近く尽くしたキャサリンオブアラゴンは離婚を拒否したために、娘とも隔離されてひどい目に遭いました。
この時代、挙げればキリない、歴史がつまらないという人にチューダーの宮廷をお勧めします。
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