故エリザベス女王はバッキンガム宮殿でミツバチを飼っていました。
お庭には池があって、その中にある島に巣箱が置かれています。
その島はヴィクトリア女王の夫アルバート公の「人の手を付けない自然なままに」という希望を尊重して未だに過度の手入れがされていません。
その島に足を踏み入れることが許されているのは故女王様と「ロイヤル養蜂家」のみだと聞いたことがあります。
バッキンガム宮殿のすぐ近くに建っているクラレンスハウスにも巣箱があるそうで、何万というミツバチの世話をロイヤル養蜂家はしているわけです。
現在のロイヤル養蜂家は79歳のジョン・チャペルさん。
ご崩御のニュースを受けたジョンさんは、クラレンスハウスとバッキンガム宮殿の巣箱に赴いて神聖な儀式を行ったそうです。
儀式はまず、巣箱の前で短いお祈りをささげた後に黒いリボンを巣箱に掛けます。
それを蝶結びにしたら、それぞれの巣箱を軽くたたいて伝統の言葉を唱えるのです。
‘The mistress is dead, but don't you go. Your master will be a good master to you.’
「女主人は死んだ、でも出ていくな、新しい主人はお前たちにとっていい主人になる」
写真はデイリーメールから借用、著作権はジョンさん(@John Chapple)です。古くからの言い伝えで、家主が死んでしまった家ではミツバチが蜜を集めなくなったり、巣立ってしまったり、死んでしまうといわれています。
この儀式はそんな言い伝えに関係して、もう何世紀も養蜂家の間で引き継がれているものだそうです。
ジョンさんは、はちみつが好きな奥さんのために、趣味で養蜂を始めたのが30年前、そして趣味が高じて職業に。
ジョンさんが若いころ(といっても50代!)は百万匹ものミツバチの世話をしていましたが、15年前にロイヤル養蜂家として王家に仕えるようになってからは世話をするミツバチの数はぐっと少なくなったそうです。
クラレンスハウスに2基、バッキンガム宮殿に5基ある巣箱には、それぞれ約2万のミツバチがいるそうです。
好きなことが職業っていいですね。
ふと、女王様は「女王」という職業が好きだったのかなぁって思いました。
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