実は観たいものがあったので行ったのです。
それは何かというと…
バイユー・タペストリー!
バイユーというのは北フランスの町の名前。
バイユーの綴りは「Bayeux」です。
ここには大聖堂があって、ここの司教であったオードさんがノルマンの征服に関して自分の功績を後世に残すために刺繍で歴史を刻んだものがバイユータペストリーというわけ。
因みに、このオード司教はウイリアム征服王の(片親違いの)兄弟です。
バイユータペストリーは、普段は北フランスのバイユー博物館(リンクします)に展示されていますが、2025年の9月から博物館は改装のため閉鎖されています。
「ノルマンの征服」というのはイギリスの歴史上もっとも重要な出来事のひとつ。
それまでアングロサクソンの王家だったこの国とノルマンディーからやってきた一族との「ヘイスティングの戦い」の後、この国がノルマンディー公爵ウイリアム征服王によって治められたことをさします。
バイユータペストリーは、バイユーで製作されたわけではなく、おそらく征服後のイングランドで刺繍の技術に定評があったカンタベリーで作られたのではないかといわれています。
実は今年(2026年)9月から翌7月までバイユータペストリーが約1000年ぶりにイギリスに返ってきます。
ずっとじゃなくて、バイユー博物館が改装のごく一時期のことですが、イギリスではかなり話題になっています。
展示場所は大英博物館。
大英博物館の特別展示は普段ならメンバーは予約なしで何度でも訪れることができるのに、このバイユータペストリーはメンバーも予約必須、しかも無料閲覧の回数制限(3回目からは有料)まで設けられているという人気(の予想)ぶり。
そして今日はその予約開始日。
今日12時半にまずメンバーの予約がリリースされて、一般の予約は7月1日からだそう。
私はこの記事が出ることにはお仕事中なので、合間を見て予約にトライするつもり。
さて、このバイユータペストリーが何でレディングに関係あるのってお話しなんですが、実はヴィクトリア時代にこのバイユータペストリーの精密なレプリカが作られて、それが展示されているのがレディング博物館というわけ。
もちろん歴史は約1000年という本物には及びませんが、1885年製作といえば十分にアンティークです。
そしてかなり精巧なレプリカなのでこれをじっくり勉強してから本物に臨もうというのはなかなかいいアイディアではないかと思ったのです。
ノルマンディーには何回も家族のホリデーで行っていますが、これを観たいというのは私だけだったこともあり、まだ私は本物を観たことがありませんでした。
レディングはリッチモンドからそれほど離れていませんが、それでも片道1時間ほどかかります。
なので「いつか観たいな」レベルだったのが、大英博物館の展示が始まるのに合わせて「ぜひ観ておきたい」に変化したわけです。
このレプリカはスタフォード州リークの刺繍家エリザベス・ウォードルさんが提唱してリーク刺繍協会で製作されました。
オリジナルのタペストリーの刺繍部分下にマチの部分を加えて、そこに製作者の名前が刺繍されています。
物語はエドワード証聖王がイギリスの宮殿にいるところから始まります。
各シーンの名前の中には彼女と同じ苗字も含まれるので、おそらく彼女の娘たちではないかと思います。
他にもリディア・ウォードルやマーガレット・ウォードルも見かけました。
スタフォード州のリーク刺繍教会では絹の刺繍が一般的だったのですが、オリジナルのバイユータペストリーがウール糸での刺繍だったために、あえてウール糸を使用しました。
また、染も科学的なものではなく草木染が使われていて、オリジナル作品に対する敬意が見てとれます。
エドワード証聖王が亡くなってみんなが悲しんでいるシーンやその後ウエストミンスター寺院に棺が運ばれていく様子などは普段からお客様にご案内していることなので、こういった風に視覚化されているのを観るのは感慨深いです。
実際ハレー彗星が1066年にイギリスで観測されたそうですが、戴冠式は1月、彗星が現れたのは4月末ということで数か月の差があります。
こういった史実も興味深いのですが、私は宴会のシーンが特に面白いと思いました。
お鍋でどんなお料理を作っているのかなぁ。
楽しそうですよね。
あ、焼き鳥かな?
さて、レディングのタペストリーはほぼ完全なレプリカではあるのですが、部分的に変えられているシーンが無いわけではありません。
顔に触れているシーンはそのままなんですけどね。
写真を撮ったので、3人目の女性も載せておきますね。
楽しそうですよね。
あ、焼き鳥かな?
本物のタペストリーを大英博物館で見る時には閲覧の方法がどうアレンジされるかはまだわかりません。
博物館からの案内によれば、壁にかけるスタイルではなく、台の上にフラットに設置されるようなことが書いてありました。
真偽はともかく動く歩道みたいになっているという噂も聞きました。
多分その方がたくさんの人が一度に見られるからということじゃないかと想像します。
どれくらいゆっくり見学できるのかもわからないし、予習してから行くのは大事だと思います。
さて、レディングのタペストリーはほぼ完全なレプリカではあるのですが、部分的に変えられているシーンが無いわけではありません。
ここから先は少しだけアダルトな内容が含まれますので嫌な人は飛ばしてください。
バイユータペストリーにはペニスがたくさん出てきます。(←いきなり、何の話!)
オックスフォードのジョージ・ガーネット教授が2018年に数を確認したところ、約70mのタペストリーの中に93あったそうです。
教授クラスの人がまじめに数えている場面、想像すると可笑しい!!
ただし、そのうちの88は動物(主に馬)のもの。
人間のもの(つまり裸の男の人がペニス込みで描かれているのは)残りの5体。
その一部をBBCが紹介している動画がわかりやすいです。
このビデオの冒頭に出てくるシーンはこの場面。
バイユータペストリーにはたくさんの登場人物が出てきますがほとんどが男性。
メインの刺繍に出てくる女性はたったの3人で、子供はひとりだけ。
その貴重な女性のひとりが青い衣をまとった男性から顔を触られているシーン。
それでは左下に注目してください。
こちらの上下の写真は本物のバイユータペストリー、大英博物館のサイト(リンクします)から
この男性はおそらく僧侶なので、女性に触るということはスキャンダル。
そのシーンの下に出てくる裸の男性がこの僧侶と同じポーズで呼応していることからスキャンダルさを増幅しているんです。
拡大するとこんな風にパンツをはかされてしまっています(笑)
顔に触れているシーンはそのままなんですけどね。
写真を撮ったので、3人目の女性も載せておきますね。
おうちが放火されてその中で逃げ惑う女性と手を引かれている子供の姿が場面右手に見えます。
場面左手ではウイリアムが使者からハロルドの動向に関するニュースを聞いています。為政者とそれが起こす戦争の下、被害を受けるのは市井のものというわけです。
1000年前も今もちっとも変りませんね。
イギリスの観光ガイドはライセンス制です。ご予約の際は英国政府公認ブルーバッジガイドを雇用しましょう。(リンクします)
ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。
イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。
ブログのランキングに登録しています。 よかったらクリックして応援してください。

イギリスランキング コメントは承認制なので反映に時間がかかります。





0 件のコメント:
コメントを投稿