2024年5月2日木曜日

イギリスの運転手さんの労働時間

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どんどん春らしくなってきたイギリス(嘘!!今年の春は寒くてお天気が悪いです)
観光のプランを立てている人も多いと思います。

個人で手配する機会はあまりないかもしれませんが、今日はイギリスのバスの運転手さんの規定についてちょっと紹介したいと思います。


安全にお客様を運ぶために、ヨーロッパの各国で運転手さんの業務が過労をもたらさないように、いろいろなルールが定められています。


40ページほどの詳しい内容を読み込むのも大変なので、そこから抜粋した重要な項目をいくつか、簡単に紹介しますね。

まず、この規定が適応されるのは3.5トン以上の車。
なので、通常の乗用車は関係ありません。
簡単に言えば、ミニバスとか、大型バス、トラックなどが対象です。


運転時間の数え方
1週間は、月曜日の0時から日曜日の24時までの7日間です。
1日は夜中の0時から24時間。
運転手さんが、1日に運転できる時間や、1週間に運転できる時間などが決められていて、また次の日、次の週までの間の休憩時間も厳しく管理されています。

運転手さんには、4時間半のルールというものが存在して、45分間の休憩なしにそれ以上運転することはできません。
「じゃあ、9時にホテルにお迎えに来てもらったら、13時半に終われば休憩はいらないのね」
そう思ったあなた、甘いです。
運転時間というのは、デポで運転手さんが自分の運転手カードをデジタル・タコメーターに挿入した時から始まって、デポに車を返してタコメーターから自分のカードを取り出すまでなんです。
デポの場所によっては、市内中心地のホテルまで1時間以上かかることもあります。
そういった時間も運転時間に入るのです。
また、休憩というのはバスを駐車してエンジンを完全に止めた状態。
更に15分以上でなければ休憩とはみなされません。
なので、お客様がバスに乗っていない状態というだけでは不十分なのです。
例えば博物館でお客様をおろして、1時間半後にお迎えに来てもらったら、お客様からすれば1時間半の休憩を運転手さんが取ったと思われたりしますが、実際駐車できずに運転し続けている場合は休憩0分だったりすることも、ロンドンでは珍しくありません。

4時間半運転した後、45分の休憩を取ればまた4時間半運転をすることができます。
そして、この休憩時間は分割して取ることが可能ですが、2度に分けた場合、初めの休憩よりも2度目の休憩の方が長くなる必要があります。
例えば2時間運転して15分の休憩、さらに2時間半運転した後に30分の休憩といった具合です。逆は違反になります。

1日に運転できるのは9時間まで。
但し、1週間の中で2日だけ、条件を満たせば、10時間運転することが認められています。

そして、1週間で認められている運転時間は56時間まで。
6日を超えた連続の運転はご法度。
更に2週間の合計運転時間が90時間を越えてはいけないというルールが存在します。
つまりある週に56時間運転したのなら、その前の週と後の週は34時間までしか運転できないことになります。

ややこしいですか?
もっとややこしくなりますよ(笑)

1日の休息時間は11時間以上必要です。
休息時間は最短でも3時間以上じゃないとカウントされません。
例えば朝6時にデポを出るお仕事なら、その前日は午後7時にデポで仕事を終了する必要があるのです。

終日観光で9時から6時までバスを手配しても、9時間通しで運転できないのがわかっていただけたと思います。
そういった必要があれば、運転手を2人用意して、休憩しながら長距離の運転をすることになります。
なので、デジタルタコメーターには2枚のドライバーカードが挿入できるようになっていて、自動で全て計算してくれる仕組みです。

これ以外にも夜間の運転に関する規定とか、細かいことがいろいろありますが長くなりすぎるので割愛しました。
興味のある方は最初にリンクしたサイトや各国の規定を読んでみるといいと思います。

最後に運転手さんが以上の規定を違反した場合の罰金を載せておきます。
クリックすると大きくなります。
うるさいなぁ、面倒だなぁ、そう思われるかもしれませんが、こういったルールで道路上の安全が守られているのです。






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