2024年7月21日日曜日

ファラデーの足跡を訪ねて

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マイケル・ファラデー(1791-1867)は、英国が誇る科学者の一人です。
子供の時に「ろうそくの科学」を読んで知った人も多いのではないかと思います。

彼の功績は発電機の発明の元になったアイディアだけではなく、とても大きな範囲に及びます。
特に島国である英国にとって、船の安全な運航というのは重要事項。
そのための灯台に、彼の影響が少なからずあるのです。


タワーヒルの地下鉄駅を出ると、金色のお船の形をした風見鶏がある建物が目に入ります。
それがトリニティー・ハウス。
ここは船舶の安全のための灯台の管理などを行っている500年ほどの歴史を持っています。

1836年にはトリニティ ハウスに、すべての民間灯台の取得と維持の権限が与えられます。
同年、ファラデーは、トリニティー・ハウスの科学顧問に任じられました。

彼はトリニティー・ハウス本部でのんびりふんぞり返っていたわけではなく、テムズ川沿いにあるブラックウォール灯台 実験場や遠くドーバーまで灯台の観察に精力的に出かけました。

69歳になっていた1860年の記録を読むと
「金曜日に、またドーバーに行ってみた・・・道の雪がなくなっていてくれることを期待していたのだが、まだ、灯台に行く道は閉ざされていた。しかし、私は、垣根によじ登り、いくつもの壁や野を越えて何とか灯台にたどり着き、必要な質問や観察を行った」とあります。
オイルランプのせいで曇ってしまう灯台のガラスのために煙突を工夫したり、海事用のレンズを開発したりもしました。

凄いですね。
ブラックウォールでは、今でも実験用だった灯台が保存管理されていて、入場もできるようになっています。
小さな木造の小屋はファラデーがいた時という内装にしつらえてあります。
信心深かった彼ですが、英国国教会派ではありませんでした。
聖書を大切に考える「サンデマン派」というかなり小さなキリスト教の宗派に属して、私利私欲を追わず、報酬もほとんど受け取らず、社会に貢献するという信条を持っていました。

実験を大切に考えて、通電を調べるためにカエルをたくさん飼っていたそうです。
死んだカエルの足に電気を通すと動くという実験は、ファラデーが始めたわけでも彼が最後だったわけでもありません。
電気が通っているかどうかを調べるのに、1833年に電圧計ができるまで、1790年ごろから使われていた方法だそう。
死んでいるのに電気を通すと動くという事実は、のちにメアリー・シェリーの書いた「フランケンシュタイン」のアイディアにつながったと言われています。

猫も飼っていたそうですが、猫ちゃんにはそんな残酷なことをしなかったことを願います。

こちらが彼の仕事部屋。
ファラデーが好きなら行ってみてください。

亡くなった時は、やはり国教会信者ではないということで、ロンドンの北、ハイゲート墓地に埋葬されました。
が、ヴィクトリア女王のたっての希望でウエストミンスター寺院の科学者のエリア、アイザック・ニュートンのお墓のそばに記念碑があります。
ウエストミンスター寺院のマイケル・・ファラデー(リンクします)


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