2010年8月19日木曜日

コンテンポラリーなアート

グラインドボーンで観た、もうひとつのオペラは「ヘンゼルとグレーテル」です。
グリム童話でお馴染みのブキミなお話ですが、今年のグラインドボーンでは、随分とコンテンポラリーな仕上がりになっていました。

コンテンポラリーものは、好き好きですよね。
私は結構好きです。
作品の新たな面の発見というか、面白さがあって、それはそれで楽しめます。
ティムちゃんはダメ。
どんなフォームのアートでも、オリジナルが存在するものは、新たな解釈は邪道で品格を落とすと考えてしまうようです。
もちろん全くのクリエーションはその限りではありませんが。

今週二日をかけて楽しんだオペラは、第一日が「道楽者の成り行き」
舞台装飾は、エッチングの雰囲気を出したつくりで軽めですが、スタイルはクラッシックな18世紀のイギリスが舞台です。
そして、第二日が「ヘンゼルとグレーテル」
本来なら、グリムの世界を反映した。ダークめのおとぎの国のイメージですが、何と今回は現代に置き換えられています。

緞帳は写真を撮り損ねたけど、ベージュでガムテープで繋げたカンジ、そして右下にはバーコードのシール。
あ、オフィシャルサイトに写真があるかも。

うーん、残念、ないみたいです。
でもこれなんかはどう?
幕が開いてすぐのシーン。
ね、随分イメージが違うでしょう?そしてね、これがお菓子の家!!何とスーパーマーケットのお菓子売り場。

オーケストラは前日よりもずっと楽しめましたが、なにぶんドイツ語で歌っているので、英語の字幕を所々見てしまいます。
前日に台詞回しの面白さ(というか、歌詞の面白さ)を楽しんでいるだけに、その方面は物足りないかな?
でもオーケストラは本当によかった。
音に広がりがあって、透明感というか、夢の世界にいざなわれている感じです。
前日は歌詞に気を取られていて、音の世界が少し狭い印象を受けました。
ちょっと上手く表現できないけど。

これが今年のプログラムと私のチケット。
「道楽者・・・」の舞台はプログラムの表紙みたいなカンジでした。両方ともストールのかなり前の席。
「道楽者・・・」は3列目、「ヘンゼル・・・」は前から2列目でした。
だからオーケストラが視界に入ります。指揮者だって、目の前。
これは幕が開く前なので、撮りましたけど、もちろんその後は写真禁止です。

グラインドボーンの内装は木がたくさん使われていて、とっても柔らかな印象でした。
来年もまた行きたいな。

4 件のコメント:

phary さんのコメント...

最近ミュンヘンのナショナルシアターでも現代的、抽象的な演出が流行のようです。
その道の方に聞きますと経費節約という意味もあるみたいです。お衣装とか舞台装置とか、現代物にしたほうが安上がりというわけです。
でも、音楽に疎い私は視覚的なものもオペラの魅力の一つと思っているので、あまりにモダーンな演出だとちょっと、、、。
この間観たコシファントッティなんか大きなコンテナーみたいな箱をお屋敷に見立てていて、豪華なお衣装と装置を期待していた私はかなりガッカリしました。

EMI* さんのコメント...

確かに、イメージがちょっとくるっちゃうかも・・・。
どうも、童話の世界の小さな子供のイメージが強いのですが・・・。
以前、ロックオペラのジーザス・クラィスト・スーパースター”見た時、現代版の舞台装置だったんだけど、それはそれで、納得しましたけどね。
そういう物の見方もあると思うと、違った楽しみ方もあるってものでしょうね。

そうそう、桃太郎君はもう戻って来ましたか~?
今度、大阪に来たら、ぜひ娘が会いたい~って言ってました♪でも、顔もわからないしね・・・。

miki bartley さんのコメント...

Pharyさん、こんにちは。
期待と違うとがっかり、というのはよくわかります。
異次元の世界を楽しみに来た人は、スーパーマーケットや、浮浪者が住んでいるようなダンボールの家を見ると、それは幻滅するでしょうね。
コンテンポラリーものは、古典的なものを楽しんだ上で更に幅を広げて楽しむものだと思います。
それしか観なかったら、面白さよりも、嫌悪感が先にたつかもしれません。

美術館に来て、きれいじゃないものを観ると、頭にくるのと同じ感覚かもしれません。
私は舞台ものは、かなり柔軟性を持って観ることが出来るつもりですが、絵画はだめですね。
どうしても先入観があって。
どうしてこんなものを飾るの!!って文句を言いたくなることしばしばです(特にテイトモダン!!)

経費節約というのは面白い解釈ですね。
意外とそんなところに秘密があるのかもしれません。
でも最近はオペラやバレエは特に、一般大衆からは縁遠いものになってしまっています。
イギリスでは幸いにも、クラッシック音楽は「プロムス」がありますけど、バレエやオペラも何か行動を起こす必要に迫られているのかもしれません。
若い人用の割引チケットは出ていますが、このままだと、通しか楽しめないものに移行してしまうかもしれません。
そうなると、本当に残念だと思います。

miki bartley さんのコメント...

EMIさん、こんにちは。
桃太郎君は、今関東方面にいます。
顔は写真を見ていただければ・・・(笑)
あんまりこういった場所に顔を載せるのも何なんですけどね。
大阪はすごく暑いみたいですね。
桃太郎君は大阪城と水族館を楽しんだようです。

ミュージカルの場合は結構おおらかに見ることのできる人が多いみたいですね。
やっぱり期待度というか、設定が違うためかもしれません。

暑さに気をつけてお過ごしくださいね。