2010年2月21日日曜日

G24Ltd

何かのサミットみたいな名前でしょう?
これは会社の名前で、業種は駐車場管理です。
英語だとPrivate Parking Management Company。
これでグーグルするといっぱい出てきます。

スッゴク、グレーな会社です(笑)

イギリスにはプライベートな駐車場がたくさんあります。
例えると、スーパーマーケットや、日曜大工のお店、ショッピングモールなどの駐車場。
特に郊外型のものは、お客様用に無料の駐車スペースを設けてあるところが殆どです。
ところがそういったスペースを利用するのは、そこのお客様だけじゃないんですねー。
ついでに他にも寄っている間、駐車しっぱなし、とか。
全く買い物をしないけど、無料の駐車場として利用する、とか。

そこで最近はそういった駐車場の持ち主が、駐車場管理会社と契約を結ぶわけです。
「明らかに客ではない駐車から罰金を取る」ことが、こういった駐車場管理会社の利益になります。

具体的な方法は;
駐車場の入り口と出口にナンバープレート自動読み取り機をつけて、駐車時間を割り出します。
そして、一定時間を超えた駐車をした車は、DVLA(英国政府管理下の車両免許局)から持ち主の情報を引き出して、請求書を車の持ち主に送ります。
この請求書は、地方自治体が発行している駐車違反やスピード違反の書類と酷似していますから、受け取った人は、こういった請求が公のものだと勘違いします。


実は先日ティムちゃん宛てに、そんな請求書が届きました。
初めチラッと見た時は「あーあ、もう、また余計な出費」と思っただけ。
請求書の体裁が、これまでに受け取ったペナルティーノーティスとあまりにも似ているので、てっきり地方自治体からのオフィシャルなものだと思ったのです。
ところが小切手の送り先が G24 Ltd となっていて、ちょっと怪しいと感づきました。
請求額は95ポンド。


詳しく内容を見てみると、10日以上前の、バタシーにある日曜大工のチェーン店の駐車場でのことらしいのです。
そういえば、ティムちゃんがお友達と、テムズ川沿いのパブでランチの待ち合わせをしていた日。
駐車スペースが見つからなかったので、歩いてすぐの日曜大工のお店の駐車場に止めたって言ってました。
請求書にはこの駐車場には90分のタイムリミットがあって、それまでは無料。
でもそれを超える駐車は95ポンドの罰金で、注意書きが駐車場内にくまなく張り出してある、とのことです。
手紙の発効日から28日以内に支払いの義務があること、14日以内であれば75ポンドに割引されることなども書かれていました。

物好きな私は、早速この会社について、インターネットで調べてみることにしました。
インターネットでわかったことは、こういった会社の正当性が疑問視されているけれど、今のところは野放し状態であること。
この請求が不当であると考えるなら、とる手段がイロイロあるということ。
それからこの会社にまつわる、いろんな人たちの経験談。
この会社の名前こそ出ていなかったけれど、「駐車場管理会社」のカテゴリーで、シティズン・アドヴァイス・ビューロー(公的な機関)のサイトでも、請求書を受け取った場合は通報が奨励されていました。
Watchdogという、BBCの消費者問題番組でも取り上げられたことがあるそうです。


実際の体験談を読むと、すごく面白かった。
今まで知らなかった法律というか常識(?)がたくさん出てきます。

① こういった請求は、(例えば90分の駐車を超えると罰金などという)プライベートな契約に基づいて作成されていて、契約自体を認識していない場合は「契約」とはいえず、そこで請求書は無効という考えになるそうです。
「駐車することによって、契約にサインしたことと同じ」という考えは、どれだけその駐車の条件がわかりやすい場所に設置されているかによるそうで、実際正式にクレームを出して、請求が退けられた例がありました。

② 「車両の持ち主がその駐車に責任があるかどうかの証明が出来ない」ので、請求は無効になるそうです。
ただしこれは私有地での法律なので、公の場所(一般道路など)では持ち主の責任になります。
具体的な例を挙げると「その車を駐車したのは私ではありません」と手紙を出すことで、管理会社は引き下がるしかないそうです。
「では誰が運転(駐車)していたのか」という質問には答える義務はないそうです。
繰り返しますが、私有地での法律ですから公共の道路ではこの方法は通用しません。

③ 請求書を無視すると、2週間後に割引料金が適応されない旨の手紙が届くそうです。
そしてそれが過ぎても返事をしないと、債務が専門の会社(同系列らしい)へ移ったお知らせが届いて、裁判所への呼び出しとか債務取立人の執行などもありえるとの「脅しレター」が届くそうです。
それでも無視を続けると、音沙汰がなくなるそうです。
多分裁判所に持ち込んでも勝つ見込みがないからでは、とのことです。

④ お店に行って買い物をした証明(レシートを見せるとか)すれば請求は取り下げることも出来るそうですが、みんながレシートを保存しているとは限らないし。
実際この請求書が来たのは、駐車してから10日以上あと。
2-3日ならその辺にあったであろうレシートも、捨てちゃう人が多いかもね。

⑤ 駐車場の入り口と出口の写真が請求書に載っているんだけど、プリントされている時間の信憑性に問題があるそうです。
実際ティムちゃんも、パブでお昼を食べただけで、1時間くらいだったそうです。
お友達は別の場所に駐車したのですが、そのチケットを見ると、駐車時間は75分くらい。
請求書には約2時間(115分)駐車したことになっています。

こういった情報は全てインターネットから仕入れたものなので、どれくらい信憑性があるかは判りませんから判断はご自身でどうぞ。

とりあえずティムちゃんはその場所にもう一回行ってみることにしました。
どれくらい駐車の条件が目立つところにあるか見たうえで、判断するそうです。
そのあとで日曜大工のお店に掛け合ってみるって。

ティムちゃん「面倒なことになりそうだったら、払っちゃえば済むことだし。28日間あるんだから」だって。
どうなるかちょっと楽しみ。

6 件のコメント:

nori さんのコメント...

はじめして!noriと申します。mikiさんのブログは楽しくてとってもためになり、いつも楽しませてもらっています^^。
イギリスに来て1年ちょっとになるのですが、このうさんくさい?会社のことは初めてしりましたー!またまた勉強になりました。
気をつけないと。私も既に2回も駐車禁止とられているので、、。

また楽しみにしています^^。

Yogacat さんのコメント...

へぇ~、私も結果が楽しみです。
個人的には③の脅しレターがきて無視すると音沙汰なしになるというもの。
ドイツもね、怪しい請求書が結構あるのよねぇ。悲しいかな、ドイツ語がそこまでわからないので調べていないのが多いけど・・・。

nekonasu ねこなす さんのコメント...

こんにちは〜。
うちのダンナも以前カウンシルの駐車場に止めていて、請求書がきたことがあります。
でもその日は家族で映画を観にいった日で、どう考えても時間オーバーをしたはずもなく、車に置いてあるはずの駐車違反のシートもなかったのです。
で、結局、ダンナは裁判にいって無罪(?)を主張、無事に代金を払うことは避けることが出来ました。
カウンシルのところでもこういう会社を雇って管理するところが多くて、けっこうコミッション目当ての横暴な駐車違反請求があるみたいですよ〜。
ティムさんも掛け合えば大丈夫だと思います。

miki bartley さんのコメント...

NORIさん、はじめまして。
ロンドンでは駐車違反、気をつけないとダメみたいですねー。
ティムちゃんもしょっちゅうチケットをもらってきます。
この会社だけではなく、たくさんの似たような会社があるみたいです。
知り合いなんかは自分の駐車場に止めていたのに、パーミットの表示が悪かったとかって、請求書が来たみたいです。
アップデイト、また載せますね。

miki bartley さんのコメント...

マダム、こんばんは!!
ずっと更新がなかったので、忙しいのかなーって思っていました。
復活みたいですね(笑)
ティムちゃんは、もう面倒になったらしくって、今日の時点では「払っちゃおうかなー」って言ってました。
私としては、ちょっと戦って欲しいんですけど!

miki bartley さんのコメント...

ねこなすさん、こんばんは。
ナンカ、ちゃんと主張すれば大丈夫みたいなんですけどね。
ティムちゃんの性格からすると、80%以上の確率で払っちゃいそうです。
とりあえずけしかけてはみますけど。
イギリスってこの手の会社が多くって、閉口しますね。