2026年4月29日水曜日

頼りになるボブおじさんのおかげで世界はめちゃめちゃ

今日紹介するのは面白い英語の言い回し。

「ボブおじさんのおかげ(Bob's your uncle)」です。
この言葉は何かの方法について説明した後にくっつけて使うことが多いです。

「心配しなくても大丈夫だよ~」ってカンジ。

いったいどうしてそんな言い方をするのかについては諸説あります。

中でもヴィクトリア時代(1837年から1901年)の貴族で政治家でもあったソールズベリー侯爵にちなんだものが有力。
彼は人生で3回イギリスの首相を務めた人。
でもそれより、甥っ子を贔屓して政府の要職につけたというイメージの方が強いです。
甥っ子のアーサー・バルフォアをアイルランド書記長の位置につけたのをきっかけに、アーサーは政治の世界で活躍して、イギリスの首相まで勤めました。

ソールズベリー侯爵の名前はロバート・セシル。
このロバートのニックネームがボブです。

「ボブがおじさんだったら君の将来は末永く安泰」そんな風に言われても仕方ないですね。

ところがアーサーの将来は安泰だったかもしれませんが、世界の将来は安泰というわけにはいかなかったのです。

アーサー・バルフォア、近代史が好きな人は「どこかで聞いた名前だな」と思ったかもしれません。
そう、バルフォア宣言の手紙をロスチャイルド卿に書いた人!

時は第一次世界大戦中、外務大臣だったアーサー・バルフォアが書いた原文をここに紹介します。

Foreign Office,
November 2nd, 1917.

Dear Lord Rothschild,
I have much pleasure in conveying to you, on behalf of His Majesty's Government, the following declaration of sympathy with Jewish Zionist aspirations which has been submitted to, and approved by, the Cabinet: 
"His Majesty's Government view with favour the establishment in Palestine of a national home for the Jewish people, and will use their best endeavours to facilitate the achievement of this object, it being clearly understood that nothing shall be done which may prejudice the civil and religious rights of existing non-Jewish communities in Palestine, or the rights and political status enjoyed by Jews in any other country."
I should be grateful if you would bring this declaration to the knowledge of the Zionist Federation.

Yours sincerely,
Arthur James Balfour

敵であるオスマントルコ軍に対してに有利になるように、エジプトではイギリス政府の高官が「帝国下でのアラブ人独立に協力する」という協定を結んでいましたから、これは問題になりました。

もともと歴史的な背景が複雑な中東なので、こういった外交上のやり取りがあったことだけが引き金とは言えないかもしれませんが、その後この地で紛争/戦争が絶え間なく続いているのは皆さんもご存じの通り。


アーサー・バルフォアに話を戻すと、好きだった女性がチフスで亡くなってしまった後、81歳で亡くなるまで独身を通しました。
婚約はしていませんでしたが、その一歩手前だったということでエメラルドの指輪を彼女の棺に入れたそうです。
ロマンチストだったのかなぁ。
彼の紋章にはカワウソが出てくるんですよ。

家訓は「美徳は天国への道につながる」

ではボブおじさんの方はどうかといえば、家紋はこんな感じ。
ふたりともガーナー勲章を受けているのが紋章で分かりますね。
黄色いとがった旗がふたつ入っていますよね。
これは西洋アナゴ!
何だか獰猛な家訓でもありそうですが、そうでもない。
「遅れても真剣に」というのが家訓。
石橋を叩いて渡るといった性格だったそう。



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