2012年10月23日火曜日

ミュージックツアー

 この建物は、元マンチェスター中央駅です。

現在ロンドンからの旅行者は、マンチェスター・ピカデリー駅に到着します。
が、昔はここがマンチェスターの乗換駅として大変賑わっていたのです。
でも「3つ(もうひとつはヴィクトリア)も駅はいらない」と閉鎖されてしまいました。

買い手もつかなかった時代もありましたが、結局は催し物会場へ変身。
コンサート会場として使われることもあります。

観光局のお勧め(リンクします)で、マンチェスターでウォークをアレンジしてもらいました。
ひとつはマンチェスターの音楽シーンを巡るウォーク。

ガイドは、自身もミュージシャンだったクレイグ。
なんと、オアシスのノエルは、彼のバンドに弟子入りしたのが音楽の世界への第一歩。
ノエルがもともとガス会社にいたこととか、公団に住んでいたこととか、楽しい裏話がたくさん。
これ、立派な建物だけど、ノエルが住んでいたんですって。
今でも公団だそうです。
こんな公団なら、住んでもいいなぁ。
ちょっとハロッズみたい・・・(笑)

 私は音楽関係には疎いので、正直、話の半分くらいは分かりませんでした。
もちろん彼がメンバーだったというバンドも知りません(キッパリ)
因みに名前は Inspiral Carpets、80年代のバンドですって。
知ってる?

でも熱心なガイディングを聞くうちに、何となく当時の様子が想像できたりして。
ところどころ、当時の写真なんかも見せてくれたり。
この写真(↓)は有名なクラブハシエンダの中。
 現在はアパートになってしまったので、当時の面影はありません。
でもここで、たくさんの有名バンドが演奏したそうです。

ただ、最初は人気がなかなかなでなくて、チケットも安かったそうです。
アパートの裏に回ると、ハシエンダに関する年表みたいなアートが。
 1982年5月21日にオープンしましたって。
 他にも有名アーティストの名前がずらり。
クレイグも、ここのDJ経験があるそうです。

ハシエンダというのは、普通は「農園」のことなんです。

1950年代くらいに、機能性を重視しすぎたものづくりや街づくりがヨーロッパで流行しました。
今では人気がなくなった、コンクリートの面白みのない建物とか、思い浮かべてください。
大衆主義、消費主義、スペクタクル・・・。
そういった動きに対抗する動きが、レタリストとかシチュエーショニストってよばれる人たち。

その考えの源になった著述のひとつが Ivan Chtcheglov の「新都市計画の処方」
英語のタイトル(原語はフランス語)は「Formulary for a New Urbanism」です。

その中で彼が、味気のない都市の対極に置いたのがハシエンダ。

the hacienda where the roots think of the child and where the wine is finished off with fables from an old almanac. That’s all over. You’ll never see the hacienda. It doesn’t exist.
で、この文の結びが
The hacienda must be built.
(ハシエンダは作られなくてはいけない)

ということで「大衆向けのレコードに対する」という意味で、ハシエンダが作られたそうです。

ちゃんと壁にも刻まれています。(写真をクリックすると大きくなります)
建築関係のツアーなどで、サイコジオグラフィーとかアーバニズムとかの話が出るのですが、
そういった時代の話です。

難しい話はその辺にして、 しばらく歩くとマンチェスターの歓楽街。
 古レコード屋さんなんかが並んでいる地域もありました。
マンチェスターのバンドのプレートが歩道にはめ込まれていたり。

このプレートはクレイグのバンドのものですって。
本物のミュージシャンに案内してもらえるなんて、とってもステキ。
音楽が好きなら是非どうぞ。
全く知らない私でもこれだけ楽しめたので、知ってるなら、もっともっと面白いはず。




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