2023年4月5日水曜日

イギリスの中途半端な税金年度

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今日、4月5日はイギリスでの税金年度の最終日です。
利子につく税金が免除される ISA のシステムにもこの年度が適応されます。
なので3月に入ると「まだ使っていない ISA 枠があるなら、年度が替わる前に投資しましょう」といった広告をよく見かけます。
今年度も来年度も、利用できる ISA 枠は大人ひとり年度あたり20000ポンドまで。


ところでこの税金年度、4月6日から4月5日まで、何て半端な日付だといつも思っていました。
別に忙しい12月31日に終わりにしなくてもいいけど、春がいいなら3月31日とか、もっとキリのいいタイミングにすればいいのに。

いったいどうして4月5日になったんだろう?
気にならない人もいるかもしれませんが、私は気になります。
以前ちょっと調べたことがあるので、ここにまとめておきますね。

現在私たちが使っているカレンダーはグレゴリオ暦という昔のローマの暦。
16世紀の後半に考案されました。


このグレゴリオ暦はカソリック世界にすぐ浸透したのですが、イギリスはその当時カソリックから独立して英国国教会をつくったチューダー時代。
なので、新しい暦を無視して古いユリウス暦を使い続けました。

ところが古い暦と新しい暦は既にスタートの時点で10日の開きがありました。
そして、イギリスがようやく重い腰を上げてグレゴリオ暦を導入することになった1752年には、さらに1日の誤差が追加されていました。

この11日間をどう処理するか…。
政治の腕の見せ所。

もともとイギリスでは1年を4つに分けて会計処理がされていました。
今でも月極ではなく、クォーターがよく使われます。
地代とか光熱費なんかもそう。

その1年の始まりはキリスト教にとって一番大切な日。

クリスマスじゃないですよ。

イースターでもありません。
イースターはその年で変動するので年の始めには不向きです。

じゃあいつかといえば…

3月25日です(キッパリ)

…は?
「何の日?」ってカンジですよね。

大天使ガブリエルがマリア様に受胎を告知した日です。
つまりキリストは神様の子供ってこと。

そこで1752年に9月を11日間減らして帳尻を合わせました。
なぜ9月かっていうのは3月から始まる年の真ん中だからでしょうね。
これは私の想像ですが、年の始めや終わりには無くなった感が強いから、真ん中から取ったってことだと思います。

ところが「11日減ったのに、税金はそのままか」という問題が起こります。
国の出納係からすれば、ややこしい計算をするよりももっと簡単な方法が魅力的。

単純に本来なら3月25日であるべき日を税金年度の終わりにして、翌年からもその日を年度末にしました。
それが4月4日というわけ。

1800年は、本来ならうるう年のはず。
がグレゴリオ暦ではそうでないのでさらに1日が加わります。
そこで税金年度が4月6日から4月5日に定着したというわけです。
なんにでも歴史があるイギリスだと実感しました(笑)

因みに日本の学校や会計の年度が4月1日始まりなのは、一説によると、会計制度の始まった明治時代にイギリスの影響を受けたというものがあります。
さすがに半端な日付までは真似しなかったようです。




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