このブログにも何回か書きましたが、私が住んでいるのは日本風にいうとマンション。
イギリスによくある、古い大きなおうちを改装して集合住宅にしたものではなくて、集合住宅として建てられたものです。
この国では集合住宅のことをフラットと言います。
フラットの玄関を入るとロビーの部分があるのですが、いつの間にかそこには住人がいらなくなった調度類が置かれていくようになりました。
その中でもひどいのが造花。
壁に掛けられている絵も、ソファーやテーブルも全く統一感がありません。
そして所狭しと安っぽい造花が安っぽい花器に入っているのです。
今から思えば写真を撮っておけばよかったなぁ。
イギリスは日本と似たようなところが多くて人間関係に波風を立てるのは好みません。
そこで、誰も表立って批判する人がいなかったのです。
だって、自分の好みに合わなくても、他の人は気に入っているかもしれないし、その人たちに「趣味が悪い」なんて言えませんからね。
ところが12月にあった定例の住人総会で、一部壊れた家具がロビーに置かれたことから話がすすんで、そこからロビーの美観がフラット全体の価格に影響するのではないかという流れになりました。
住人総会はフラットのテナントでも参加できるのですが、通常は持ち主しか参加していません。
そして物件の持ち主というのは、例外なく持ち物件の価格に関する話には敏感です。
既に予定されている屋根の修復やペンキ塗りなどのメンテナンスのついでに、ロビーの美観も考えたらどうかという話が、珍しいスピードで可決されました。
で実行委員としておうちのお隣C さんと、ティムちゃんがボランティアになりました。
大体の予算が1000~1500ポンドくらい。
テーマはこのフラットが建てられた時代のアールデコ。
ティムちゃんはファッションにはうるさいタイプ。
ティムちゃんはその日から毎日のようにオークションサイトや家具屋さんのサイトを調べる生活が続きました。
やっぱり辛いのは自分のお金じゃないってことかな。
すごく素敵な調度類はお金を出せばいくらでも手に入りますが、予算を無視するわけにもいかないし。
私にもどんなのがいいか聞いてきたので、私が探し出してきたのはこんなの!
ソファーとチェアの組み合わせ。
当然のことだけど、いいものは高い。
結局、東欧からアンティークを輸入している業者を見つけて、そのサイトでいい感じのチェアのセットをみつけました。
でも実際の家具を入れたらお部屋がどんな風になるか、気になるところ。
そこで桃太郎君にシュミレーションの写真を作ってもらいました。
丁度クリスマス休暇で帰ってきていたので、快く創ってくれた写真がこちら。
桃太郎君が大学でお勉強している内容が、似たような作業も含まれることは知っていましたが、実際にこんな風に仕上がった作品を見ると、すごいなぁって思います。
親ばかですね、ごめんなさい(笑)
C さんがイラストのカンバスと鉢植え、それからこの写真にはありませんが小さなサイドテーブルを購入してくれました。
先週末にとうとうすべて届いて設置したのがこの写真。
桃太郎君の仕事ぶり、悪くない。
殆ど実際とおんなじ。
正直なところ、以前よりずっと良くなったと思います。
でもこの椅子に座って時間を使う人はきっといない。
だって、真直ぐおうちに上がっていけばいいわけだし。
待合室じゃないんだから、コミュニティー誌とかを置くサイドテーブルだけでいいんじゃないかって私は思っています。
チェアを置く代わりに、床をきれいに張り替えて、観葉植物。
ティムちゃんとCさんの影の努力を知っているから何も言わないけど。
住人の何人かもそんな風に思っているのかもね。
このロビーでは、5分以内の立ち話にしか使いません。
そして、その会話のほとんどがお天気に関すること。
そして、口を切った人が寒いと言えば相手も同調します。
間違っても「そんなことはない」なんて言いません。
日本でもきっとそんな感じなのかなぁ。
イギリスと似ているところがたくさんある気がします。
いろんな国があって、それぞれの文化を持っているわけで。
移民が増えた国はもともとの文化を新しい人たちにわかってもらおうと大変。
イギリスでもヒースローに到着する人達用に新しい映像が用意されました。
ヒースローにようこそ(リンクします)
結構面白い。
イギリスのエチケットというのがテーマ。
多言語に翻訳もすればいいのにね。
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3 件のコメント:
集合住宅のロビーに椅子っておドイツでも見たことないです。
でも、ホテルみたいな落ち着いた感じにはなるかな?
桃太郎君の仕事っぷり、素晴らしいですね。昨年は末っ子に引き続きおねえちゃんも新しいアパートに引っ越したので、家具や家電を買うことが多かったのですが、特に家具の場合、お店でいいなと思っても、実際に部屋に置いてみたときにどんな感じにになるのかしっかりイメージできないと、あとで後悔することになるでしょ。返品もももちろん可能ですが、手間を考えたらこんな風にあらかじめビジュアル的に感じを掴める方がずっといいです。
Pharyさん、こんにちは。お店屋さんでは広い空間に置いてあるので、実際のお部屋に入れると大きすぎたり、いい色だと思っても他の調度類と色が会わなかったりこれまでたくさん失敗しました(笑)なので、桃太郎君のグラフィックをロビーに貼って他の住人にも見てもらったんです。みんなのお金なので、みんなの同意があった方がいいってティムちゃんが言うので。文句はでなかったけど、本文にも書いたようにイギリス人はあまり意見を言わないので、本当に気に入っているかどうかはビミョーです。
<イギリス人はあまり意見を言わない>
同じヨーロッパ人なのにおドイツとはずいぶん違いますね。こちらは雄弁は銀、沈黙は金なんて言いますが、みんな銀の方がいいと思っているかのようです。うちのだんな君なんか典型的。
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