日本からのお客様が、戸惑うイギリスの習慣のひとつは「チップ」だそうです。
「どこでいくらくらい払うべきなのか、わからない」
「慣れないので、煩わしい」
といった意見もよく聞きますし、極端な場合は「賛成できない制度だから、払いたくない」という人もいるようです。
今日は、イギリスのレストランで、いくらくらい払うかといったことを、実例を挙げて紹介したいと思います。
別に、「私が紹介する事例が正解だ」とか、
「そうしなければいけない」とかってわけじゃなくて、
あくまでも事例の紹介だって理解してくださいね。
本当に、ケースバイケースの習慣ですから。
食事が終わってお勘定の時に、イギリスでは「Bill Please」と言います。
すると、お勘定書きをテーブルまで持ってきてもらいます。
上から説明していきますね。
まずはキアンティーワインが1本、29.50ポンドです。
次はシェフのシェパーズパイ、単価が10.95ポンドを2つなので、21.90ポンドです。
野菜の付け合せも10.95ポンド。
で、合計すると、62.35ポンド。
その下に、税務署で使用される登録番号。
一番下には「サービスチャージは入っていません」とかかれています。
こういった場合は、10%から15%くらいをチップとして置きます。
現金で渡してもいいし、クレジットカードで支払う時に、上乗せした金額にすることも出来ます。
チップの領収書がほしいときは、お店の人に言うと用意してくれます。
カードに上乗せしたら、カード利用の控えはその金額になりますが、そういった控えは、厳密には領収書ではありません。
経費の精算などの際に、厳しいところでは領収書として扱ってくれないケースもあります。
具体的に、私なら、カードに乗せるんだったら、トータルで70ポンドでカードを切ってもらいます。
カードの機械によって、トータルの金額をお店の人が入れてくれるものと、チップの金額を自分で入れなくてはいけないものがあります。
現金で置く場合は、普通のサービスなら7ポンド、すごくいいサービスだったら10ポンド札を置きます。
10ポンド札しかなくって、そんなに置きたくない場合は、
「ちょっと細かくしてくれる?」って聞いて下さい。
普通はすぐに小銭を持ってきてくれますから心配しないで。
いったん渡して「おつりくれる?」よりもスマートです(笑)
サービスチャージの付いていないレストランで働く、ウェイティングスタッフのお給料は本当に低くて、チップというのは収入のかなりの割合を占めるそうです。
それがいいとか悪いとかっていうのは、別の次元の話。
実際はそうだという事実が存在するわけ。
私はよっぽどイヤなことがなければ、チップは普通に払います。
チップを払わなかったりするのは、「担当のウェイティングスタッフに、面と向かってきちんと文句が言えるだけの理由があるとき」に限ります。
面と向かって言うまでもない事なら、それほど大事ではない事と考えます。
これもレシートの例です。
10%割引してもらった後に、サービスチャージが12.5%加えられていて、トータルが、34.93ポンドです。
こんな風に、サービスチャージが付いていれば、チップを置く必要はありません。
また、サービスチャージの前にOPと書かれているのはオプションの略です。
だから、これは「付けてますけど、取ることもできますよ」っていう意味です。
「こういった理由で、サービスチャージを払いたくない」
理由があれば、お店側はキチンと対応してくれます。
サービスが本当に悪い場合は、付いているからっていう理由だけで払う必要はないと思います。
ただ、難癖をつけたり、あまりにも主観的な場合などは、個人的にはルール違反だと思います。
私はきちんと事情を言って、付いていたサービスチャージを取ってもらった事が何回かあります。
そして、それらのお店には、再訪はしていません。
逆にサービスチャージが付いていても、上乗せする場合もあります。
そういった時は、直接、あげたい人に現金をそっと渡します。
あげたい人をテーブルに呼んで、「ここがこうよかった」とかってコメントして、その時にさりげなく渡すのが一番簡単。
後で立つときにあげようと思っても、別のテーブルに忙しかったりして、渡しそびれることも多いからです。
このレシートの時は複数のウェイティングスタッフだったので、10ポンドテーブルに置いておきました。
いくら渡すかは、本当にその時しだい。
ただ、個人的に手渡しのときは、小銭はやめたほうがいいと思います。
理由は小銭は邪魔になる場合があるから。
だってお財布を持ち歩いてるわけじゃないから、入れる場所がないと困るでしょ。
ティムちゃんは、普段から気前のいいほう。
タクシーやレストランなどのチップは普通よりも多めだと思います。
でも、お金にいい加減というわけではなくって、納得のできないものには出しません。
実はティムちゃん、おとといのレストランのお勘定について、ちょっとしたトラブル。
数人で会食(会社の経費)だったのですが、お金を払う時にテーブルで支払いたくなかったので、バーカウンターに一人移動して、そこにお勘定書きを持ってきてもらったそうです。
習慣になっているので、まず、一番下を見ます。
合計金額が書かれているからです。
そして、普通はすぐその上を見て、サービスチャージが入っているかどうかをチェックします。
そこに、Gratuity(チップ)を書く欄があったので、お勘定書きを持ってきてくれた担当のウエイター君に「あれ、サービスチャージは入っていないの?」と聞いたそう。
そうしたら、返ってきた答えは「No, It's not included. (ええ、入っていません)」との答えでした。
そこで、ティムちゃん、「僕計算が苦手なんだよね。12-3%だったらいくらかな?」とその場にいたウエイター君やバーテンダーたちに会話を振ったそうです。
例のウエイター君が「75ポンドくらいだ」と言うので、「じゃあ75ポンド足して、精算してくれる?」という会話だったそう。
ウエイター君がカードを機械に通している間、
「すごいねぇ計算機もないのにパッと出てくるなんて、チップの計算って面倒だから、自動でつけちゃえばいいのに。」なんて会話を振ったそうですが、みんな目を伏せて何も言わなかったんですって。
テーブルに戻ったティムちゃんは、カードの手続きの後受け取ったのは、カードの控えだけで、領収書がないことに気がついて、別のウエイター君に、領収書持ってくるように頼みました。
レストランではそれでおしまい。
次の日(つまり昨日)の朝、領収書の明細をみてびっくり。
下がそのレシートの一部です。
右手の小さな丸の中を見ると、チップを2重に支払っているのがわかりますか?
12.5%の自動計算のものと、新たに足した75ポンドと。
最初私が考えたのは、
「ちゃんとチェックすれば防ぐことが出来るのに、慌てものだなぁ」ってこと。
レストランはホテルの中にあるので、きっと、合計の後、ウエイター君が知らないところで12.5%ついたんじゃないかな?ということ。
でもそうなると、75ポンドの根拠にした、合計金額が食い違います。
人を疑いたくはないけど、よく考えるとそのウエイター君が怪しいわけです。
で、レシートを見ると、ホテルの宿泊客がサインで飲食できるように、部屋番号などを書く欄の上に、確かにGratuityの欄があります。
これは、よくみないと、間違える人は多そう。
このレストランを勧めてくれた人にこの話をしたら、そのウエイターに聞いてくれたそうで、その答えにティムちゃんはもうカンカン。
「君のサービスがすごくよかったから、サービスが付いているのはわかっているけど、チップを弾むよと言われて、75ポンド足した」ですって。
ティムちゃんは、今日か明日にでも、そのレストランに行って、責任者と話をしてくると言っています。
「みきちゃん、僕が本当にいいサービスだと思ったら、個人的に現金のチップを渡したよ。
会社の経費に乗せるなんてケチな事はしないし、そういった個人的なことを経費で支払う人間だとまわりから思われても不思議はないって考えられたことに腹が立つ」
「レストラン側だって、そんな従業員がいることは把握すべきだ」と言うティムちゃんの意見に賛成です。
皆さんも、お勘定書きはちゃんとチェックしましょう。
この件も、きちんとチェックすれば、防ぐことが出来たと思います。
ま、ティムちゃんにはそうは言わないけど(笑)
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