2024年2月5日月曜日

鉄道が好きなら参加して!

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ロンドンの地下鉄にはいろんな秘密があります。

秘密は大げさ?かもしれない。
昔使っていたけれど、今はもう一般の人の目に触れなくなった部分とか、使わなくなってしまった駅とか。

そんな部分は映画やドラマの撮影に使われていることも多いです。

例えばオールドウィッチの駅。
私がロンドンに来た当時はピカデリー線の駅のひとつとして利用されていたのに、1993年に閉鎖されてしまいました。
でも、閉鎖される以前から、地下鉄が運行されていない週末などに撮影が行われていたりしたそうです。
そして閉鎖された後でも、撮影のためなどに、実際に動くことのできる地下鉄が設置されています。
映画では「V for Vendetta 」
ドラマでは「Sherlock S3 E1」などが有名かな。


今回紹介するのはロンドン交通博物館が主催するそんな秘密ツアーのひとつです。


まず集合場所はベイカーストリート駅前、シャーロックホームズの像。

そこで名前を確認されて、首からかけるビジター用のタグを受け取り、荷物検査と服装チェックの後出発です。
荷物検査は危険物を持っていないかどうか。
服装チェックは歩きやすい靴や動きやすい服を着ているかどうかのチェックです。

ひとつのツアーに係は3人。
そして、私が参加したツアーの参加者は12人でした。

このツアーは一般の人も参加できます。
が、私が参加したのはプライベートツアーで、プロフェッショナルガイド協会がアレンジした CPD の一環です。
CPD というのは専門職の人がライセンスを取った後も、それに甘えることなく継続して勉強を続けて切磋琢磨するためのプログラム。
ガイド協会だけでなく、ライセンスが必要な専門職の分野ではよく知られたコンセプト。



このブログでは、このツアー内容から興味深そうな部分を少し紹介したいと思います。


まず、世界最古の歴史を誇るロンドンの地下鉄ですが、オープンしたのは1863年。
ということで今年は161年目。
その一番古い駅のひとつがベイカーストリート駅というわけ。
元々はメトロポリタン鉄道という名前でした。
こちらがその路線図。
ロンドンの北西に伸びる路線が延長されて、そのエリアに住宅のデベロップメントが進みます。

通常、ロンドンの鉄道駅の上には乗客のためのホテルが建てられました。
でも郊外のメトロランド(メトロポリタン線上の新興住宅地)に呼応するように、ベイカーストリートの駅の上には高級フラット(マンション)が建てられました。
約200戸弱という、1930年代当時は最大の規模。
そして上階には使用人用のエリアも設けられたので、利便性はそのまま、使用人のスペースを自宅内に確保する必要もなかったそうです。

建物にはレストランも作られて、その広告は今でも駅構内で観ることができます。

はじめは汽車が走っていたこの路線。
工事はカット&カバーといわれる方法。
地下といっても浅いところを走っていましたから、自然光を取り入れたデザインです。
こちらは建設時のイラスト。
こちらが現在のプラットフォーム。

汽車ということは煙や水蒸気が出るわけで、通気口は重要でした。
こちらがベイカーストリートの通気口のひとつで、現在も換気口として利用されています。
その空調のために通路上に置かれた重い鉄の扉。
この角度を変えることで空気の流れを変えることができます。

こちらは深いプラットフォームから地上に続くエスカレーター。
天井に明り取りのガラスが並んでいますね。
これがそれを外から見たところ。
ガラスの汚れが目立ちます(笑)
奥の白い建物はチルターンコート。
始めに紹介した高級フラットの裏側。
表と裏でずいぶんデザインが違います。

フラットの地下にはメトロポリタン鉄道の社員のための施設などもあって、なんとライフル射場があったそうです。
設計図でも確認できます。
もちろん今はもう使われていません。
これが使われていた当時の写真。
何と1996年まで利用されていたそうです。

マジですか?
つい最近なので、聞き違いかと思って質問してしまいました。

ダンブレインの事件(リンクします)の後、銃の利用についての見直しがあって閉鎖されたそうです。

ベイカーストリートの駅以外にも、いろんなツアーがあるそうなので、歴史や鉄道、交通機関に興味があればとても楽しめるツアーです。






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