2017年9月5日火曜日

観光地のウソとホント、カラスの話は都市伝説だった~!!

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ロンドンの観光名所の一つ、ロンドン塔。
 こんなにきれいに晴れていると、全然怖くないですね!
どんより曇った日に観るのとは、全く印象が異なります。

この間、ここで行われた面白いレクチャーに参加しました。
興味深い内容だったので、ブログで紹介します。

ここでカラスが飼われているのは、よく知られた事実。

普通のカラスではなくて、Raven(大ガラス)という種類です。

このカラスたちのための檻がロンドン塔の敷地内に置かれています。
ホワイトタワーのすぐそば。
檻の中はこんな感じ。
 空っぽです。
なぜかと言えば、放し飼いだから。

今日はこんなところに!!
 あ、こっちにも!
 夜になると檻に戻ってきて、ご飯を食べて眠りにつきます。

1羽だけ、全然違う場所にいる。
クイーンズハウスのそば。
 小さな檻でしょう?
ここはマリーナというカラスの場所。
マリーナは元は男の子だと思われていて、マーリンという名前でした。
でもロンドン動物園の専門家が女の子だと判定して、それ以来マリーナと名前を変えました。

大ガラスは、だいたい人間の4歳児くらいの知能を持っているそうです。
カップルになると、一生添い遂げるらしい。

寿命は20年から25年。

現在ロンドン塔で飼われている大ガラスの最年長はムーニー。
23歳の未亡人。
最近若いツバメのロキと一緒に住んでいます。
鳥のツバメじゃないですよ(笑)
どこに行くにも一緒で、仲がいいそうです。
上の写真で2羽一緒なのがそう。

こちらは剥製の大ガラスで、ブラックジャックという名前。
ウエリントン公が亡くなった時にプレゼントされたという話が伝わっているそうだけど、実際は謎だそうです。

昔は飼っていたペットが亡くなると、剥製にする習慣があったんですって。
チャールズ・ディッケンズが、3羽の大ガラスを飼っていたそうで、その1羽ではないかとレイヴェンマスターが話してくれました。

レイヴェンマスターはロンドン塔に住んでいる管理人、ヨーマンウォーダーの役職の一つです。
制服を着た、管理人さん。
袖のところにカラスのワッペンが入っているのが目印。
世界で一つの職業です。
彼の名前はクリスさん。
ツイッターやFacebookで大ガラスの情報を発信しています。


 今回いろんな話を聞いた中で、一番興味深かったのは、ロンドン塔にまつわる伝説。

聞いたことがある人も多いかと思います。
「ロンドン塔からカラスがいなくなったら、この王国は滅びる」

私がこの話をお客様にするときには、「伝説」だとお話していますが、ガイドブックやその他の本にはいろいろなことが書かれています。

チャールズ2世がロンドン塔で6羽の大カラスを飼うように法で定めた、なんてものも読んだことがあります。

実際はそういった記録はありません。

そして、何とヴィクトリア時代まで、カラスとロンドン塔には何のコネクションもないそうです。

ヴィクトリア時代になって、急に浮上した伝説らしいです。
こんなに有名な話なのに、都市伝説だったの???

時代はゴシックのリバイバル。
ポーの詩も有名ですよね。
大カラスに人気があった時代。
なので、ペットにしていたのはディケンズやロンドン塔だけではなかったのでは?


これ、絵葉書なんですけれど、1883年のもの。
 これが一番古いカラスとロンドン塔のコネクションだと聞いて、すごくびっくり。

これ、ビーチャムタワーの前です。
ヨーマンウォーダーさんも登場。

同じ場所で写真を撮ってみました。
木が大きくなってる!!
130年前だしね(笑)

実際にカラスを飼育するようになったのは1947年からだそう。

お堀の脇に、小さなお墓があります。
壁のすぐ横。
 大きくしてみますね。
ここのカラス、死因がはっきりしている場合は、敷地内に埋めることが許可されるそうです。
だけど、そうではない場合、解剖されたり学生たちの資料になったりするので、ロンドン塔には戻ってこないそう。

2013年には女王様にプレゼントされたジュビリーという大カラスがきつねに殺されてしまうといった事件がありました。

死因がはっきりしているので、死体解剖は免れたそうです。
でもどこに埋められたのかは教えてもらえませんでした。
多分、お堀のどこかというヒントはもらえましたけどね。

クリスさんをはじめ、たくさんのヨーマンウォーダーさんたちがロンドン塔を守っています。
多分カラスがいなくなっても大丈夫じゃないかなぁ?

ちなみに、クリスさんは来年大カラスに関する本を出版する予定だそうです。
楽しみ!


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