「特別展示」という名目で、別室に集めてしまう方法もあります。
でも私はこんな風にトレイルで廻るほうが好き。
でも私はこんな風にトレイルで廻るほうが好き。
なぜかというと、普段の展示室にそのまま置くことによって、
当然その周りの展示にも、自然に目を向けることになるからです。
でもこの「円盤投げ」は、博物館中央のグレートコートに移されて、存在感バッチリ。
1948年のロンドンオリンピックでは、この像がモチーフになったポスターが制作されました。
去年は大英博物館ギリシャ展で、東京でも見ることができました。
ギリシャの有名な彫刻家、ミュロンの作ったブロンズ像が元になっています。ということで、これはミュロンが作ったわけではなく、ローマ時代のコピーだそうです。
美少年とギリシャ文化が大好きだったローマ皇帝ハドリアヌスの別荘跡地でみつかりました。
同じく美少年好きだったティベリウス帝が、カプリの別荘に美少年たちをはべらせたのとは大違いで、ハドリアヌスはただ1人の美少年を寵愛したそうです。
でもこの像が、その少年アンティノウスだというわけではありません。
この像は純粋に、肉体の美しさを現すために作られました。
オリンピックが始まったギリシャには、男性の肉体の美しさを讃える文化があったのです。
それにしても、この像、首が替えられているそうです。
円盤の方を向いているべきなんですが、右足元を見ていますよね。
円盤投げは人気のあった競技で、ギリシャの祭典では「ペンタスロン(現在、近代五種とよばれる競技の原型)」の最初の種目でした。
円盤投げ以外にも、槍投げや幅跳び、競争なども含まれます。
オリンピックと書かずに祭典と書いたのは、オリンピック(オリンピアの祭典)以外にもたくさんの祭典があったからです。
オリンピアではゼウス神のための祭典。
このブロンズ像はオリンピア神殿に祭られていたゼウスの像が基になっていて、やはり、ローマ時代のコピー。
左はシールストーンとよばれる物で、蝋などのやわらかい素材に押し付けて、浮き彫りを出すためのものです。
こうしてみると何だかわかりませんが、説明のところに再現図があります。
勝利の女神ニケが、優勝者に冠を授けている場面。
ちなみにニケというのは英語では「ナイキ」と発音する人が殆ど。
そう、有名なスポーツのブランドです。
じゃあ説明のところにあった写真を載せておきます。
このニケの像も同じケース内にありました。
同じ部屋(69号室)なんだけど反対の壁で見つけた小さな像。
こういうの好きだなぁ。
スカートで女性ってわかるでしょう?
走りながら、後ろを振り向いています。
追いつかれないか、どれくらい引き離しているのか、そんなチェック?
オリンピックはもちろん、その他の祭典も、女性の参加は禁止しているものが殆ど。
でも彼女は走っています。
おそらく女神ヘラのための祭典(場所はオリンピアで、開催年がオリンピックとは違うもの)模様を像にしたと考えられています。
2500年ほど前の作品。
これは、パンクラションの様子。
パンクラションは競技の名前です。
何をしてもいいから相手を打ち負かすという競技(笑)
でも噛んだり、目を突くのはルール違反です。
だから、目を突いちゃいけないんだってば(笑)
チャリオットの壷もあります。
こういった壷類は勝利者への贈り物にされました。
また、勝利の像を作ってもらうときもあります。
この人はチャリオット競技で優勝したそうです。
シチリアのモトヤ(北西のつきあたり部分)というところで見つかったもの。
チャリオットは危険な競技なので、選手は雇われることが多かったのです。
そこでチャリオットの持ち主と選手が異なる場合もありました。
何と優勝者として讃えられるのは、選手じゃなくて、持ち主。
この像はその体の線を見て、ただの持ち主ではなかったことがわかります。
ちゃんとチャリオット用のチュニックも着ているし、胸当ても着けている。
パルテノン神殿の彫刻が飾られている部屋に展示されていました。
汗でチュニックが身体にまとわりつくようなのが、とっても写実的。
特に背中からおしり、そして腿にかけての部分。
この展示はいつまでやっているのかどこにも載っていませんでした。
なるべく早い目にどうぞ。
おまけ。
大英博物館の北側は、観光で来るグループのバスが駐車できるようになっているのですが、オリンピック中はメディア関係の人達がこの辺りに多く泊まっているので、何と道路の一部が封鎖。
バスも停められません。どうすればいいのか右往左往している観光バスを多く見かけました。
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