2007年3月12日月曜日
知られざるモネ展
ロイヤルアカデミーオブアーツ(王立美術学院)では年中いろんな展覧会が開かれていますが、3月17日から6月10日まで「知られざるモネ」というタイトルで展覧会が開かれます。
前回「モネ展」を開いたときはかなりの反響で長蛇の列がピカデりー通りにできたのを覚えています。
今回は前回取り上げることのなかった彼のデッサンやパステル画を中心にコンピューターなども駆使しての展示になるようです。
約100年前のものですから取り扱いには慎重にならざるを得ないということで、最近ではこれらの繊細なアートをデジタル表示することによって広く一般の方たちが楽しめるようになりました。
日本からのお客様をご案内させていただいている時によくいただく質問に「ガイドさん、これ本物?」というのがあります。
日本で博物館や美術館というのは「催し物」という部類に属する気がします。
「さあさあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい、あの有名な***が出てますよー。見ないと一生の損!!」
日本からのお客様は数を見ることに情熱を傾けます。
何カ国を旅行したことがあるとか、大英博物館でいくつ作品を見たとか、私はこんな方たちを「チェックリスト旅行者」と呼んでいます。
一覧表になった展示物のリストに「見学済み」の印をつけているような・・・。
限られた一生の中でどれだけのものを見るか、でもその中で印象に残るのは一体幾つでしょうか。
大英博物館を例にとると私はいつもレプリカでのご案内をガイドの中に含めます。
それはキュレイターと呼ばれる人たちが展示の上で重要だと思っている箇所にレプリカを配置しているからです。
ものを見るときにそのものの背景に何が潜んでいるか、どうしてそうなったのか、深く作品を楽しむためにはバックグラウンドの理解が必要です。
通常そういったものはあまり表に出る機会がないのですが今回の「知られざるモネ展」はそこに焦点をあてているようです。
有名な作品というわけではなく、中には彼の本物のデッサンでもないコンピューターによるコピー、この展示をどれだけ楽しめるかというのは、あなたがどれほどモネの作品を、ただ見るだけではなく深く理解したいのかにかかっています。
http://www.royalacademy.org.uk/ra-magazine/spring2007/features/
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