この作品は、テイト美術館の「絵葉書売り上げナンバーワン」だと聞いたことがあります。
どこで、誰から聞いた話だったか、すっかり忘れましたから、正確な情報ではありません。
それでもそう言われると、納得してしまいます。
確かに絵葉書もステキですが、実物にはかないません。
ラファエル前派の絵画は、その場に足を運んでみないと、良さがわかりにくいと思います。
もちろん、全ての絵画がそうですが、特に。
ラファエル前派というのは、イギリスで起こった、アートの動きのひとつです。
時代は工業化が進む、ヴィクトリア時代。
イギリスのアカデミーでは、簡単に言うと「伝統的な絵」がお手本になっていました。
ぼかした風景だとか、暗い色調だとか。
それに真っ向から反対したのが、まだ若い画家のグループ「ラファエル前派」です。
「ラファエル」は、もちろん、あの巨匠のラファエルです。
ラファエル前派が目指したのは、ラファエルがでてくる前の、中世の芸術です。
フレスコや祭壇画などのはっきりした線、色鮮やかさ、シンボル。
例えば、国立美術館の、セインツブリー館に展示されているような絵画のことです。
彼らは、カンヴァスを白く下塗りしました。
そのために、上に乗せた色はより鮮やかに見えます。
入念に下調べをして、正確さに気をつけました。
衣装や髪型の考証などのために、大英博物館にも通いました。
また、屋外のスケッチに長い時間も費やしました。
ハントなんて、背景の為だけに、わざわざ死海まで旅行をしています。
彼らがモデルに使ったのは、自分たちの友人や家族。
モデルを専門にしている人たちではなくて、本物の人間。
絵画の中に、現実味を持たせるための、試みの一つです。
絵画の中に、現実味を持たせるための、試みの一つです。
また、初期の彼らは、自分たちの主義主張を体現するために絵を描きました。
注文主の希望を描く、注文制作ではないのです。
描きたいものを描いて、売れればそれでよし。
そんなスタンスです。
現在で言えば、学生時代のバンドみたいなものかもしれません。
大人になるにつれて、主義があわなかったり、いざこざが生まれたり。
そして、解散になってしまうところも同じ。
ラファエル前派の主なメンバーは、
ウイリアム・ハント、ジョン・ミレー、ロゼッティー、バーン・ジョーンズ、ウイリアム・モリスの5人。
ウイリアム・ハント、ジョン・ミレー、ロゼッティー、バーン・ジョーンズ、ウイリアム・モリスの5人。
この5人以外にも、付かず離れずといったメンバーもいます。
以下のおすすめはテイト所蔵なので、この特別展示が終わっても観ることができます。
人気のある作品なので、解説は近いうちに書きます(笑)
人気のある作品なので、解説は近いうちに書きます(笑)
オフィーリア(ミレー)
家族の家にいるキリスト(ミレー)
V&Aにあるもの
国外だけど、機会があったら是非
この作品は13年1月までテイトで観ることができます。
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