リースの延長に関する話の続きです。
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1月の末までに、私はかなりの文献や過去例を漁って、リース延長やフリーホールド買収のことを勉強しました。
リースホールドの欠点は、(当たり前のことですが)リースに期限があるということです。
イギリスでは80年をきったリースは少しずつ価値が落ちてきます。
そしてリース延長のためのプレミアム(フリーホールダーに対する支払い)はリース期間が80年をきると急激に高くなります。
これは80年以上のリースを持っているリースホールダーが、リースを延長する場合に免除される、フリーホールダーの「次にこのリースを売るときの利益」が計算に含まれるようになるためです。
もうひとつ重要な事実は、80年以下のリースの物件は、住宅ローンの担保にならない場合が多いことです。
イギリスで取引される不動産は、新規購入や買い替えも含めて、殆どがモーゲージと呼ばれる住宅ローンによって購入されます。
モーゲージとは、簡単にいえば、物件を担保にしたローンのことです。
ですから担保にならない物件は、その金額を現金で出せる人たちしか買えないという事になるわけです。
つまりリースの短い物件は、買い替えの時に非常に不利な条件が揃います。
私たちのフラットは86年のリースが残っています。
まだ数年あるにしても、私たちも行動を起こす必要があるわけです。
リース延長の手続きは、簡単に書くと次の6段階です。
1、バリュアーに査定をしてもらって、プレミアム価格を設定する。
2、「テナント・ノーティス」と呼ばれる法的なリース延長申請の書類をフリーホールダーに提出する。
3、フリーホールダーの返事「カウンター・ノーティス」を待つ。
4、「テナント・ノーティス」と「カウンター・ノーティス」に差額があれば話し合う。
5、合意できない場合は、専門の裁判所に持ち込んで判決を仰ぐ。
6、合意できた金額を支払って、法的に認められた書類にサインをする。
リースを延長するのにかかる費用は、
1、弁護士の費用 これは弁護士が法的に認められている書類などを作成したりするためで、ことがスムーズに運べば、相場は2000ポンドくらいです。
ただし、もし裁判所に問題を持ち込むことになれば、3500ポンドから、というのが相場のようです。
2、バリュアーの費用 これは物件を査定して、その価値からプレミアムを計算してくれる人です。そしてフリーホールダー側のバリュアーとの交渉も担当します。各社から見積もりを取りましたが、200ポンドから2000ポンドとかなりの幅があるようです。
3、「テナント・ノーティス」を出した時点で、リースホールダーは「フリーホールダーが必要な、バリュアーと弁護士の費用を負担する」という義務が生じます。彼らは自分たちが負担するわけではないので、金額をいとわずに雇う場合も考えられます。
4、プレミアムの金額。これは不動産の価値とフリーホールダーに払っている地代、リースの残りの年数などから計算されます。
当然のことながら、リースホールダーは安く、フリーホールダーは高く算定します。
私たちのリース延長(90年)のプレミアムは、安くて6000ポンド、高くても8000ポンド位だろうと、私たちのバリュアーによって計算されました。
計算してみたい人は簡単な計算パッドがオンラインであります。
サイトはこちらから。
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