2008年5月7日水曜日

フラットのリース

少し前に記事にした、フリーホールドとリースホールドの話の続きです。
この記事は旅行でイギリスに来られる方とか、短期でフラットを賃貸する方にはあまり関係のない話かもしれませんが、リース契約のフラットを購入予定の方には、とても参考になる実例だと思います。

私たちの住んでいるフラットには、住人で構成されている「レジデンス・アソシエーション(Resident Association)」があります。
レジデンスアソシエーションは年に一回総会を開いて、色々な取り決めを決議にかけます。
でもそれでは間があきすぎるし身動きもとりにくいので、実際の細かなことは(立候補や推薦で選ばれた)数人のコミティーメンバーが、必要に応じて小さなミーティングを開いて進めていきます。

前の記事で触れたように、リース契約のフラットにはフリーホールダーと呼ばれる大家がいます。
ロンドンのリース物件の大家は、貴族か、大会社か、もしくは女王様が大半を占めています。
私たちの場合は「F(ホントの名前は勿論もっと長いです)」という大会社です。
そして管理メンテナンスをしているのは「H」というサービス会社です。
このサービス会社が、住所も構成も同じ人間の「M」という会社を作って、そこが大家のサポートをしています。
この会社「M」には英語でHead Lesseという肩書きがついていて、私たちリースホールダーが払う地代の一部はこの会社の収入になります。
地代はリース契約時に決定しています。
管理費は定額の部分に加えて、修繕費などの臨時費用が追加請求されます。
私たちは3ヶ月に1度「H」から請求書を受け取って、地代と管理費を支払います。
イギリスでは3ヶ月に一度、つまり4分の1年ということで、クウォータードビル(Quartered Bill)と呼びます。
電話やガス、電気代などはクウォーターで支払うのが伝統ですが、最近では月払い(Monthly Bill)も増えてきたようです。

フラットによっては、住居部分の他に店舗になっている部分もあって、普通は商業用のスペースのリースは15年以下というケースが殆どです。
つまり大家にはそのサイクルに応じた、まとまった収入が定期的に入ります。
商業店舗のリースは、回転も早いし金額も高くなるので、大家にとってはとても大切な部分です。
フラットのお金の流れはこんな感じです。



数年前からティムちゃんと私は、リースが年々短くなるので「みんなでリースを延長したらどうか」とレジデンスアソシエーションで提案していましたが、誰も本気で取り掛かろうとはしませんでした。
リースを延長するには弁護士(Solicitor)や専門の査定人(Chartered Surveyor)を雇わなくてはいけませんし、リース代にどれくらいかかるかも気になるところです。
私たちの住んでいるフラットは現時点(90年をきったリース状況)で広さにもよりますが、35万ポンドから45万ポンドくらいの値段が付いています。
一番小さなフラットはバルコニー付きの1ベッド。
これは主寝室、リビングルーム、ダイニングルーム、バスルーム、キッチンがそれぞれひとつずつといった造りです。
一番大きなフラットはイギリスで「3ベッド」と呼ばれるタイプで、上のものに更に2つ寝室が加わります。

2006年のの12月のAGM(レジデンスアソシエーションの年次総会)では「どれくらいのコストがかかりそうで、どのような手続きになるかコミティーメンバーが調べること」という決議がなされました。
2007年の夏に私たちのところにも事務的な資料なんかが送られてきたのですが、ざっと目を通しただけで行動には出ませんでした。
仕事のスピードというのは、勿論その人によって差はありますが、やっぱりお国柄もあるようです。
イギリスは日本に比べると、とっても遅いと思います。
そしてその理由が、急ぐ必要に迫られないから、というものだと思います。
というか、そう勝手に判断しているという感じです。

ティムちゃんと私は今、去年の夏に何もしなかったことをすごく後悔しています。

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