2007年9月14日金曜日

王立美術学院


退屈しのぎにロンドンに行くことにしました。
物価高で悪口ばかり並べられてしまうロンドンですが、いいところもたくさんあります。
そのひとつが美術館や博物館の豊富さ。
どこかで何か必ず世界級の催し物をやっています。
ほとんどの特別展は有料ですが、一般のギャラリーは無料です。
この秋は並んでも見に行きたい展示が目白押しでとても楽しみです。
今日足を運んだのは王立美術学院。
中庭の銅像は初代の会長ジョシュアレイノルズです。
ピカデりー通りの雑踏から門をくぐるだけでカルチャーな気分にさせてくれる場所です。
9月の終わりまでここで「海辺の印象派」という展示をやっています。
正面から入って階段を上がると、あれ?奥のドアは閉まっていて手前でガイドブックなんかを売っています。
どこで展示なんだろう?と思ったら、上の階でした。
19世紀というのは海辺がリゾート地になった時代です。
鉄道の発達に伴ってイギリスの南海岸やフランスのノルマンディーにたくさんの「観光客」がやってきました。展示されていた絵は主に二つの派に分かれていて、そんな観光客やホテルなど俗っぽいものを扱っているものと、景観のみを主題にしているものと。
面白かったのはいくつかの作品が対になっていて、例えば「潮がひいている時と満ちている時」とか、「同じ海岸に集まっている上流階級の人と、そこに住んでいる労働者階級の人」といった感じです。
普段はまったく別の国のギャラリーに掛けられている絵が同じテーマということで集められているのは壮観です。
インターネットが発達して、最近ではどんな作品も画面上に呼び出すことが可能になりました。
そこでただ作品を展示するだけではなく、何と何を並べるか、という「展示の効果」に焦点をあてるものが多くなりました。
少し前にここでやっていた「知られざるモネ」も奥の深い展示でした。
私が博物館や美術館をガイドする時にも一番気を使うのが「見せる順番」です。
これを変えるだけでまったく違った印象を与えることが可能になります。
http://www.royalacademy.org.uk/exhibitions/impressionists/

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