今回はなんだかパブの名前みたいなタイトルですが、秋といえば英国は狩猟のシーズンでした。
最近では都会の狐狩り反対派と、田舎の賛成派との対立の為に新聞を賑わせることもある話題ですが、ここでは狩猟が関係していた、面白い英語の言い回しに焦点を当てて見ましょう。
英語で「おびき寄せる」とか「間違った情報で相手を惑わせる」ということにRed Herring(赤い鯡-燻製のにしん) という言葉を使います。
猟犬を訓練するのには大変な時間と経験が必要なんですが、獲物を追って森の中を駆け回る、この犬の嗅覚のトレーニングに鯡が使われたそうです。特に燻製の鯡はにおいが強いために、狐の通り道にこれをばら撒いておくと、犬はどの匂いを追いかけるべきか混乱してしまいます。訓練を積み重ねることで、そのうち鯡の匂いを無視できるようになるそうですが、初めのうちはどの犬も間違った方向に向かわされてしまいます。
というわけで「Following Red Herring」偽の情報を追いかけて成果が上がらない、となるわけです。
シャーロックホームズが潜伏調査をするときに、この言い回しが出てきます。またアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」の中にもドクターが溺死体で発見されるときのプロットがこれに当たります。
秋が深まるにつれて長くなる夜に、読書でもいかがですか?
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