今日はお昼に秋の予算演説がある予定です。
いつもよりずいぶんと時期が遅いです。
普通は10月中に秋の予算演説があるので、例年と比べると1か月ほど遅い発表となります。
現在のイギリスの大蔵大臣はレイチェル・リーブスという女性です。
イングランド銀行やイギリスの大手銀行グループといった経済界で活躍してきた背景を前面に押し出した履歴書の中身がかなり誇張されているといった一部の批判から、最近では「Rachel from accounts(アカウント課のレイチェル)」というあだ名で呼ばれることがあります。
他には「Rachel Thieves(泥棒のレイチェル)」とかもある。
両方とも労働党に反対する人たちの間でのあだ名ですから、イギリス人がみんなそう呼んでいるわけではありません。
泥棒のレイチェルに比べたらアカウント課のレイチェルの方がマシだと思いますか?
これが結構ひどいあだ名なんです。
銀行アナリストとかの専門職ではなくて、会社の会計部門で簡単な仕事をしている職員といった響き。
特に大手銀行ではカスタマーサービスの部門にいたということで、経済のことはわかっていないという示唆も含まれているからです。
もちろん本当に彼女がこの重荷を背負うだけの度量があるかどうかは時が経ってみないとわかりません。
でも今回の予算演説はいろいろな増税を危惧している人たちが多いのは事実。
特にミドルクラスや年金生活者、高額所得者といった、普段から労働党が搾取のターゲット(笑)にしている層からは恐れられているのです。
実際にロンドンの住宅価格はこの1年で2%弱下がっています。
特に高額な住宅が多い旧市街地では15%、ケンジントンチェルシー区では11.3%も下がっているそうです。
税金がかけられる前に売りたい持ち主はいるのに、経済的な先行きがわからないから大きな買い物はしたくないという買い手不足がそのままマ-ケットに反映されています。
これ、日本の人に言うとびっくりされることのひとつなんですが、実はイギリスには固定資産税がありません。
家にかかる税金といえば、地方税の一種でカウンシルタックスという税金があって、これが物件の広さや場所によって金額が変わる仕組み。
このカウンシルタックスは地方自治体の収入になります。
以前、地方自治体がどんなことをしているか紹介したことがありましたよね?
今期の予算演説でその辺りの改正や高額な物件に対する税金なども盛り込まれると思われています。
無税で積み立てができる預金口座の上限(現在は1年あたり2万ポンド、約400万円まで)が下げられるという噂もあるし、節税に役立つ個人年金への振り込みの額(現在は1年あたり6万ポンド、約1200万円)も減らされるようだし、一生懸命努力してお給料が高くなってもいいことないみたいな風潮にならなければいいけど。
既に雇用者側が支払う社会保険費なども値上がりしているうえに、今回の予算では最低賃金も上がるようですから中小企業は雇用を控えざるを得ないということで失業率も上がりそう。
やっていけなくなる会社も出てくるんじゃないかと心配です。
そうなると福祉にお金が(更に)かかるようになるので逆効果だと思う人も多いようです。
ということで今日はお昼からテレビの前を離れない予定。
色々なテレビ局で予算演説のための特番が組まれていますから、普段政治に興味が薄い人たちも今日くらいは政治的になるかもしれませんね。
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