2025年11月24日月曜日

天才とテディーベア


この間、第二次世界大戦時のエニグマの解読基地だったブレッチリー・パークを訪れました。

ロンドンからはユーストン発の列車で30分強といった距離です。
各駅停車だと1時間くらいかかってしまうので、どの列車が早く着くのかチェックした方がいい。
こちら、ブレッチリーの鉄道駅。
エキナカに子供が描いたようこその標示。

駅を出ると徒歩数分で標が見えてきます。
結構地味な建物に国旗がかかっています。
中に入るとかなり広い。
昔のお屋敷+庭園がブレッチリー・パークになりました。

そしてこれが昔のお屋敷部分。
ブレッチリー・パーク内ではマナーハウスとよばれています。
このお屋敷の前に噴水がある池があって、戦時中たくさんの人たちがここで働いていた時にはオアシスのような存在だったそうです。
ベンチやピクニックエリアがあります。
ベンチにはいろんな記念碑が入っているのが、イギリスらしい。
ここから見える景色を楽しんだ人たちの名前が刻んであったりします。
In Memoriam  
Elsie Joyce Mary Fawcett 1926 - 2012  
WRNS 93641  
Served here in the Newnham 1944 - 1945  
Mum to Liz
1944年から1945年までここで働いていたエルシー・フォーセットさんの記念。

このマナーハウス含め、戦時中に使われていた場所がそのまま博物館になっています。
建物の入り口にはグリフィンが飾られています。

ここで働いていた有名な人といえばアラン・チューリン。
映画「イミテーションゲーム」でベネディクト・カンバーバッチが演じた人です。

エニグマの解読とか、AIの元祖とか、もう難しいことが好きならたっぷり楽しめる場所なんですが、私に一番ぐっと来たのはこのクマちゃん。
アラン・チューリンのテディーベア「ポーギー君」
人前が苦手だった彼がこのポーギー君を練習台にしてレクチャーの練習をしたんですって。

彼の5歳になる姪があるクリスマスにお母さんからお手製のスカートをプレゼントされたそうです。
青いチェック柄に肩紐と赤いボタンのスカート。
翌朝彼女が驚いたことにポーギー君もおそろいのズボンを着ていてアランのユーモアにほほえましく思ったそう。
ポーギー君はそれ以来ずっとそのズボンを身に着けているんですって。

彼はその当時は犯罪だった同性愛の罪で摘発されて収監よりも薬での治療を選びました。
でもその後服毒自殺をしてこの世を去っています。

時代が違ったらもっと多くの功績を治めたことは疑いない天才。
今、イギリスの最高額紙幣50ポンド札には彼の肖像が含まれています。
英国銀行のウェブサイトでもっと詳しくお札のことを知ることができます(リンクします)

ブレッチリーパーク、ロンドン中心地から簡単にアクセスできるので是非どうぞ。
AIのコーナーとかも面白かったし、詳しく観るのには時間が必要。
3時間くらいは見ておいた方がいいです。



イギリスの観光ガイドはライセンス制です。ご予約の際は英国政府公認ブルーバッジガイドを雇用しましょう。(リンクします)





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