2013年8月14日水曜日

寄付の金額

観光ではなく、イギリスに視察のために来られるお客様もたくさんいます。

私が一番よくお供をさせていただくのは、リテール関係かな?
スーパーマーケットやデパート、モールなどの最近の傾向とか?

次に建築関係。
イギリスは伝統的な建築も多いのですが、最新のステキな建物も多いのです。
ロンドンは最近建築ブームで、あちこちで工事現場を見ます。

建築と同じくらい多いのが医療関係。
病院とか薬局とか、または、ケアの新しいコンセプトの視察。

お客様が既にアポイントメントを取っている場合も、私がアレンジする場合もあります。
旅行会社から仕事を請ける場合は、普通予約済み。
でも私に直接連絡が来る場合は、そういったアポのアレンジもお手伝いしています。

その相手が商業ベースの時は何も言いません。
が、チャリティー機関が相手の時は、私は寄付のご案内をします。

様々なチャリティーがそれぞれの機関を運営しているわけですが、やはりネックは資金調達。
イベントを立ち上げたり、広告をうったり、いろんな工夫がされています。

最近イギリスでは、ただ単に寄付をお願いしますといった広告が減りました。
そうではなく、具体例を挙げるようになったのです。

例えば「いくら出してくれたら、それがどんなものに役立ちます」みたいな。
マラリア撲滅を謳っているんだったら「xxポンドで蚊帳が一つ買えます」といった具合。

先日、あるお客さまからの依頼で、イギリスの有名ながん患者のケア施設の見学希望がありました。
予定のチャリティー機関は、メールで打診したら、訪問を断られました。
「忙しいから」というのが理由です。
はっきり言って、日本人が行きたいところはどこも忙しいです。
特定の分野で、実績を出している施設は世界中からいろんな人が訪問を望んでいる場合が多いのです。
特にチャリティーで運営されているところは、訪問者の相手をする時間はもったいない。

ずいぶん前の話ですが、
「わざわざ日本から来ているのに、会ってくれないのは失礼だ」と言われた事がありました。
「日本なら、客が来たら相手をするのが礼儀」って言われましたが、さすがにその時ははっきり意見しました。
「あなたに時間を割くことで、このチャリティー機関がどんな得をすると思っているんですか?」
損とか得っていうのははっきり言いすぎだけど、でも実際はそうです。
日本では「客」っていう言葉をよく使うけど、本当に客である場合は少ない気がします。
敷居をまたいだだけで「客」って言い方をするけど本当にそうかな?


イギリスのチャリティーは本当に資金調達がネック。
お給料が支払われているスタッフよりも、ボランティアの数が多いこともしばしば。
だから、訪問のアポイントメントが取りにくい時は、資金調達の部門から連絡すると意外にスムーズにアレンジできたりします。
今回はそれほど時間がなかったので、直接出向いて所長さんにアピールしましたけどね(笑)

寄付の件もこちらから切り出します。
いくら出したらどんな役に立ちますか?みたいなりリストが必ず用意してあります。
見学予定のところは最高額の寄付に400万ポンド(約6億円ちょっと)って出ていました。
新しいセンターの建築費用がそれくらいになるそうです。

お客様からは、寄付の額の参考を聞かせて欲しいといわれることが多いです。
もちろんこういった金額は、お客様のお財布の厚みによります。
その人に負担にならない程度で、できるだけ多くってカンジかなぁ。
でもそう言われると、困っちゃうでしょう?
私は基本、相手が損しないような額というのを目安にしています。
例えば、訪問の時間が約1時間なら、施設の運営費の1時間分を寄付の目安にといった具合。
例えば今回なら300ポンド、約5万円。

イギリスでは出せる人が出して、出せない人は気にしないといった文化が根付いています。
だから、出せる人はどれくらい出すべきかっていうのが何となく分かります。
でも日本ではそういった感覚を身につける機会がないかも。
ま、そのために現地ガイドが必要なんですけどね(笑)




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