2010年12月23日木曜日

パントマイム

私は世界で一番自由な国はイギリスだと思います。
この国で起こる色々な出来事を、他の国と比較してみると、善い悪いは全然別のレベルだとしても、自由な国だと思うことがしばしば。
誰でも、なんに対しても、自由に自分の意見が言える国は、実際はそんなに多くはありません。
今に始まったことではなくて、昔からイギリスでは、政治的な亡命者を受け入れてきました。
ウィキリークなんかの出来事も、他の国ならもっと違う展開になったことは簡単に想像できます。

「こんなお国柄が一体どうやって生まれたのか」にはもちろん諸説あると思いますが、私が考える理由のひとつは「パントマイム」日本では「パントマイム」といえば、無言でクラウンみたいな人が見えない壁とか演じている芸みたいですが、イギリスでは全く違うものです。

基本は子供を対象としたお芝居なのですが、連れてきている大人も楽しめるようになっています。パントマイムには必ず出てくるキャラクターが何人か。
まず女装している男性。
(正義の味方の時もありますが、悪役の時もあります)
ヒーローとヒロイン。
(結構その割には影が薄かったり)
そして悪役(個性たっぷりで一番大切な役)
大概はとても有名なアクターがこの悪役を勤めるのです。
だから、お芝居のポスターなんかも真ん中はこの人。私はこの女優さんは知らないんだけど、イギリスの連ドラで有名だった人だそうです。
イギリスのパントマイムでは、おとなしく観客を演じる必要は全くありません。
それどころか、どれくらい野次を飛ばすかが大切なのです。
役者さんたちも、どれくらい観客を異次元の世界に引き込むことが出来るかを大切に考えています。
善悪をきっちりつけるというよりも、悪役も愛嬌があったり、白黒というよりはグレイの部分が多いかも。
常識を覆すという意味では、イギリスの子供たちは小さい時からこういった環境になじんでいるのです。

昨日はティムちゃんと二人で(桃太郎君は子供っぽいから行きたくないということで)リッチモンド劇場に足を運んできました。
演じられていたのは「眠れる森の美女」
ディズニーのアニメでは、最高の美女ということで、バービー人形のモデルになったといういわくつき。
でもイギリスでは悪い魔女が主人公ですから、プリンセス・ビューティーの影も薄ければ、王子様も登場のたびに失笑を買う始末。
魔女が出てくるたびにブーイングをしたり、決められた合言葉を叫んだり、本当に楽しめます。

リッチモンド劇場の中はこんなカンジ。外観はジョニーディップの出た「ネヴァーランド」の冒頭に登場しました。
昨日の夜はこんな風にライトアップされていました。

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