2008年11月8日土曜日

ステンドグラス

バーミンガムにハードマンという会社があります。
ここはヴィクトリア時代に始まった会社なのですが、設立当初は真鍮製品やステンドグラスなど、内装装飾品で有名だったところです。
今ではステンドグラスのみを主に取り扱っているのですが、新しく作るだけではなく、古いものの修復や、アンティークのサイズ直しなども扱っています。
今回お仕事でスタジオを訪れたのですが、とても興味深かったです。
上の写真はスタジオの一角。
ヴィクトリア時代のこの会社の製品が展示されている部屋です。
内装デザイナーのピュージンともかかわりが深かった会社で、彼のデザインによるものも多く含まれています。
今回のお仕事の行程表を見たときに、行ったことがない会社なのに、名前に覚えがあったのは、この会社が国会議事堂の内装に係っていたから。
私はロンドンのブルーバッジの他にも、特別な場所をガイドする許可証をいくつか持っています。
国会議事堂の免許もそのひとつ。
国会議事堂は正式な名前をウエストミンスター宮殿といって、ここをガイドする為には専門のコースを受講して、試験に受からないといけません。
日本人で持っているのは、引退してしまった人も含めて5人くらいかな?

今回は通訳のお仕事だったんですが、仕事の合間に会社の人にいろんな質問をして、いろんなお勉強ができたのでとてもためになりました。
実際に作っている現場というのは、やっぱりどのような部門でも面白いと思います。
これまでお仕事でたくさんのスタジオや工場に行きましたが、そういった場所で仕入れた知識というのは、別の場所でも本当に役立ちます。
ステンドグラスにはたくさんの作り方がありますが、伝統的なものは小さな色ガラスに柄を入れて焼き直しをして、鉛のテープでつなげたものをハンダ付けする方法です。
鉛は有害なので、女性には安全基準値が定められている為に、この業界は男性が殆どです。
イギリスでは基準を満たせば働くことは不可能ではないそうですが、フランスでは女性の作業は禁じられているそうです。
一つ一つのピースをつなぎ合わせて、四角い形に仕上げています。たくさんの無地の色ガラスがこんな風に収納されています。
アーティストはここから好みの色を取り出して、デザインをガラスに移していきます。
微妙な色の違いがわかりやすいように、この部屋は白い壁で、窓にはブラインドもカーテンもかかっていません。これはアイルランドの修道院から買い付けてきたアンティークのグラスだそうです。
顧客の需要に合わせて周りにガラスを加えたり、または取り外したりしてサイズを合わせるわけです。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

mikiさん、こんにちは。
NOMOです。
僕の母が、10数年前から趣味でステンドグラスを作っています。
女性に害があるなんて、知りませんでした。
果たして、母は知ってるのかなぁ・・・。

母が作っているのは、主にランプのカバーです。
ランプを灯すと、何とも言えない色の調和がきれいですね。

元々は社会で働いたことが無い母が、仮に父が先に逝ってしまい、ひとりで取り残された時に食べていくために・・・なんて言う妙な理由で始めたステンドですが、今では僕の目で見るぶんには、十分売り物になりそうな出来映えです。

趣味というには ちとお金が掛かるようですが、母も楽しんでいるようなので、今後も続けて欲しいと思います。

Miki Bartley さんのコメント...

NOMOさん、こんばんは。
お母様、面白い発想で始められたんですね(笑)
ランプのカバーはサイズ的にも無理が無くって趣味にはとてもいいですね。
ティファニーみたいな感じなのかしら?
私も今はじめてみたいなぁ、と思っているのですが、ガラスを焼付けする窯がどれ位するのか調べてからって思っています。
鉛は赤ちゃんを産む予定の女性には特に危ないようなので、それ以外はそんなに害でもなさそうです。