2007年10月24日水曜日
ポピーアピール
日本にもいろいろな募金活動がありますが、イギリスでは10月の半ばを過ぎると赤い造花を胸に挿している人が多くなります。
これはポピーアピールと呼ばれて、戦没者の遺族や戦争で怪我を負った人達、また引退した人達のサポートのための募金です。
11月11日はイギリスの戦没者の日です。
この日には私たちのために亡くなったり、怪我をした兵士たちを考える日です。
この日に一番近い日曜日には王室のメンバーの参加の元、ウエストミンスター寺院で荘厳な式が挙げられます。
リメンバランス・サンデーと呼ばれています。
この赤い花は芥子の花のつもりなんです。
第一次世界大戦で最も激しい戦場だったのが今のベルギー、そこには芥子の花が咲き乱れていたそうです。
英軍はそこから身元も階級もわからない遺体を引き取ってきて、英国のシンボルである樫の木でお棺を作りました。そしてフランスの土とベルギーの墓石で記念碑を作ってウエストミンスター寺院の中に埋葬しました。
無名戦士の墓と呼ばれています。
3000体の遺体が葬られている寺院ですから、みんなお墓の上を歩いちゃうわけですが、このお墓の上だけは誰も踏むことは許されていません。
もしこの季節にイギリスに来られたら、街中の募金箱にお金を入れるとポピーを受け取れます。
これは実はリッチモンドで作られているんです。
ヒルに工場があって身体障害のある人達の職場になっているそうです。
今年のアピールは若くして、引退せざるを得なくなった兵士たちに焦点が当てられています。
今日が正式な発表日だったのですが、アフガニスタンで失明した22歳の元兵士がTVなどで募金を呼びかけていました。
今年の引退、もしくは負傷で手当ての必要な兵士の数は3000人余りだそうです。
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2 件のコメント:
うーん、考えさせられました。
日本では、戦没者を悼み感謝するということ自体、もう社会的な通念とはいえなくなっていますね。
靖国問題が先なのか後なのかわかりませんが、「…のために」という観念すら薄い世の中、なかなか理解するのは難しいのでしょう。
私は祖父が戦死しているので、ぼんやりとではありますが、身近なことに感じています。
最近、娘を授かった弟の、嬉しそうにその子を抱く姿を見るたび、我が子を見ることもできずに戦死した祖父が、私たちと同じような若者であったことに気づかされ、愕然としました。
ニュースで流れていることは、現実味をおびないことが殆どですが、自分に当てはまることがあると急に身近に感じることが出来ます。
私はポピーアピールは昔戦争に行って、退役した人達の年金のようなものだと思っていました。
でも、違うんですよね。
そのような人達も勿論手当ては必要ですが、若くして身体を不自由にしてしまったり、家族を残してなくなった人達の為にもこういったチャリティーが必要なんですよね。
靖国神社は私は何で参拝することが悪いのか良く解りません。
イギリスにはセントポール大聖堂に沢山の軍人さんが葬られていますが、私たちが今平和を享受しているのもこの人達のおかげだと思います。
特にセントポールにあるアメリカ兵士のチャペルは、外国から来てこの地で命を落とした人達のためのものです。
歴史を学ぶときに「もし」と考えることは大切だと思います。
沢山の人達の犠牲の上に今の私たちがあることを忘れてはいけないと思います。
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