2022年7月21日木曜日

郵便ポストのクイズ!

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この間久々に観光のお仕事をしました。
オンラインじゃなくて、本物のウォークです。

桃太郎君もティムちゃんも「チャリティーツアー?」なんて聞いてきました。
まだガイドを廃業したつもりはないんですが、2年以上普通のガイドをしていませんでしたから、二人の頭の中では私が仕事といえばオンライン、もしくは趣味を活かしたチャリティーという感覚らしい。

今回は子供も多いツアーだったので、難しい話よりもビジュアルを重視。
ツアーが終わった後も楽しんでもらえるように、イギリスの郵便ポストをいくつかツアー中にご案内しました。
要点だけ覚えると、ポストを見るたびにクイズみたいに楽しめます。
イギリスに住んでいる人はもちろん、ご旅行でお越しになったらポストを探してみてください。

イギリスのポストは、切手が発明された後にできました。
それまでは手紙の枚数や宛先で料金がまちまち、しかも高価だったので「投函」ではなく、人の手を介してしか取次ぎがされませんでした。

切手が発明されたのは1840年。
ということでヴィクトリア女王様の時代です。

さて、切手ができて、すぐにポストができたわけではないんです。
実はポストができ始めたのは、それから10年以上経ってから。

イギリスのポストには「Royal Cypher」といって、設置時の王様・女王様のイニシャルが入っています。
なので、それを見るとどの時代に設置されたかがわかります。
ヴィクトリア女王から現在のエリザベス女王まで、他に4人の王様がいましたからロイヤルサイファーは全部で6つ。

これはヴィクトリア女王のもの。
V と R が合わさった模様が見えますか?

R というのはラテン語で王様もしくは女王様ってことです。

ちょっとわかりにくいかもしれないので、イラストを載せておきます。
ヴィクトリア女王のものは上段の一番左。

その右隣りが息子のエドワード7世です。
飾り文字であることと、E と R が重なっているのでわかりにくい。
中にVII とあるのはローマ数字の7です。
お母さんが長生きしたので、王様になったのはもうかなりの年齢。
1901年から1910年までという短い治世でした。
そして、これが彼の時代のポスト。

さて、彼の息子、ジョージ5世は質実剛健といったイメージの人です。
チャラチャラした飾り文字はイヤだってことで、すっきりとGR。
5世を意味するvが入っていませんが「俺はジョージだ文句あるか」って風(笑)
ね、スッキリしたデザインでしょう?


さて、私はまだお目にかかったことはないのですが、王冠よりも恋を選んで退位したエドワード8世が次。
国内に60以下のポストしか残っていないそうで、ロンドンには2つあるそうです。
グーグルで拾った写真を載せるのも悔しいので(何が?)見つけたらうれしいだろうから敢えて載せずにおきます(笑)

そして、結局弟が王位について、それがジョージ6世。
珍しいわけではないです。
が、よく見かけるってわけでもない。

表で見ると左下のものがそうです。
VI はローマ数字で6。


そして、最もよく見かけるのが現在のエリザベス2世のもの。
イギリス国内に11万5千の郵便ポストがあるそうですが、その半分以上がエリザベス2世。
E と R の間に2を表すII が刻まれています。
おじいさんのジョージ5世のサイファーのように飾り文字でないのが、どっしりした風格を感じさせます。


さてそれではちょっと面白いポストを紹介しましょう。
これです。
どこがおもしろいの?って思いますよね。
何の変哲もない、ふつうのポスト。

でもよく見ると、ロイヤルサイファーが入っていないんです。
このポストは Anonymous(匿名)ポストボックスとよばれています。
Andrew Handyside という人が、1879 年から 1883年の間に製造したもので、普通なら入っているべき POST OFFICE と VR が入っていません。
間違いに気が付いたときにはすでに手遅れ。

それがそのまま残っているのがイギリスっぽいですね。
「まっ、いいか」って感じ。
日本だったら絶対に撤去されてるだろうな~。
こういったユルイところがイギリスの魅力の一つだと思います。


是非、イギリスのポストを見たら年代を当ててくださいね!

因みに今回紹介した写真は全部リッチモンドで見つけたポスト。
ということで、エドワード8世のもの以外なら、小さな町の範囲でもサンプリングできると思います。



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